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いきなり音楽教室  作者: marron
再びお教室編
121/200

21、短期記憶



ピアノを習うと頭がよくなる、という話を時々耳にする。

本当かどうかはわからないけれど、ピアノがよく弾ける子は頭が良いことが多いような気がする。

単に、よく練習する子は性格も真面目で、勉強もちゃんとする、それだけの理由かもしれない。


そこで、ウチのお教室の子の話になる。

彼は幼稚園の頃からピアノ教室に通っているのだが、小学校に上がるときに、ある知能検査をしたところ、短期記憶の分野だけが著しく低かった、ということを、お母さんが話してくれた。


その短期記憶とはどんなものか私はわからなかったのだけれど、彼が楽譜を読んで弾く時に、苦労しているのではないかと感じていたこともあり、譜読みの仕方を少し変えてみた。

とにかくレッスンで、指をさしながら譜読みをさせる。ほかの子より少し先を指すよう心掛けつつ、読み方も少し工夫した読み方ができるように声をかけてみた。


楽譜の読み取り方は、人によって違うけれど、彼は面白い読み方をしていた。その特徴的な読み方をさらに発展させるよう心掛けて数年が経った。

そして小学校を卒業する頃、彼がもう一度知能検査を受けたところ、短期記憶力が突出して伸びていたとのことだった。


子どもにとって、「楽譜を読む」作業は非常に難しいことではあるけれど、真面目に取り組んだ彼は、何かを掴んで、何かを乗り越えられたのではないかな、と感じとても嬉しかった。


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