13、あと何回の約束
ピアノのレッスンの時に、生徒さんが弾けないところ、下手なところを、集中して弾かせて練習することがある。というか、ほとんどがこの作業。
抜き出して練習をしないと、上手くならない。それをタイミングよく「はい、そこもう一度弾いて」と言うのが、私の仕事。
その「もう一度」で上手く弾ければ、曲が進むけれど、つっかえるようだったら、さらにもう一度弾く。
それでも下手だったら、もう一度・・・
とやっていると、生徒さんが「一度」って言われたのに、何度も弾かされて嫌になってしまう。
ということがないように、ウチのお教室では、初めに約束をする。
「ここからここまで、あと10回弾いてみよう」
と言うと、
「えー、10回もー!」
ちびっ子は10回は多いと思っている。たった2小節で、音符が7個しかなくても10回は多いらしい。
「じゃあ、7回?」
「5回!」
と、値切られる(?)。
まあ、5回でも良い。ようは同じところを何度か練習して、自分がどのくらい弾けるかを自覚してもらうことが大切。
そして、その5回という約束は絶対に守る。
私が約束を守るからには、生徒さんにも守ってもらう約束がある。
それは、その5回の間にお喋りや遊びをしないということ。
1回弾いて、喋ったら元に戻ってしまうので、5回は集中して練習してもらう。
(不思議なことに、反復練習をしなと上達しないのです)
この約束を守らなかったばかりに、さらに5回、泣きながら弾くことになる子は多い。
だけど、一度その失敗をしておくと、次からは生徒さんも約束を守る。
これ、すごく大事。




