4、厳しい先生
私は子どもに対して、厳しい方だと思う。
絶対に譲らない一線がはっきりしているし、生徒さんを容赦なく叱る。
と、思っているのに、意外にも初めはそう思われない。
初めは、私も生徒さんも様子を見る。
どんなことに興味があるのか、どのくらい集中できるか、どのくらい他人の言うことを聞ける年齢か、など私から観察することもあるし、生徒さんからは、この先生はどこまで怒らないかを試していることもある。
絶対に譲らないのは「挨拶」と「返事」。
これだけは必ずやってもらう。
これだけ、と言っても、「返事」をした時点で、私の指示に従っていることになるので、これが全てでもある。
一生懸命ピアノを弾いて、できなくても絶対に怒らない、けれども、不真面目にやっている時や、嫌々やっている態度が見られた時は、かなり厳しく叱る。
失礼だからね。
それで、時々泣かせてしまう。
生徒さんにも事情があって、学校で嫌なことがあったり、すごく疲れていたりすることもあって、不機嫌なことがあるのは分かる。
だけど、お教室はお家ではなくて、「先生」に「習う」場であるのならば、どんなに疲れていても、頑張ってもらう。
それで泣かせてしまうと、私もすごく落ち込むのだけど、その次の週には生徒さんはケロっと現れて、帰り際に
「あしたも、マロンせんせいのおうちに来るの~」
などと、駄々をこねてくれると、嬉しくなる。
子どもって、不思議だなぁ。




