3、爪を切っておく
ピアノを弾いたことがない人でも想像つくと思うが、ピアノを弾くためには、爪が長いと弾きにくい。
一昔前では、爪は必ずきちんと切ってからレッスンに来るよう指導しているお教室が多かった。
最近では、あまりうるさく言わなくなった。
それというのも、爪はわりと大事だから。武術などでもそうだけれど、爪の1ミリで、指先の力の入れ具合が違ってくる。力のない子どもならなおさら、爪があって、やっと鍵盤を叩くことができるという子どももいるくらいだ。
ただし、爪が長いと鍵盤の上で滑ってしまうし、あまり長すぎると今度は関節が伸びてしまうため、これまた弾きにくい。
こればっかりは、普段からピアノを弾いていて、長すぎない短すぎないところを自分で知るしかない。ということで、練習してきてくれ、と先生は願っている。
ところで、もう一つ。爪を伸ばしてはいけない理由がある。
それは、鍵盤の間に爪が引っ掛かって、爪を折ってしまうことがあるため。
私はこれが最大の理由だと思っている。
お稽古の時に爪が長い子は危ないので、その場で切ってもらう。
小さめの爪切りを準備しておいて
「爪、切ってごらん」
というと、小学校低学年の子は自分で爪を切ったことがない子がほとんどで、恐る恐る爪を切る。(危なくないように私が見ている)
そして無事、自分で爪が切れると、子どもは達成感があるらしい。誇らしげにその爪を見せてくれて、それからピアノを弾くのも嬉しそう。
大人にとっては大したことがなくても、子どもには小さな一歩。ピアノ教室は今日も子どもたちの成長を見守っている。




