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死にたくない

読んで頂き、ありがとうございます。

前回、前々回のお話にてノクスの名前がノクトと誤字があった為、修正致しました。

◯ノクス✖ノクトですので、よろしくお願いします。

 繰り返す時間ときの中で、俺はノクスの事を忘れてしまったのだろうか?


「……か?……殿下!話を聞いていますか?」


 俺の手を握りながら真っ直ぐに見つめる目を捉えると、心がふんわりと温かくなるのを感じた。

 ノクスは俺に記憶が無いことに驚いていたようだけど、俺とノクスには繋がりがあったのか?

 幼い頃の記憶は霧がかかったように思い出すことが出来ないから、幼い頃にノクスに出会っていたなら初対面の対応をした事で気を悪くさせてしまったのだろうか。


「殿下!」


 ノクスに手を引かれ顔が近付いたその時、ノクスの瞳に星が舞ったように見えた。


 ーーーあれ?


 俺は、この【ひとみ】を見たことがある気がする。


 それは、いつ?どこで?思い出そうとすればするほど頭の中の霧が濃く、そして深くなっていく感覚に陥る。


 ーーーッ


 締めつけるような痛みが頭にはしると追い打ちをかけるように胸苦しさを感じた。

あっ、これダメなやつだ……

そう思うと意識が朦朧もうろうとしていく。

 

 もう少し、ノクスと話していたかったな……。



「………ス!!」


 誰かを呼ぶ悲痛な声が耳に届いたと同時に俺の意識は途切れた。



✢✢✢✢


 今度こそ君を守るって決めたのに……ごめん……役立たずでごめんなさい……。


 遠くで謝罪をする声が聞こえる、誰に向けての謝罪のかは分からないけど、不思議と耳当りのよい声に癒やしを感じる。


 もしかして、俺は死んだのか?


 その考えが間違いだとすぐに気付かされる。

 俺の手は温もりを感じていた、重い瞼をゆっくりと開くと俺の手を両手で握りしめている人物に気づく。


 ノクス、ついていてくれたのか?


 そう言いたかった言葉を俺は飲み込んだ。


 すぅすぅと寝息を立てているノクスの顔には涙の跡が残っていた。

 王族と2人きりの時に俺が倒れた……怖かっただろう、可能性は無いとは言え、暗殺を疑われることもゼロではないのに、こうして俺に付き添ってくれたのはノクスの優しさだろう。


 やはり、俺の消えた記憶の何処かにノクスが居るのは間違い無いだろう。

初対面で、ここまでの優しさを向けることが出来るなんて、さすがにあり得ない事だと俺にでも分かる。


 窓から見える夜空が淡い色味を帯びているのを見ると、もうじき明るさがおとずれるだろう。

 俺が自分のベッドに居るという事は、兄上か父上、それか騎士団長がここまで運んできたのであろう。

そして、ノクスが居ることを許可したのなら父上は知っている。


 椅子に座り俺の手を握ったままでは寝苦しいだろうと、握っている手を、ゆっくりと外すとノクスの体を抱き上げ起こさないようにベッドへと寝かした。


 小柄だと思っていたけれど、思いのほか骨格はガッチリしていて抱き上げた時に驚きはしたけれど、何故か俺の腕はこのノクスの重さを理解できていた。

 今は俺よりも小さいけれど、数年したら背丈も抜かされるだろうと想像も出来た……それがなぜだか聞かれても分からないけど。


 数年後……その時に俺は生きていることができるのだろうか?

ここ最近は、また巻き戻るのならと死を受け入れて居た、それどころか、この繰り返す時間から解き放たれたいとさえ思っていた。

 けれど今回は……今回だけは死にたくないと切に望んでしまう。


 ノクス、キミに出会えたから。


 ノクスの隣に横になり、顔を見ると心の底からノクスに2度と悲しい涙を流させたくないと思う。


「ねえ、ノクス君が目覚めたらもう一度、言わせてもらう……。」


 瞼の重さに耐えられずに俺は睡魔に襲われた。


 ノクス俺と友達になって貰えないか?

 君だから俺は友達になりたいんだ。



最後まで読んで頂きありがとうございます。

楽しんでもらえると嬉しいです。

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