73話 銀行と時間
咲夜たちが目指している油田は、採掘権を購入することで採取が可能なのだが近くで石油関連の商品を販売しているプレイヤーいることをゲーム内でのSNSで知り今回タイミングも良かったので行くことにした。
「その店今やってるの?」
「やってるみたいだぞ」
「どうして?」
「これ」
咲夜は、その店を経営しているプレイヤーとのやりが表示されている画面を見せた。会話自体は、先ほど始まったようだが運よく経営しているプレイヤーがいたようで店舗に居てくれている様だった。
「ラッキーだね」
「まあ、ラッキーではあるけど時間的に考えるとアジア圏のプレイヤーか」
「うーん、私たちみたいに深夜までプレイするプレイヤーもいるからわかんない」
「それもそうか」
「それに、恰好を見たらある程度分かるんじゃない」
「そんなに服に種類あるのか」
「今着てる服は」
「そうですね」
咲夜の服に関してはすべて瑠璃に依頼しており、服だけでも既に50着は持っていた。そして、プレイヤーの中には服のデザイナーを目指している物もいるので当然服のデザインは時間を追うごとに増えているのだがこのことに関して全く興味がない咲夜はこのことを知らなかった。
「それにお金持ってるはず」
「確かに、店舗自体を持ってること自体がそれを証明してるな」
「それに、石油関連を扱ってるならそれなりに知識があるはず」
「そうだな、でも移動は電気自動車だろうな」
「それしかない」
「なんか、悲しいな」
「仕方ない、警察以外には販売してないんだから」
「それも、そうか」
「そう」
「あと、気になってた。会社の方はどうなった」
「問題なく」
そう言って知佳は、足元に置いていたカバンから許可の書類を出して見せて来た。流石に運転中なのでしっかりと確認することは出来ないが、確かに許可書ではあった。この許可書は、無くても経営することはできるのだが税金など資金に関係する問題が発生するので今回は申請しただけだった。許可が無くても問題ないのは、警察車両を販売できたことわかっていた。
「速すぎないか」
「うん、でも会社は結構な数が立ってるみたい」
「そうなのか?」
「うん、ほらここ」
「ここて言われても見れないんだが」
「端に、会社管理番号8534/A2て書かれてる」
「8534は、会社の数だろ」
「たぶんそう」
「逆にA2は、なんだ」
「会社の規模?」
「なんて申請出したんだ」
「えっと、事業規模、初期投資でかかった金額書いただけ」
「幾らって書いたんだ」
「4億3165万て書いた」
「ちゃっかり飛行代入ってるな」
「あれ、会社の所有物にしたんだ」
「した」
「そうか」
実験機になることは決定していたので含めることは問題なかったのだがまさか入れているとは思わなかったので驚きはした。
「これで、何か特権はあるのか」
「あるよ、例えば口座をもう一個作れる」
「それは、ありがたい」
現状、銀行は1つしかなくその銀行もゲームが管理している物だったので複数作ることが出来ない譲許だった。そこに会社は、別に開設できるとなると資金の管理がしやすくなるので助かる内容だった。また、現金化する際に複数あるとゲーム側も手間なので1つしかなかった。
「そうだ、今の犯罪者って何を盗んでんだ」
「犯罪者じゃないからわかんない」
「それもそうか、でも現金じゃないだろ、そうなると宝石か」
「現金ないから」
「宝石か、でも無限だろ」
「どうだろ、大きな宝石は見たことないから大きい宝石とかなのかな」
「そうなるか、そうなると逆に足がつきやすそうだけどな」
「NPCのギャングとかに売るんじゃない」
「可能性としてはそれぐらいか」
「うん、いっそのこと紙幣で出たらいいのに」
「金もそこまで価値がある物じゃないしな」
「そう」
実際紙幣の問題は、犯罪を行っているプレイヤーからも出ておりゲーム側も建国した国ごとに発行されることを期待していたのだがあまりにも現行のシステムの方が安全性が高いので使われていた。
「まあ、紙幣に関してはどうせ出るとは思うな」
「私もそう思う、それに銀行に関しても数は増えると思う」
「それは、どうしてだ」
「一つだけだと面白みが書けるしプレイヤーが銀行に就職できる」
「そうなのか、そうなると自分で銀行作るやつもいそうだな」
「可能性としてはある」
現状、銀行に関しては、NPCのみが就職できるようになっておりプレイヤーが介入できないようになっていた。これは、不正を防ぐための仕組みでもあるのだが、プレイヤーが関係するといろいろ不都合が発生するのも理由の一つだった。
「話している内容が、会社じゃなくなった」
「仕方ない、会社に関係することだから」
「どこが、もしかしていずれ、うちで銀行事業でも始めるのか」
「ありだとは思う」
「まあ、そうだが当分先にしてほしい上にやることが多すぎる」
「しばらくは車に注力したほうがいい」
「そうだな、車で資金を作ってからだな」
咲夜が、現状行っているのは、自動車、航空機、銃と手がけているのだがどれも時間が掛かる上、自分の手から離れていないに航空機と銃に関しては良い成果が出ていないのでこれ以上広げれる状況ではなかった。
ーーー
移動時間はそこまで大きく伸びることは無かったのだが、それでも時間が掛かるには変わらなかったので長くは感じかなったのだが、今回は特に長くは感じなかった。
「それでここなの」
「ああ」
「どう見ても、石油関連を扱っているようにか見えないけど」
「そうだな」
咲夜も初めはここだとは思わなかったのだが言われた番地にやって来るとそこには、日本に一般的にあるコンビニの形をした建物が建っていた。その建物は、敷地が広く田舎にあるような駐車場が広い感じではあったのだがその敷地に対して小さな電気自動車といくつかのドラム缶があるだけだった。
「まあ、ドラム缶があるからそうだとは思うけど」
「そうだが、販売店には見えないな」
「そう見える」
それでも番地自体は合っているので咲夜が車を敷地に進めた。駐車中自体が広いので咲夜は、適当に駐車して車から下りると建物から人が出て来た。
「こんにちは。咲夜さんですか」
「はい、メールした咲夜です。油田さんですか?」
「はい、油田満です」
油田満と名乗った人物は外見か男性だと分かった。身長は咲夜と同じぐらいだったのだが咲夜とは異なりがたいがよく、どうやってドラム缶を動かしているか気になった咲夜だったのだが油田を見て納得した。
「よろしくお願いします」
「はい、商品自体は原油のままで良いんですか」
「はい、そのままで大丈夫です」
「わかりました。どれぐらい必要ですか」
「えっと、知佳どれくらい必要だと思う」
「ドラム缶は、どれくらい入るの?」
知佳は、車から下りずに顔だけ出した。これは、初めて会うので一応警戒しているため、石油関連を扱っている場所で火器は厳禁だと分かっているのだが知佳が車の中で銃を一応準備していた。そんな、知佳に若干の疑問を持ちながらも警戒されるのも当然と考えているのか油田は知佳の質問に答えてくれた。
「現実世界のと同じで200Lです」
「なら、10本買って良いんじゃない」
「分かった、10本お願いします」
「わかりました。18万ぐらいですが大丈夫ですか」
「問題ないですよ」
「わかりました。すぐに用意します。どこにと言ってもトレーラーですよね」
「ええ、中にまでお願いできますか」
「大丈夫です。それと、少し後で時間を頂けませんか?」
「はい、良いですよ」
「ありがとうございます。すぐ準備してきます」
油田は直ぐに建物の中に入っていた。咲夜は、入れるためにトレーラーのスロープを出すなど準備をしていた。咲夜は、油田の時間の要求に関しては、咲夜の車を見るとこうなるだろうと予測していたので問題なかった。そして、知佳も時間が欲しいと言われることも何を要求されるかもおおよその予測はついていた。




