第9話、両親
家に帰ると、玄関の前で、2人が立っていた。
「ただいま〜」
クレイがそう声を出すと、
「「おかえり〜そして、ただいま!」」と、2人から、声が帰って来た。
そう、2人の両親である。
1人は、男、年の頃は35歳位であろうか。
もう1人は女、歳も同じ位であろうが、女性の年齢を、詮索するものではない。
「飯、獲れたか?」
父親が問いかける。
この男、ジャック-ミスティック。
背は、190センチメートルに、少し足りないほどか。服の上からも、鍛えられた肉体を持っているのが、すぐに分かる。ムキムキマッチョではない。引き締まっていて、それでいて、柔軟な筋肉。男であれば、誰もが欲しがる肉体であろう。
髪は燃えるような赤。眼の色も赤。顔の作りは、まあ人並みであろう。しかし、眼の鋭さや、纏う気の質が、只者では無い。
「獲れてるに決まってるじゃないの!何言ってるのジャック!」
こう返した母親。アリア-ミスティック。
髪の色は、青。眼の色も青。
細身で、小柄。身長は、155センチほどか。体重は・・・殺されたくないので、公表を差し控えさせて貰います。
「熊、獲れたよ〜」
そう言って返すクレイの左腕に、2人は気付いた。
「あんた左腕、何つけてんの?」
アリアが聞く。そりゃそうだ、腕に蛇巻きつけてたら、気になるはずだ!笑
家の中で、アリアが熊鍋の準備をしつつ、クレイとジャック、アリアが会話する。
そりゃ想像を絶する、アリアの反対。
蛇のペットなど、問題外だと、えらい剣幕である。しかもモンスターである、マジックパイソンだ。魔法属性が、どう変化するか分からない、マジックパイソンをペットにするなど、反対だと言う。しかも足が無い。毛も無い。ん?問題はそこか?
ジャックは、別に良いじゃないかと、アリアをなだめる。魔物使い登録すれば、街に行っても問題ないしと、論点をズラす作戦だ。なかなか賢い。
「冒険者登録出来るのは、12歳からでしょ!それまでどうするのよ!私面倒見ないからねっ!!」
アリアが答える。
ジャック、作戦勝ちが見えてきた。
「ちゃんと世話するよ!餌も肉と水で良いみたいだし、フンもしないしさ!」
クレイが頼み込む。
そう、マジックパイソンは、全て魔力に変換するので、フンもしないし、尿もしない。結果、アリアは、渋々許可する。
「我が家に蛇なんて…」
何かブツブツ言っているが、クレイとジャックは、気にしない。許可さえ取ればこっちのものである。