謁見
クレイは、ジャックと並んで、跪いていた。
「なんでこんな事に」
呟くクレイに、
「静かにしろっ!」
ジャックが、怒る。
「国王陛下のおな〜り〜」
どこかのバカ殿でも呼ぶかのような、気の抜けた声がする
クレイは下の豪華そうな絨毯を見つめていた。
「2人とも、面をあげよ」
威厳のある声がした。
2人は、顔を上げ、国王陛下を見る。
「此度の働き、誠に・・・なんだっけ?」
その場に居た全員、こけた。
「堅苦しいのは苦手じゃ、まあ、2人ともよくやってくれた、ジャックは、騎士団長として、いつも頼れる男であるが、その息子まで、強いとは聞いておらなんだ。ジャック、隠してたな?」
笑いながら言う国王。
この国王、年齢は、30代半ば、数年前に、病気で他界した、前国王の跡を継ぎ、現国王となった。その前は、王子ながらに、騎士団に所属し、それなりに強さを身に付けていた。鍛えたのは、ジャックである。
名を、メラニスティク・ハイポ・シシバナという。
「いえいえ、国王陛下、私は隠してなどおりません、まだ修行中でありまして、経験を積ませるために、冒険者をさせておりました。」
ジャックは、慌てて隠していた事を否定する。
「ジャック、堅苦しいのはいいよ、ジャックは、我の師匠なんだし。それにしても、凄い魔法と、恐るべき剣技だったと、話では聞いたが、見た目は両親のちょうど間のような、可愛らしい少年じゃな。クレイとやら、何か望むものはあるか?」
国王が、クレイに聞く。
「いえ、望みなど、ワタクシは、国民として、当然の事をしたまで。」
クレイが応える。ワタクシのあたり、噛みそうになっていたが。
「ふむ、なかなかジャックと違って、謙虚なことだ。」
笑う国王に、ジャックが苦笑い。
「そうそう、今夜、勝利の宴を催す。2人とも、出席するように。砕けた話は、そこで聞くことにする。まあ、それまで、城でゆっくりしておけ」
にこやかに国王が、言い、謁見は、終了した。




