↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋のお姉さんが「〝何もしてない〟のに彼氏に捨てられた」と泣きついてきたので、保護してしまった  作者: シゲ ノゴローZZ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/26

第14話 浪費癖

 これは驚いた。腰の重さに定評のある手毬姉ちゃんが、最短でバイトの面接受けて最短で就業した。姉ちゃんの性格的に履歴書を書くまでに一週間以上、面接通ってからも『キリ良く来月からスタートで!』とか言いそうなもんなのに。

 ちなみにバイト先はパチンコ屋で、普通のバイトよりも時給が高いらしい。俺のイメージでは相当キツイ仕事なんだけど、昔に比べると楽らしい(それでも俺は嫌だけどな、耳悪くなりそうだし)。まあ、なんでもいいんだけど……。


「姉ちゃん、明日もバイトでしょ? 飲みすぎだって」

「飲まなきゃやってらんないよぉ、結構大変なんだからぁ」


 大変だからこそ飲むなって言ってるんだよ? いや、ビールの一本や二本なら俺もうるさく言わないけどさ、それロン缶五本目だよね? しかも一本ごとにキンキンのジョッキ使ってるから、洗い物がめちゃくちゃ増えちまうし。


「飲むならもう少しスローペースで飲みなよ、二時間かそこらで五本目いくのはさすがに危ないって」

「だっておつまみいっぱいあるんだもーん」


 ビールの本数もそうだけど、おつまみの量がこれまたエゲツないんだよね。姉ちゃんの暴食を防ぐために俺も結構食べてるんだけど、それでも全然減らん。


「おつまみ食べるのはいいんだけど、一気に広げすぎだよ。二十歳なりたての飲み会じゃないんだから」


 俺、テーブルいっぱいに注文するヤツ嫌いなんだよね(意見が分かれるところだろうけど)。


「たまにはいーじゃん」

「四日連続でビール飲みまくってるけど?」

「おつまみいっぱい広げたのは今日だけじゃん」


 いや……今日が特別酷いってだけで、他の三日も結構多かったよ? 夜にこんだけ食べていいのかな、絶対しっぺ返しくると思うんだけど。


「毎週五日勤務ってわけじゃないんだよね? 普段の食費とかを考えたら、このペースで飲むと給料飛ぶよ?」

「うぇー? らいじょーぶだって、時給高いもん」

「高いって言ってもバイトでしょうに……」


 一日八時間勤務としても、月二十日働いてようやく月収二十万円を超えるぐらいだろ? 実際は八時間も働かんし、月二十日も入らない、つまり税金やら保険やらを考えると……せいぜい十三万ぐらい? んー……お姉ちゃんは家賃とか光熱費を払わないから、充分っちゃ充分なのか? いや、でもなぁ……。


「職業差別かぁ? このぉー」

「さ、酒臭っ……」


 普段であれば嬉しいよ、首に腕を回して顔を近づけてくるのは。でもこのタイミングはやめてほしいな、ビールとガーリックの臭いがキツくて……。


「臭いだとぉ? お姉ちゃんに向かってその口の利き方は……なぁ? 人生そんなに甘くないぞぉ? 大体最近の若者はすぐ文明の利器に頼ってからに……」


 ダメだ、もう既に酔ってらっしゃる。そりゃこのペースで飲んだら、こうなりますわな。女性にしては強い方なんだろうけど、そもそも女性自体が男性よりアルコールに弱いからねぇ。


「姉ちゃん、ちょっとぐらい水飲みなよ」

「私に水を飲ませてどうするつもり……?」


 それは酒を飲まされるときに言うセリフだよ。どうもするつもりがないから、水を飲ませるんだよ。


「昼からとはいえ、仕事あるんだからアルコール抜きなさいよ」

「そのうち抜けるってー。私飲んだ時結構おしっこ出るタイプだからぁ」


 分解能力が高いのか、それは何よりだ。でもな? それだと水分が抜ける一方なんだよ、分かるかな?


「だったらなおさら水を飲まないと、二日酔いになっちゃうよ」


 あんまり詳しいメカニズムは知らないけど、二日酔いって要するに脱水症状みたいなもんでしょ?


「そこまで言うなら飲ませてよー」

「ったく……」


 熱中症患者じゃないんだから、自力で飲んでくれよ。むせても知らんよ?


「違う、違う」

「え? 何が?」

「口移ししてよー」


 なっ、何言ってんの!? 酔ってるからって、大胆になりすぎじゃない? 小学生時代をノーカンとすれば、お互いファーストキスだよ? こんな形で……。


「顔真っ赤ぁ! かっわいー!」


 …………からかわれた、悔しい。酔っぱらいの戯言でドキッとしてしまった自分を恥じるよ、俺は。


「顔が赤いのはお姉ちゃんだよ、さっさと水飲んで歯磨きしなよ」

「磨いてよー」

「なんで介護しなきゃいけないのさ……」


 俺そういう趣味ないからね? お風呂で背中を流すとか、着替えを手伝うとか、そういうのは役得かもしれないけど、歯磨きを手伝うはただの介護なんだよ。ブラの手洗いですら面倒さが勝ってるのに、歯磨きってアンタ……。


「あぁぁぁ! ビールこぼしちゃったぁ!」


 ……やっぱこの人と結婚したら不幸になるよな、絶対。でも俺が結婚してあげないと、この人が不幸になるし……。俺はどうしたらいいのでしょうか? 惚れた弱みで結婚してあげるしかないのかな? それとも自分の人生を優先するべきか? いくら美人でもアラサーだし、十年後はアラフォーだよ? ちょっと最低な言い方かもしれないけど、今から付き合っても旨味の期間が短いんだよな(六歳差だから仕方ないと言えば仕方ないんだけど)。


「おやすみー……」

「床で寝落ちしちゃダメだって! っていうかビール拭いてから寝てよ! それと歯磨きとかトイレも済ませて!」


 この人は本当にもう……。俺がいないとわりとマジで死ぬんじゃないか?


「姉ちゃん、起きてってば」

「ん……」


 ダメだ、本格的に寝てやがる、ほっぺたつねっても起きねぇ。

 …………せっかくだし迷惑料貰っとこうかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。