↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋のお姉さんが「〝何もしてない〟のに彼氏に捨てられた」と泣きついてきたので、保護してしまった  作者: シゲ ノゴローZZ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/26

第11話 相思相愛

 配信の勉強をしたいといい一日中、女性配信者を見続ける日々を送る手毬お姉ちゃん。本人は至って真面目なのかもしれないが、真面目に汗水流して働く俺からすると遊んでいるようにしか見えない(たまにイケメンの男性配信者を見てるのも、ムズムズするし)。


「もう一週間ぐらいパソコンに張り付いてるけど、精が出るね」


 これはもちろん皮肉である。配信ソフトや機材を導入する段階で躓くだろうし、まずはそっちから先にやれよって話だよね。配信の研究をするだけして『配信ソフトの設定分かんない!』だの『このパソコンに対応してない! もういい!』って投げ出す未来が見えるもん。


「こういうのは掴みが大事だからね! 今はアーカイブ全部残すのが普通の時代だから、下手な配信をすると後々不利になるもん」


 あれっ? 意外と考えてる? 俺はてっきり、配信見るのを脳死で楽しんでるもんだとばかり。


「最初の方はどうしても視聴者が少ないから、頑張って動画を作らないとね」

「お姉ちゃん、本気なんだね」

「むっ? もしかしてこの一週間ダラダラしてたと思ってたの?」


 そりゃ思うだろ、だって配信ぐらい一般人でも見るもん。むしろ現代のニートなんか一日中配信見続ける日々だろ。


「お姉ちゃんが真面目に頑張るところって想像つかないし」

「言うようになったねぇ。昔は私にお世話されっぱなしだったくせに」


 うーん……お世話されてたのかなぁ? 遊んでもらった記憶はあるけど、世話を焼いてもらったと呼べるかどうか……。お風呂に入れてもらった件に関しては、(色んな意味で)お世話になったという表現でいいんだろうけど。


「思い返せば、手毬姉ちゃんは昔から適当だった気もするよ」

「そうかな? 学校でも忘れ物とかあんまりしなかったよ」


 それはきっとご両親が準備を手伝ってくれたのでは……。


「例えばほら……靴脱いだ後、揃えないでしょ」

「それは別によくない? 無茶苦茶に脱ぎ捨てるならまだしも、揃えてないってだけの話じゃん。ましてや自宅だよ?」


 いや、普通の人間は自宅であろうと無意識に揃えるでしょ? あんまり言いたくないけど、お姉ちゃん色々とズレてるよ。


「コップとかも一切ゆすがずに放置するし」

「お茶ぐらいいいじゃん。牛乳とかコーヒーを飲んだ時は、さすがにゆすいでるよ」


 いや、お茶でもしっかりゆすいでほしいし、なんならお姉ちゃんが洗うべき。というかこの前、普通にコーヒー飲んだまま放置してたよね。中々落ちなくて大変だったんだからな。


「それとさ、お姉ちゃんのお母さんが言ってたけど、弁当箱を自発的に出さないから大変だったらしいよ」


 おそらく水筒も……。


「学校から帰ると色々面倒になるんだよねぇ。リラックスモードに入っちゃうというか、なんというか」


 それはちょっと分かるけど自分が洗わないなら、せめてすぐに出さないと。


「っていうかさ、あんまりイジメないでくれない? お父さん達から私の養育費を貰ってるんだよね?」


 成人女性の面倒を見る時って、養育費って言うのかな……。


「貰ってるけど、俺は一切私用で使ってないよ? つまりお姉ちゃんの世話という手間だけがかかってるんだよ」


 まあ、貰った金は株に変えたし、配当金でわずかながらに得するっていう算段なんだけどね(ぶっちゃけ割に合わない気もするが)。


「手間? お姉ちゃんのことをデバフだと思ってるの?」


 どうでもいいけど、お姉ちゃんデバフって言葉知ってるんだね。もしかしてゲーム配信を見てる影響かな?


「少なくともバフではないでしょ」

「あー! そういうこと言うんだ!? 幼馴染の美人お姉さんがTシャツとショーパンで家にいるっていうのに!」


 嬉しいってのは否定しないんだけど、負担も大きいんですよ。洗濯物の量が二倍以上って、貴女が思ってるより大変なんですよ? しかもブラは手洗いだし。


「たしかにそれはメリットだけども……」

「本当にそう思ってる? 私が無防備な体勢でも、無視して読書してるじゃん」

「そりゃあんまり見たら失礼だし」

「……興味ないわけじゃないよね?」


 え? 何? なんなの? お姉ちゃんって俺のことを一切男として見てないはずだよね? イイ男見つけたら速攻で出て行く気満々なんだよね? いや、お姉ちゃんがそういう発言をしたわけじゃないけど、性格的に……。


「初恋の相手だってのは否定しないけど……」

「あっ、やっぱり初恋だったんだ? へー? そっかー」


 うぐっ……年上お姉さんによるからかいモードが始まっちまった……。もうただのアラサーニートのはずなのに妖艶すぎる。


「どこで惚れたのかなー? 添い寝した時? 一緒にお風呂入った時?」

「……遊んでもらってるうちに、気付いたら好きになってたよ」

「へー? まっ、私も同じようなもんかな」


 ふぇ?


「一緒にゲームとかお昼寝してた頃はただの弟感覚だったけど、一緒にお風呂入るとねぇ」


 うん? 俺ら六歳差だよね? 年下側が意識するのは分かるけど、年上側からすると取るに足らないことじゃない? 仮に性別逆だったとして、小六女子と混浴したことで意識し始める高三男子って危険すぎない?


「物心ついたときにはお父さんとお風呂に入ってなかったから、これまでの人生で健志君以外のチンチン見たことないんだよね」

「……え?」


 二十八歳ですよね? というか彼氏いましたよね?


「かっ、彼氏さんは?」

「ん? そこまでの関係にいけなかったけど?」

「え? 一年くらい同棲してたんじゃ……」

「私は身持ちが固いからね、そう簡単に裸を見せるわけにはいかないよ」


 ……捨てられた要因の一つだな、こりゃ。仕事も家事も一切しない上に体も許さない二十八歳って、事故物件じゃん。


「ちなみにキスさえしてないよ、健志君以外とは」


 …………………………なあ、これってさ、結婚するべきじゃない? 初恋引きずってたの俺だけだと思ってたんだけど、お姉ちゃんも引きずってるじゃん。俺と違って一度は彼氏を作りやがったけど、それは多分年齢と無職による焦りからだと思うんだよね(恥を知らないから、適当に捕まえた男に養ってもらおうとしたんだろうな)。

 じゃあ、あの日ギャン泣きしてたのって、寄生先がなくなったから? いや、単純に失恋がショックだったのもあるんだろうけど、専業主婦という未来が消えたショックの方が大きいのでは……。

 複雑な気持ちではあるけど、当時から相思相愛だったってのはちょっと嬉しいかもしれない。風呂で性器を見られたのがきっかけってのが、色々とどうかと思うけど、俺も似たようなもんだし。とりあえず結婚するしないは、これからのお姉ちゃん次第かな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。