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LOVERSコード3neon―1係応援案件編―  作者: 蒼貴みかげ


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code07:vision01 迎える朝

 5月4日午前6時半。


 高桐の部屋から戻った三朝は、

 いそいで出勤の支度をした。

 早出の日だったのを思い出していた。


 エレベーターで、キーホルダーを眺める。

 ひとつ増えたキーレス――。

 握りしめて、エントランスへ降りた。


 そういえば――。

 世間は大型連休中だったな、などと

 人影の少ない住宅街を見て思う。

 

 空いてるコンビニに入って軽食を買った。

 実に19時間ぶりの食事。

 レジ袋を提げて入ったJPO本部は。

 連休など関係ない、いつもの職場だった。


 9階に上がり、司令室へ入る。

 うす暗い室内に、人の気配だけがあった。


 奥のソファに『毛布で覆った山』がある。

 もそっと動く。うごめく?

 

 近づいてみると、それは奈守だった。

 起こさないよう離れたテーブルに着き。

 抱えていたオレンジPCを開け。

 作業を始めた。


 昨夜の『廃ビル事案』の報告書。

 午前中には出さないといけないだろう。


 白石は直帰の電話を高桐に入れていた。

 倉橋たちはどうしただろうか。

 あとで聞いて記入しないと――。


「……来てたんだ」


 声がして、顔を上げた。

 起き上がった奈守が、こちらを見ていた。


「起こさないでくれたのか……優しいね」


 しゃべりにいつものキレがない。

 寝起きの奈守を見るのは初めてだ。


「よく寝てたので。大丈夫ですか?」


「ああ……いけるよ。

ちょっと、帰るのがメンドくさくてさ」


 実に、素の奈守という感じがする。

 三朝は立ち上がって訊いた。


「なにか飲みます? 紅茶を入れるので」


「ああ、あのスティックのやつ? 

俺もおなじの頼める?」


 意外だった。ブラック派の奈守が。


「めずらしいですね。甘いけど、いいですか?」

「いい。糖分がいる、いまは多分」


 カップを差し出すと、さっそく啜っている。

 ソファで向き合った。


「そういえば、昨夜、大変だったんだってな」


 昨夜、テーブルに投げだした、という感じの

 煙草のパッケージを手に取っている。


「白石からLINKあったよ。

カップル尾行したら廃ビルに突っ込んで、高桐が怪我したとかさ」


「それはもう。うちの事件じゃなかったと思ったら暴行未遂で」


「5人いたって? 坊ちゃまが」


「刃物、持ってたんですよ。一歩間違えば」


「まあ……あいつなら。軽傷ですんだみたいだし」


「早瀬先生は『大丈夫』って言ってくれましたが」


「一緒に医局へ?」


「白石さんが、所轄対応を引き受けてくださったので」


「そっか……そうだったな」


 横を向いて煙草を吸いつける。

 ゆっくり煙を吐きだして、つぶやいた。

 

「じゃあ、うまくいったんだ」


 声のトーンがちがって聴こえた。

 

「え?」

「うまくいったんだろ? よかったよ」

 

 奈守の視線に、三朝はうつ向いた。

 ふっと、笑い声が耳に届く。


「わかりやすすぎ」


 つられて笑ってしまい。

 上目に奈守を見た。

 

「……知ってたんですね」

「ま、ね。勘いいから、俺」

「そうですか……」


 なんとも身の置き所がない。

 奈守が煙草を灰皿に叩いた。


「まあ、困ったら言ってよ。付き合い長いから。

ケンカしないだろうけど」

『LOVERSコード』および関連作品に掲載されている文章・画像・動画・ロゴ・キャラクター・設定等の権利は、作者・蒼貴みかげに帰属します。

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