シーズン2 第10話:灼熱のメガシティ潜入、オイルマネーの要塞
いつもお読みいただきありがとうございます。『トラックに轢かれたのに異世界転生できませんでした。~現実世界で【才能鑑定】のチートが生えたので、隠れ天才たちをプロデュースして最高に面白い日常を作ります~』、中東編の本格的な潜入劇を描く第10話をお届けします。
オイルマネーと最新鋭のAIで築き上げられた砂漠のメガシティ・ドバイを舞台に、エネルギー王ザキールが誇る金の要塞へと挑む拓真たち。圧倒的な富と管理体制を誇る街が、天才たちの手によって鮮やかな混沌へと染まっていく緊迫の展開をお楽しみください!
「――おいおい、何だこのギラギラした街は。目が眩みそうだぜ」
ドバイの象徴である超高層ビルの展望フロア。如月蓮は眼下に広がる黄金色のメガシティを見下ろし、眩しそうに目を細めた。
太陽の光を反射して輝く超高層ビル群、砂漠の真ん中に不自然に広がる緑豊かな人工庭園、そして街中を駆け抜ける高級スーパーカーの群れ。
そのすべてが、エネルギー王ザキール・アル=ガジの圧倒的なオイルマネーによって築き上げられた「富の要塞」だった。
「見た目は華やかだけど、中身は完全に金と権力で塗り固められた監視社会よ。市民の生活用水から電力供給に至るまで、すべてがザキールの所有する中枢AIで一括管理されているわ」
九条奏はタブレットを操作しながら、冷ややかにため息をついた。
「わずかでも効率の悪い人間や、反抗的な態度の市民は、一瞬で街のエネルギー供給を断たれて砂漠の真ん中に放り出される……まさに現代の独裁国家ね」
「金持ちの道楽で街一つを飼い慣らすとは、いいご身分じゃない。私の色彩感覚から言わせれば、あの無機質な黄金の輝きなんて、ただの安っぽい成金趣味の落書きにすぎないわ」
蓮見はスケッチブックを片手に、冷徹な美しさをたたえた笑みを浮かべた。
「ねえ、プロデューサー。あそこの頑丈なエネルギー中枢、私の色彩で真っ赤なマグマの幻想に塗り替えてあげたら、あの気取ったエネルギー王はどんな顔をするかしら?」
チームの面々が闘志を滾らせる中、佐藤拓真は冷徹な瞳でドバイの中心にそびえ立つザキールの本拠地――「サン・タワー」を見据えていた。
彼の【才能鑑定】のチートスキルは、タワーの地下深くに隠された巨大なエネルギー制御システムと、ザキールの不正な資金洗浄ルートの全てをクリアに捉えていた。
「正面からパスを見せて入れるほど、あの成金もバカじゃない。だが、どれだけ分厚いセキュリティで固めようと、システムに依存している以上、必ず『慢心』という名の隙が生まれる」
拓真は不敵に笑い、仲間に視線を向けた。
「九条、街のエネルギー管理AIの防壁をこじ開けろ。蓮、蓮見、お前たちの才能をフル回転させて、この灼熱の要塞の心臓部を内部から文字通り『バグらせる』ぞ」
砂漠の要塞を揺るがす序曲
真夜中、ドバイの街が最も静まり返る時間帯。
奏の指先が高速でキーボードを叩き、ザキールの要塞を護る強固なファイアウォールに鋭い楔を打ち込んだ。
『――警告。メインシステムに未知のエラーを検知……』
静寂を切り裂くように、ドバイ市内の豪華なネオンが一斉に奇妙な紫色へと明滅を始める。
砂漠のオアシスに築かれた金の要塞は、今まさに、佐藤拓真率いる天才たちの予測不能なプロデュース劇によって、壮大な幻影のステージへと引きずり込まれようとしていた――!
最後までお読みいただきありがとうございます!
北欧の冷たい氷の巨塔から一転、灼熱の砂漠と黄金のメガシティ・ドバイへと舞台を移しての潜入作戦を描いた第10話。九条奏の鋭いハッキングと、拓真の【才能鑑定】が導く正確な攻略ルートにより、要塞の心臓部へ着実に迫っていくスリリングな展開となりました。
金とエネルギーで市民を飼い慣らす傲慢なエネルギー王ザキールに対し、彼らは一体どんなド派手なエンターテインメントを仕掛けるのか。砂漠のオアシスを揺るがす壮大なプロデュース劇は、いよいよ最高潮へと向かって加速していきます。
次回の第11話もお楽しみに!感想や温かい応援をいつも本当にありがとうございます!




