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第5幕 二大派閥の崩壊

 マルコメXとキング牧氏を中心とする二つの派閥であるが、おこなった活動は非常に対照的であった。


 マルコメX率いる過激派は、自らの男の象徴を「黒々した立派なタイガーのようだろう」と言うことから「ブラックタイガー党」を名乗り、街中に上着一枚着て出かけ、自らの「ブラックタイガー」を女性に見せつけるなどの過激な行為を繰り返す。


 一方のキング牧氏たちはバレンタイン不要論について、有名な「アイ ハブ ア ドリーム」から始まる感動的な演説をおこなった。

 当時の演説の一部について抜粋で紹介させていただきたい。


―演説の抜粋(日本語訳)―


 私には夢がある。それは、いつの日か、瀬戸市の赤土の丘で、かつての非モテの息子たちとかつてのモテ男の息子たちが、兄弟として同じベッドに入るという夢である。


 私には夢がある。それは、いつの日か、不倫と別居騒動の炎熱で焼けつかんばかりのゴシップ紙でさえ、薔薇のオアシスに変身するという夢である。


 私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い息子たちが、性別によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。



 かくして積極的に活動する二つの派閥であるが、長くは続かなかった。


 始めに、マルコメXの逮捕があった。

 「ブラックタイガー」活動を積極的に続けていたマルコメX氏であるが、あるとき女性相手に自慢の相棒を見せつけたところ、「あら可愛い、サクラエビみたいね」と言われた挙句に警察を呼ばれ御用となったのである。

 彼が「あら可愛い」と言われたことはすぐにWEBなどを通じ世界中に知れ渡り、「マルコメX」という通称から以降「マルコメくん」※1と呼ばれるようになったと言う。


 一方のキング牧氏についても、先に抜粋した演説によって日本のみならず世界中から支持され、逮捕されたマルコメくんを置いて一気に派閥争いを勝ち抜いたかのように思われた。

 しかし、ある人が言った「これって、同性愛者の団体行った方が良くないっすか?」の一言により派閥内部が分解。

 結果、キング牧氏率いる一部の人間は独立し、同性愛者差別廃止を訴える団体を作ったのである。※2


 かくして二大派閥は瓦解、バレンタイン排斥運動は暗礁に乗り上げるのであった。


※1 マルコメくん 決して味噌の宣伝をする少年のことではない。禿げてる人に対してこのあだ名をつけることを今すぐやめましょう。

※2 同性愛差別廃止団体 「汝の隣人を愛せ」の精神をモットーとする団体『愛の同志レインボウマン』を結社。メンヘラリストカット集団『死ぬ死ぬ団』と死闘を繰り広げるが、これは別の話。


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