第4幕 山田一郎の没落と二大派閥の台頭
こうしてバレンタイン排斥の組織を築き上げた山田一郎であったが、大学デビューとともに没落することとなる。
きっかけは、彼が美人な先輩に誘われてヨガサークル※1に入部したことである。
山田一郎はヨガサークルに通い始めると常に周囲に美人な先輩との日々のアレコレを自慢し始め、段々バレンタイン排斥運動をおこなうメンバーとの間に温度差が生じてきていたのである。
そして、山田一郎がグループ内で没落していくと反比例するかのように二つの大きな派閥が生まれることになる。
一つは、若ハゲが目立つと評判の丸米氏(通称、マルコメX)を中心とし、バレンタイン妨害活動や排斥運動を積極的に行う過激派。
そしてもう一つは、五十代にして童貞を守りぬいた童帝=キングと呼ばれ、一緒に銭湯に行った仲間から男の象徴を「ちっちゃ!」と言われたという牧氏(通称、まぁチン・ルーザー・キング牧氏)からなる穏便派である。
山田一郎が女に現を抜かしている間にも二つの派閥は肥大化し、外部への活動だけでなく内部抗争が激化していくこととなる。
※1 ヨガサークル 新興宗教の隠れ蓑にされることで有名。入部しても炎が吐けたり手足が伸びるようになるわけではない。




