13.ええええええ!?
それから長い時間、俺はヒロインズの武勇伝を聞かされていた。
病み上がりには厳しい……。
しかし、「女子のトークを止めたら恐ろしい事が起こる」とばっちゃが言ってたからな。
止めるわけにはいかなかった――。
何でも、テロリストが引き起こしたガス爆発の混乱に乗じて、ヒロインズはとらわれていた生徒と教師の救出作戦を決行していたらしい。
テロリストA:俺たちじゃない! お前が引き起こしたんだろーっ!?
……どこからかツッコまれた気がしないでもないが無視無視。
そして、彼女たちの作戦は無事成功。
テロリストも一人を行動不能にできたとか。
白インと黒インがWで先頭になって突っ込んで行ったというから、この女たち、そうとう肝が据わっているぜ……。
特に白インは『ガバヘ』で戦闘行動には慣れているかもしれないが、自分がか弱い女子だという自覚はないのだろうか。
そしてメガイン――生徒会長様も作戦立案と警官隊との交渉で大活躍。
三人は俺に、自分たちがいかに活躍したかという事を、事細かく色々話してくれた。
俺は久々に同じ学校の生徒と話すのと、これまで遠くから見ていただけの存在である美少女三人組との会話に、頷き返すだけで精一杯の時間を過ごしていた。
それから大人しく彼女たちの話に付き合っていたのだが、しばらくするとだんだん三人の雰囲気が妙になってくるのを感じていた。
三人が三人ともチラチラとこっちを見ながら、話を切り出そうとしては止めを繰り返している。
黒イン:……か、会長。ここは会長に任せるぜ
白イン:そ、そうですよ。ここは生徒会長にお願いします
メガイン:む、ぼ、ボクか……。そうか……。うむ。ふぅ……
速馬:……
どうやら、彼女たちは、何か俺に言いたいことがあるらしい。
何だろうか。
割と今回頑張ったつもりだったが、やはり、イザというときに逃げ遅れる様な男はダメ出しをされてしまうのだろうか。
唯一の長所も無くなってしまったとかで……。
俺が、そんな事をボソボソと言ったら。
メガイン:二毛芦。それは『逃げ遅れた』とは言わない
メガイン:『逃げ出さなかった』と言うのだ
メガイン:結果として、ボクたち三人だけでなく、他の捕まっていた生徒と先生たちの命も救ったのだ
メガイン:見事と言うより他ない
今日初めて喋ったメガイン――いちおう先輩――がめちゃくちゃ褒めてきた……?
黒イン:二毛芦! ……いや、速馬! ……お前、漢だったんだなぁ!
黒イン:オレ、お前の内面に心底、惚れこんじまったよ!
黒イン:この学校で、いや、この日本で、何人の男がお前と同じ事が出来るだろうか……
黒イン:いや、断言しよう。皆無だ! だから、オレは……
黒インが、めっちゃ熱く何かを伝えようとしてきたので、ちょっと引いたけど、褒められているらしい……?
その黒インを押しのけて、今度は白インが前に出てくる。
白イン:二毛芦くん、ごめんなさい、アタシの事キライだよね
白イン:ずっとアン――貴方をハブってたんだもの。本当にごめんなさいでした
白イン:貴方の事、今回とても見直したの
白イン:手のひらを返すようでみっともないけど、それでもアタシ、二毛芦くんに言いたい事があるの
白イン:それはね……
さらに、その白インを押しのけて、今度はメガイン先輩が前に出てくる。
メガイン:こらこら、その最初に言う役は、ボクに任せられた筈だろう
メガイン:――ふん、まったく。二毛芦、よく聞いてくれ
メガイン:ボク達三人は君がテロリストと戦う雄姿を見て、心に決めた事がある
メガイン:それを今から君に告げるので、心して聞いて、
メガイン:それから選んで欲しい
速馬:……はぁ
俺の口からは、ただ、ため息のような弱々しい声しか出なかった。
だが……
速馬:ええええええ!?
この後、メガイン――生徒会長である青山芽威瑠が口にしたその内容を聞いて、俺は驚愕した。




