お父様は常に落ち着いた雰囲気だった
「やあ、主殿」
黒髪の美女が光の中から現れ言った。
俺は黒髪の美女を見上げていると、
「ん?どうした主殿」と、黒髪の美女が近づいてくる。
「もしかしてグリア?」
「何を言っているのだ主殿、私は主殿のイメージした姿をとっているはずだが?」と、黒髪美女ことグリアが首をかしげる。
確かにイメージした通りだけど、まさか一発で成功するとは、驚きである。
セルビア姉様の話には一発で成功したものはほとんどいないらしいが、ごく稀に成功するらしい。
しばらくグリアと話ていると、セルビア姉様が「私を置いてくなーー」と、のけ者にされていたからかとてつもなく大きな声で言った。
「ウィル!これはあなたの魔導書ってことでいいのね?」と、まるで脅迫する勢いで迫るセルビア姉様。
そんなセルビア姉様に対し俺はただただ頷くことしか出来なかった。
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その日の夕方、俺とセルビア姉様とグリアはお父様のもとへと向かった。
なんでかって?そんなの俺は知らん!セルビア姉様がいいからついて来いと言わんばかりの剣幕で俺達を連れて行ったのだ。
「おい!フィル!お前の息子はなんだ!一発で具現化術を成功させるとか聞いていないぞ!それにあの魔導書はなんだ!あんなふざけた格好して!…………………」
セルビア姉様はお父様の部屋に入るやいなやこの間のチャラい人を叱った時以上の剣幕と声でお父様に詰問する。いや、正しくは恐喝か、とも思わせられた。
ちなみにフィルとはお父様の愛称らしい。
セルビア姉様から恐喝、じゃなくて詰問を受けるお父様は、いつものように落ち着いた雰囲気でセルビア姉様の対応をする。
「セルビア、一度にそんなに言われても私は答えられないよ、それにその質問は私にではなく彼女に聞くべきでは?」と、さすがお父様あっという間にセルビア姉様を黙らせた。
「うん、確かにそうね……」と、セルビア姉様も少し落ち着いたようだ。
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と言った感じでグリアについて説明する事になりどうせなら夕食も済ませてしまおうと、お父様の声もありグリアとみんなで夕食をむかえることになり、
「さて、ウィルそろそろ彼女について教えてもらおうか」とお父様が優しく聞いてきた。
「はい、お父様、彼女は私の魔導書で名前はグリアです!」
「へぇ名前まで決めたのか、すごいじゃないかウィル」
お父様が大げさな気がするかも知れないが後で知った事だが魔導書に名前をつけるのは相当絆がないと出来ないらしい。
「で、グリアさんあなたは見るからに相当高位の魔導書ですよね何故ウィルと契約をなされたのですか?」と、お父様がグリアに聞いた。
「うむ、我はウィルを気に入ったから、では不服かな?」とグリアは答えた。
「そ、そうですか、それは親としても有難い」さすがに呆気を取られたようで驚くお父様。
その後セルビア姉様とお父様からの質問に答え疲れた俺はすぐにベッドの中へと向かい夢の世界へと行った。
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