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だいじょうぶ、と答えた若葉の声は電話越しでも自信満々に聞こえた。
『失敗しないように計画を立てたのだから、成功するに決まってるじゃない』
「まあ、それはそうだけどね」
樹音にしても納得してないわけではない。しかし、計画がスムーズにいく保証はなく、どこまでも不確定要素がつきまとう。机の上に広げてある地図を指でなぞって明日の手順をもう一度、頭に中で繰り返した。
これで三十回目か……あるいは五十回目くらいかもしれない。
「なんか上手くいきそうな気がしてきた」
『そうよ、千弓さまも大喜びするわよ。こんなスクープはないもの』
「むしろ、そっちのほうが心配かも……」
「そうね」
と、若葉も同意する。身代金を奪うことより、それを使い切るタイミングが難しい。どうせ、すぐになくなってしまうだろうが、なくなる前に『聖スポ』の記事にするわけにはいかない。
かといって、使い切って家に帰ってしまえば誰もが知るニュースになるのは避けられないから、独占スクープではなくなってしまう。
『使い切るまでの間の行動を監視して、記録しておくしかないわね。帰宅のタイミングを逃してしまった場合の保険になるし』
「まあ、どうやって使い切ったかというのだけでもスクープ記事だよね」
『そういうこと……そろそろ寝たほうがいいかも。明日は早いし』
「携帯の充電を忘れないでね」
『そっちこそ、途中でバッテリーが切れて連絡不能なんてことにならないようにしてね』
おやすみ、と声をかけて電話を切る。




