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Welcome to the Glass Tower(4)

          *

 




 硝子の塔、最上階のスイートルーム。

 どの建物より高い位置にある、このタワーのガラス張りの部屋からは、島の全景を360°で楽しめる。


 

「あの演技、下手くそだったなぁ」

 質のいいソファに寝そべったヴァンサンは、思い出し笑いをする。

 渕之辺 みちるは島の管理を担うケリーのもとへ向かっていて、一足先にヴァンサンとジェレミーは硝子の塔へ戻っていたところだった。

 

「俺には演技だと思えなかったけど」

 向かい側のソファで、スマートフォンのゲームに興じているジェレミーは、ちらりとヴァンサンに眼を遣る。

 

「いーや、あれは演技。嘘つきばっかとやり合ってきた僕にはわかる」

「あぁ、そう」

 勢いよくソファから起き上がって、やけに真剣な表情でヴァンサンはジェレミーの言葉を否定する。

 一方でジェレミーは、スマートフォンに夢中で適当な返事しかしない。

 

「あの女」

 ジェレミーの態度にムッとしたヴァンサンは、膝の上で頬杖をついて唇を尖らせた。

 

「僕じゃなくて、ジェレミーと握手しようとしたね」

「あぁ、そういえば」

 ジェレミーは相槌を打った直後、小さく歓声を上げる。さっきから何度も負けていたゲームのクエストをクリアした、らしい。

 

 自分の話をまともに聞いていない従弟に、ヴァンサンは舌打ちが出てしまう。

 舌打ちが聞こえてきたことで、ジェレミーはやっと、視線をヴァンサンにしっかり向けた。

 

「ちゃんと、(サヴァンセ)の動きは押さえられた?」

「真っ先にやった」

 ヴァンサンが尋ねると、ジェレミーは頷く。

 

「さすがジェレミー、頼れる従弟だ!」

 満足そうに笑うヴァンサンがハイタッチを求めて、右手を挙げる。

 ジェレミーは軽く口元を緩め、左手でハイタッチを返した。



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