表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/174

少年と、異なる世界

召喚術1の授業から三日後、今度こそエンカの希望の異世術1を受けることになった。




「……わくわく……」


楽しみを口で表現している。そんな人は本当にいるのか?

しかし無口なエンカがそんなことを口ばしる辺り、よほど楽しみなのだろう。


対する四人は…?


「「「「………」」」」


やっぱりどんよりしている。


「……ねぇみんなは楽しみじゃないの……?」


「だって僕たち…」


「一年の時にひどい目にあったもの…」


「本心を言うと受けたくないんだよ!」


少し大声で言うテムダ。


「あら…わたくしの授業…受けたくないの…?」


「う…うぅわぁ!」


いつの間にか、テムダの背後には紫色のローブを着た、いかにもオカルト系の女性がいた。


「そんなこと言ってると…この辺の子供たちが…貴方を…呪っちゃうわよ…?」


「え…?先生、誰もいませんけど…」


「いるわよ…ほら…幽霊になった子供たちがぁ…!」


恐怖心を煽る口調でテムダを脅す異世術教師。

生徒を平然と脅す辺り、ミランダと似ているかもしれない。


「あら…わたくしとミランダは同級生で…一緒に学年を牛耳る存在でしたのよ…」


「先生…?また幽霊と?」


「いえ…星月にです…」


〔話しかけないでください…〕


「解説も…兼ねてたからいいでしょう…?」


「結局星月ってなんなの…?」


「さぁ…?」




「異世術は…この世界とは別の世界…俗に言う『あの世』の力を借りる魔術です…。死の世界とつながる訳ですから…術者に多大な危険が及ぶ事もよくある話です…」


そこからしばらく説明が続く。


「では前口上はこの辺にして…実技に入りましょう」


実技試験が始まる。幽霊を呼び出せれば合格。そうでなければ不合格だ。



「キャアッ!」


「うおわっ!」


呼び出しに失敗した二人の目の前に『不合格』という文字を持った幽霊が現れた。

教師の遊び心だろうが、意味なく怖いので笑えない。


「ダメ〜ッ」


サクヤも失敗する。

そしてアズラは…?


「うっ…」


「どうしたの!?」


カティが駆け寄る。




アズラの頭にノイズの入った声が聞こえる。


『コ…ス…貴……最…だ…。

……は……も…ダ…だ……め…ね……ラ…。』


「この…声は…?」




「アズラ!」


「!?あれ…僕は…?」


「ちょっとボーッとしてたのよ…。たまにいるわ…こうなる子…。一応…病院室に行ってらっしゃい…」


教師に言われ、教室を後にするアズラ。



「さっきの声は、一体…?」


そう、アズラは呟いた…。

異世術で妙な事が起こったアズラくん。

後に困るかもしれません。というより困らせます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ