表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/174

新月の決戦、牙の双王

「なぁ…今回の本当にやめにしないか?」


弱気なテムダ。その理由は…?



新月の夜の出発前、学園南門付近の集合場所にミランダが現れた。


で、その時彼女が言ったセリフが…


「おそらくあなたたちもウルフキングとクイーンに遭うだろうけど、絶対に倒しちゃだめよ?」


なぜ、と聞いた時の答えは


「私の遊び道具が減るじゃない?万が一倒しちゃったら…表裏草、二倍入れるわよ?」


表裏草は一枚でちょうど逆になる。

逆の逆は正。課題は毒薬なので毒を飲むハメになる。


「ちなみに私は見ただけで薬が何かわかるから、倒しちゃったから回復薬作るなんてことしても無駄よ?量を調整して意地でも毒にするから」


どこかおかしいが、一応薬学教師の能力は持ち合わせているようだ…。




そんなこと話しているうちに、月夜の野原に着いてしまった。


「もう着いたんだし、行こ〜」


「……そうだね……」

二人を説得するエンカとサクヤ。


「…わかってるよ、いつか行かないといけないんだろ?」


「倒さなければいいのよ、倒さなければ…」


嫌なことはさっさと終わらせようと納得するテムダ、絶対に失敗しないように自己暗示をかけるカティ。

一応、準備はできたようだ。




「クオーン!」


普段は月光草のある地帯にたどり着いた五人。そこには薄い青色を帯びた銀色のウルフと、薄い桃色を帯びた同じく銀色のウルフが一頭ずついた。青色のウルフ―ウルフキングが五人に気づくと、高く遠吠えして親衛隊であろう数匹のウルフを呼びよせる。


《キインッ!》という音が二ヶ所で鳴った。

次の瞬間には槍を持ったテムダが走り、弓を持ったカティが矢を放つ。

瞬く間に二匹のウルフが倒れる。


ただウルフたちもやられっぱなしではない。ウルフが一匹テムダに向かって体当たりする。


向かってきたウルフを軽く倒すテムダだったが…


「ぐわっ!?」


背後からウルフクイーンの体当たりを受ける。

かなり高く宙を舞うテムダ。落ちる先にはテムダを見上げるウルフキングがいた。


「ガァァッ!」


回転しながらの強力な体当たり。しかも、当たる瞬間に思いきり牙を立てた。


「《防いで》」


「《ハイ・シルドッ!》」


エンカとアズラが護法と術式でなんとか守る。


「がぁっ…!」


ただ、ウルフキングの攻撃力は非常に高かった。

盾を突き破り、防御魔術で守られているテムダを余裕で吹き飛ばす。


「《足を速く!》」


高く打ち上げられたテムダを助けるため、サクヤが強化術で駆ける。

しかし、ウルフの群れがサクヤの行く手を阻む。


「邪魔だよ〜」


蹴りでどんどん倒すサクヤ。しかしいつの間にかウルフの数が凄まじい事になっている。まったく減らない。


「減らないよ〜」


「どいてっ!《メガ・ブラストッ!》」


サクヤを退かして術式7のメガ・ブラストで一気にウルフを殲滅するアズラ。

道ができたので、落ちてくるテムダを受け止めることに成功した。



「《止まれ》」


再び攻撃を始めようと走りだすクイーンをエンカが結界術で止める。強力な相手には短時間しか効果がないが…?


「みんな!集まったわ!」


四人に呼びかけるカティ。その手は結構な量の新月草を抱えていた。


「わかった!《ブライン!》」


「《…スリープ》」


盲目魔術でキングを無力化するアズラ。

睡眠魔術でクイーンを無力化するエンカ。


「《ハイ・ブラスト!》こっちだよ〜」


逃げ道を作ったサクヤ。


「《ハイ・ヒール…》ふぅ…《皆に疾風の足を!》」


自分を回復してから、かなり上級の強化術で一気に全員の速度を上げたテムダ。


一直線に学園に向かう。親衛隊も追いかけてきたが、追いつくはずもなかった…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ