マジカルAg大発生!
魔法銀採取編、第1話です。
「で、私たちに何の用?」
「……何の用……?」
アズラの部屋に結界が張られて一月と少し。アズラは二人を捕まえて問いただしていた。
ちなみにどうして一月と少しの間、問いたださなかったかというと…?
「エンカは部屋にいないし!カティは一切連絡とれないし!どうなってるんだよ!」
心なしか口調も強くなっているアズラ。
しかし二人は…
「……部屋に気配遮断の結界張って…鍵掛けてただけ…。…部屋にはいた……」
「私はたまにアズラに話しかけようとしてたのよ?ただアズラ忙しそうかなー?とか思ってさっさと逃げたけど」
「…白々しい…」
明らかにアズラを避けていた二人。
「で、どうなのよ?マリィとの仲は。…夜まで行った?」
「……興味ある…聞かせて……」
「何の話だよ…。朝起こしに来るだけ。時々訳分からないこと言うけど、僕はあの結界を一切使ってない」
「つまらないわね…。正直言ってマリィはかわいいわよ?そんなのに迫られて何も感じないわけ?」
「何を感じろって言うんだよ…?」
「……劣情とか…愛欲とか……」
「…何それ?それよりあの結界解除して」
やはり鈍感だ。
「「無理」」
「なんで!?」
「……特別な…防護魔術をかけた…。…結界術なしで解くのは不可能……」
「汚いよ!でも二人なら…?」
「「無理」」
「だからなんで!?」
「だって私たちには解く気がないもの」
「…部屋かえてもらおうかな…?」
「いいけど、そんな事するとヴェクが裏工作して、残りの学園生活がいたたまれなくなるわよ?」
「…わかったよ…、諦めるよ…」
「そうそう、それでいいのよ。アズラ、もともと朝弱いって言ってたでしょ?そこでかわいい女の子が毎朝起こしに来てくれる。最高のシチュエーションじゃない」
「……いいなぁ……」
明らかに楽しんでいる二人。
「いいと思うなら代わってあげるよ?」
「「謹んで遠慮致します」」
「はぁ…」
「おーい!」
「二人とも~!」
テムダとサクヤが走ってくる。
「どうしたの?」
「聞いてくれ!命の洞穴に魔法銀の鉱脈が見つかったんだと」
「いまから行こ~!」
「銀…ね、珍しいわね」
「……行こう……」
乗り気な四人。
「…僕はパス…」
「拗ねてるの?アズラ?」
「別に…」
明らかに拗ねているアズラ。
そこに…
「お姉ちゃんたち」
「どっか行くの?」
ヴェクとマリィが現れた。
「えぇ、命の洞穴に魔法銀を採りに」
「オレたちも行きたい!」
「ダメよ。危ないから」
「危なくてもお姉ちゃんとアズラ様が守ってくれるでしょ?」
「だからダ…、ん…そうか…」
何か考えついたカティ。
「いいわよ。私と『アズラが!』しっかり守るから」
「え!?」
「やったぁ!行こ!アズラ様!」
「兄貴!よろしくな!」
「ちょ、ちょっと待って!」
「諦めな、アズラ」
なしくずし的に行くことになったアズラ。
「……あ……」
「どうしたの?」
「……これから授業あるんだった……」
「え~!行きたかった~!」
「じゃあやめ…「大丈夫よ、私たちが採ってくるから!」…ハァ」
「……お願い……」
「任せて!」
結局、五人で命の洞穴に行くことになりましたとさ…
最近、ずる賢さを身につけてきたカティちゃん、初期設定ではもっとおしとやかな女の子だったんですが…。
まぁ、その設定はマリィにすべて押し付けましょう。