入学式、運命に加わる兄妹2
第四章最終話です。
「へえ~、大活躍だったのね、アズラ」
学園に戻って新入生二人の話をカティとテムダにしたアズラ。
「しかしその男の方か?なかなか面白い奴じゃねぇか」
「面白いって…無謀なだけだよ…」
「そうか?」
そんな話をしていると、アナウンスがかかり、入学式が終わったことが告げられた。ちなみに今この場にエンカとサクヤがいない理由が…
「しかしくじ引きに当たらなくてよかったな?」
「二人はちゃんと仕事するかしら…?」
伝統の(?)くじ引きに当たり、案内役になってしまったのだ。
ただ、カティの心配はすぐに現実のものになる…。
「こら~っ!待ちなさ~い!」
サクヤの声が近づいてくる。
「お兄ちゃぁん…待ってよぉ…」
「オレは姉貴を探すんだよ!」
「ハァ…サクヤ…。…ってあの声は…、まさか!」
声を聞いて何かに気付いたカティ。
「姉貴!」
「お姉ちゃん!」
声の主がカティの前で立ち止まる。男の方はそこそこ長い灰色の髪に切長の目、俗に言うイケメンだ。女の方はとてもサラサラの純白の髪に可愛らしい瞳、人形みたいな凄まじい美少女だ。
「ヴェク!マリィ!どうしてここに!?」
「どうしてって…」
「学園に入学したからだよ?お姉ちゃん」
「そうなの…。あ、アズラ、テムダ、この二人が私の弟と妹のヴェクとマリィよ」
「「え…?アズラ…?」」
「?どうしたの?」
「「先ほどはありがとうございました!」」
「あれ?さっきの子たち?」
「え?え?」
「ア、アズラさんってお姉ちゃんの知り合いなんですか?」
「え、うん。入学してからの付き合いだよ」
「恋人とか?」
「いや、それは違うよ」
「そうなんですかぁ…よかったぁ」
「ふーん…」
なんだ、という顔をするヴェクと呼ばれた少年と、なぜかとてもホッとした表情のマリィと呼ばれた少女。
ただこの状況を良く思わない者もいるわけで
「私を…」
「俺を…」
「「置いていくなー!」」
二人が思いきり叫ぶ。
「あ、あんたはどうでもいい。んで姉貴、アズラ兄貴と付き合っているわけじゃないんだな?」
「ちょっと待ておま…「え!?えぇ、そういうわけじゃ…ってどうして…」…オイ!」
強烈に無視されるテムダ。もうかわいそうになってきた。
カティの質問にヴェクはマリィを示した。マリィはアズラを見ながらもじもじしていた。
「あぁ…そういうことね…。えぇ、違うわよ」
「オッケー。おーいアズラの兄貴ぃー。マリィが話があるって」
「あ、兄貴!?」
「いいだろ兄貴?」
「え?まぁ…うん…」
「んじゃ兄貴、マリィ見て」
「え、うん」
マリィを見るアズラ。
「え…えっと、その…アズラ様…」
「様!?」
「大丈夫、気にしないで」
「あの…不束か者ですが、末永くよろしくお願いします!」
「え?どういう…「よかったわねアズラ!妹泣かせたら承知しないわよ?」え?え…「これで名実ともに兄貴になるわけだ。よろしくな!兄貴!」…え!?」
アズラはまったく話を理解していないが、話は思いきり進んでいる。
「じゃあ今日はここで解散にしましょう。ヴェク、マリィ、寮に案内するわ、着いて来て」
「じゃあまた明日な!兄貴!」
「アズラ様、また明日…」
さっさと帰ってしまうカティたち。取り残された三人は…?
「あ、あれ~?学園案内どうしよう~?」
「新入生にまで邪魔者扱いされる俺って…」
「一体…どういうことだろう…?」
とても困っていた。
「……そもそも…自分出番なかったんだけど……」
とても怒っている人もいた…。
―この学園の運命に、新たな二人が加わった―
次回より第五章。ドタバタ兄妹を加えてアズラ君たちのまわりは大騒ぎ!?
お楽しみに!




