★第二部のあらすじ(簡潔版)★
前回の任務での功績を認められ、正式に七番隊の隊長に任命されたアリスは、新たな任務として隣国から訪問中の第三皇子と第六皇女のうち、皇女のほうの身辺警護を命じられる。
当初は『砂漠の交易都市』サンダリアンで四日間、市内観光をする皇女の護衛……だけだったはずが、破天荒な兄皇子のワガママに振り回され、気づけば王国最強の冒険者パーティ〈血塗られた聖者たち〉が主催する円形闘技場での見世物試合に出場させられる羽目に。
その内容は、〈聖者たち〉のうち、【吊るされし大魔導】ガンドルと【呪われし女王】モニカが用意した機械仕掛けの特製ゴーレムや召喚獣たちとの連戦するというものだった。
一戦目はジル&エイリークペアVS片手にドリル片手に機関銃を装備した機械仕掛けのゴーレムと、巨大な白いイタチのような雷の精霊獣、雷獣。
初戦から苦戦を強いられるも、ジルの盾を光剣化させる『異能』で雷獣の稲妻を反射させてゴーレムに大打撃を与え、最後はエイリークの輝く矢で二体ともトドメを刺し、勝利を収めた。
続く二戦目はローズ&リリィVS大魔導ガンドルのゴーレムコレクション。
人型マッドゴーレム、闘牛型ウッドゴーレム、蜂型ミスリルゴーレム……と、ガンドルは自慢のコレクションを繰り出すも、苦も無く破壊していくローズとリリィ。
あまりにあっさりとやられ、ムキになった大魔導は予定していなかった禁断の古代兵器『竜殺しの巨人』を投入。他の〈聖者たち〉から白い眼で見られるも、引くに引けなくなったガンドルそのまま試合を続行。
さすがのローズもリリィもこれには太刀打ちできず、善戦むなしく敗北となった。
しかし試合終了後にその兵器が何故かガンドルの制御を逃れて暴走し、あわやローズがペシャンコ……というところで、片翼のセイレーン【死を呼ぶ唄姫】ミレイユが『呪言』を発動。その呪いの力で『竜殺しの巨人』も完全に機能を停止し、何とか事なきを得る。
一方、コロッセオでの派手な試合の水面下では、アリス達の知らないところで二つの陰謀が進んでいた。
一つは祖国を離れた皇族たちを狙う、暗殺計画。
そしてもう一つは、さらにその背後で暗躍する者たちの計画。
アリス達がコロッセオで死闘を繰り広げている頃、【黄昏の魔女】ルシア率いる〈星芒騎士団〉一番隊は、豚面鬼の群れの討伐任務のためナディア王国第五の都市プロキオン近くの森にいた。
鬱蒼と生い茂る森の中に、遥か昔に打ち捨てされた神殿のような遺跡。そしてそこに巣食う何百もの妖魔。先日のゴブリンの大群と同レベルの異常発生に驚愕しつつも、ルシアとシュカは直ちにプロキオンで兵力を増強して討伐に乗り込む。
豚面鬼たちを蹴散らし、何故かこのタイミングでまたもや出現する高位悪魔をルシアに任せ、シュカが敵将を討とうとするが、嫌な予感にかられたルシアがそれを制止する。
しかし、ルシアがトドメを刺すより早く、突然オークロードが自殺行為ともとれる特攻でシュカに襲い掛かる。反射的に突き出したシュカの槍に貫かれ、敵将は勝ち誇った笑いとともに息絶えた。
そして再び吹き上がる、不気味な瘴気の黒い柱。
その頃コロッセオでは、三戦目が始まっていた。
アリスとモニカの大将戦。もっとも、アリスの対戦相手はモニカが召喚した聖霊、『嵐の魔人ウガルルム』だ。
攻撃を加えてもたちどころに再生する聖霊を前にアリスは次第に消耗していくが、戦いの中で聖霊の弱点が炎だと気づく。しかし距離を取ってアリス最大の火炎魔法を放つも、聖霊が放つ爆風に弾かれてしまう。
万策尽きたかと思われたが、アリスは土壇場で《光の剣》と火炎魔法をドッキングさせた大技を繰り出し、終にウガルルムを倒す。
しかし自分の魔法を制御しきれず、アリスは大火傷を負ってリンクに崩れ、慌てて駆け付けた仲間たちに介抱されることとなった。
終えてみれば、三戦二勝。辛くも試合に勝利し、何とか〈星芒騎士団〉のメンツを保てたものの……護衛任務はまだ二日、やっと半分だ。
残り二日はせめて予定通りにつつがなく……というアリス達の淡い期待は——やはりあっさり裏切られることとなった。




