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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
二章 猫の訓練と卒業

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032 ゾンビの対応


 ミイラを1人で倒した私は意気揚々とピラミッドの通路を歩いていたが、3匹のゾンビを見てテンションは暴落。汚いし片目は落ちそうだし……総じてキモイの!!


「では、見本をお願いします」

「見本はもういいにゃろ~? 吾輩(わがはい)、あんまり長くゾンビと戦いたくないにゃ~」

「そんなところに連れてきたの猫さんでしょ~」

「妹ちゃんのレベリングのためにゃ~」


 猫さんは、私の希望を断固拒否。くさいのは嫌なんだって。私も嫌だよ!


 ゾンビは3匹もいるので、2匹は猫さん担当。いちおうどうやって倒すのかよく見ていたら、猫さんの動きは緩やかで優雅。それなのに気付いたら、ゾンビの腕は落ち、足は切断され、頭が胴体から離れて倒れた。

 それも2匹同時! 動きは遅いのに、剣をいつ振ったか全然見えなかった! 血相変えて走ってくるのは見えるのに!!


「ど、どうしたんですか?」

「くさかったにゃ~。やっぱりゾンビは苦手にゃ~」

「だからですね……うっ。何このにおい……」

「くさっ。ゾンビ(しゅう)にゃ~」

「くさっ!? あっ! 猫さんだけズルイ! 私にもマスクくださ~い!!」


 ゾンビ臭のせいで、私達はワーキャー。猫さんはマスクを取り出していたので、私も要求するのであったとさ。



 神技裁縫師ネコが作りしマスクを装備すれば、ゾンビ臭も完全防御。どうしてミイラの時点で貸してくれなかったんだ。

 と思ってゾンビと戦っていたら、けっこう息苦しい。こんなところまでリアルに合わせなくてもいいのに。


 ゾンビとの戦闘は、ミイラとの戦闘の焼き直し。ファイアーボールを放って、斬り付け、返す刀で斬り付け、飛び退いてファイアーボール。

 たまにゾンビが避けて私が殴られるのも一緒。違う点は、猫さんに言われることもなく距離を取ったり回復薬を飲んだりを冷静にできた点だ。


 さっきより上手く立ち回れて、倒すの早かったんじゃない? 私はスキップで猫さんの下へ戻るのであった……


「ガ、ガスマスク……??」

「うんにゃ。シュコーシュコー」

「それ、ちゃんと見えてました?」

「にゃんとか。シュコー」


 でも、猫さんはガスマスクを装着していたので、喜びは半減ですよ。猫がガスマスクしてるもん!


「このマスク、全然ニオイしませんでしたよ?」

「吾輩の鼻、猫仕様にゃの。シュコー」

「ニオイに敏感なんですか……それは大変ですね……」

「うんにゃ。シュコー。運営ににゃん度も苦情送ってるのに無視するんにゃ。シュコー」

「そうですか……」


 掛ける言葉も浮かびません! たぶん、猫さん、クレイマーとか思われてるよ。絶対、苦情入れまくったんだろうね……


「次、行こうにゃ~。シュコーシュコー」

「はい……」


 これ以降、私は猫さんに苦情を言うことをやめた。猫さんのほうが不憫(ふびん)なんだもの……



 ピラミッドでは、私と猫さんは1階の通路を行ったり来たり。極力ミイラと戦う。猫さんは、ガスマスクのせいで戦いにくそうだった。それでも私より断然早い。

 私のMPが切れたら、外に出て休憩。今日のおやつは爽やかなミントティーとミントチョコ。口も鼻も爽やかだ。てか、お菓子は同じ物が出たことないな。


 MPが完全回復するまで、私は手作業の初級回復薬作り。休憩って聞いてたのに……

 猫さんは、砂で山を作ってる。鼻歌うたって楽しそうだな……いや! 立派すぎる和風のお城ができてた!?


 ちょっと目を離しただけで、劇的なビフォーアフター。どうやったのかと聞くと、スキルとチョチョイのチョイだって。チョチョイのチョイのところを詳しく説明してくれまいか。

 そんなことよりレベリングと言われて、ピラミッドの中へ。ミイラとゾンビ相手に基礎攻撃を繰り返すだけの戦闘だ。


 最後のほうは慣れてきたのか、攻撃回数は3割減。これに気を良くして、もっと早く倒してやろうと思ったらタイムアップ。

 猫さんに夕食の時間じゃないのかと止められた。確かにこのままやっていたら、ママに強制ログアウトさせられてしまう。猫さんに礼を言ってログアウトする。


 最近の夕食は、猫さんの話題は少なめ。私が本格的な戦闘訓練に入ったから、ネタが少ないからだ。おやつのネタが多いね。


「ねえねえ。お兄ちゃんは、いま、どんな感じなの?」

「どんな感じと言われてもな~……スキルを着々と増やして、セット枠がひとつ増えたな。あと、装備を買い揃えたから金欠だ」

「へ~。装備いいな~」

「まさかまだ初心者装備なのか?」

「うん。猫さんが耐久値がないからお財布に優しいとか言うから」

「なるほど……さすが猫さん。その発想はなかったな~」


 そこまで褒めるようなことではないと思うけど……私、魔女っ子みたいな格好で木の剣振ってるんだよ? お兄ちゃんには言わないけど……


「ちなみに武器は強いの?」

「弱い。いちおうプレイヤーメイドの鋼鉄製の剣で補正とかあるけど、攻撃力30なんだ。ま、これだけあったら第1フィールドは充分らしいから、しばらくは安泰だな」

「ふ、ふ~~~ん……」


 猫さん! オーバーキルだよ! ただの木で鋼鉄製を超えちゃダメ! これはお兄ちゃんどころか誰にも言えないよ!!


「そういえば1人でやってるの?」

「いや、同じ新人で野良パーティ組んでる。日によって人数はマチマチだ」

「あれ? 友達は? リアルの人、やってるとか言ってなかった??」

「あいつらは1年前に始めたから、一緒にやるとな~……追い付いたらたまに一緒にやるか、戦うか……かな?」

「あぁ~……もうパーティ組んでるよね」


 1年前といえば、お兄ちゃんが大学に入った頃だね。私のことがあるから、誘われても断ったんだ……


「なんか、ゴ……ありがとね」

「カノがそんな顔する必要ないぞ? 遅れてやったおかげでネコさんの弟子になれるんだから。アイツらに追い付いたら、真っ先にPKしてやるんだ~~~!!」

「なんか嫌なこと言われたの? それって本当に友達なの? あと、猫さんの弟子はやめたほうがいいよ??」


 どうやらお兄ちゃん、友達に初心者装備を見られてめっちゃ笑われたらしい。だから見返してやろうと、一度は殺すと決めてるんだとか……


 復讐に猫さん使うなよ……


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