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神ゲームの最古参~私の師匠は猫さんです~  作者: ma-no
二章 猫の訓練と卒業

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030 応用編


「うぅ~。どうして猫さんは避けられるのに、私は避けられないのですか~」


 猫さんは基礎的なよっつの動きしかしないのに、私は当たってばっかり。全部喰らった時には、さすがに膝から崩れ落ちた。


「それを考えるのが今日の宿題にゃ~。吾輩(わがはい)の下を離れたら、自分で考えて戦うか、仲間と一緒に考えてクエストやストーリーをクリアーしていかなくちゃいけないんだからにゃ。先生がいる内に、いっぱい失敗するといいにゃ~」

「はい……」


 そっか。猫さんから卒業しないといけないのか。パーティを組んでくれることは……ないか。猫さんに何一つメリットがない。

 てか、猫さんについて行ける気がしない。てか、バグ探しの旅はやりたくない。てか、美味しいの食べたい。猫さんから離れたら、おやつどうしたらいいの!?


「猫さん! 私、どうしたらいいのですか!?」

「途中から悩みが変わってたにゃろ?」

「……あれ? あはは」


 深刻なことを考えていたはずなのに、何故におやつになったんだろうね。猫さんは照れて頭を掻いてる私の手にクッキーを握らせてログアウトを勧めるのであった。


 ログアウトしたら、リアルの私の口からヨダレが垂れていたのは猫さんに秘密です。猫さんならわかっていそうだな……



 その夜、私は心ここにあらず。猫さんは自分で考えろと言っていたので考えていたら、久し振りに家族に心配されてしまった。


「大丈夫?」

「あ、大丈夫大丈夫。猫さん、私の心を読むから、どうやってるのか考えていただけだから」

「カノちゃんは……なんでもない」

「そんなにわかりやすいの!?」


 どうやらママにもわかるらしい。お兄ちゃんとパパはわからないらしいから、そこまでわかりやすくないのだろう。

 生まれてからずっと私を見続けているママにしかわからない違いをたった数日でわかる猫さんが異常なのだ。


 あ、そゆこと??


 私は宿題の取っ掛かりを見付けて、今日の猫さんの動きを思い返すのであった……



 翌日ログインしたら、町の外にいるモンスターで実験。人型が少ないから勝手が違うが、(おおむ)ね私の考えた通りだ。

 そして気合いを入れてバグエリアに飛び込めば、猫さんはツリーハウスを作りながら早口言葉はまだ赤パジャマで(つまず)いていたから、気合いは抜けた。何もかもが緩いんだよね~……


「猫さ~ん。きましたよ~?」

「あ、はいにゃ~」


 猫さんが3回転して着地したら、今日の授業。まずは私から攻撃させてもらいます!


「おっ。やっとわかったみたいだにゃ」

「やった~~~!!」


 初っ端から、二発目のファイアーボールまでいけたから私はバンザイ。

 内容は、一発目を猫さんにかわされる。私はかわされた方向に飛び込んで斬り付け。猫さんには返す刀も防がれたけど、飛び退いて二発目のファイアーボール。これもヒョイッと避けられたけど、初めての成功だ。


「猫さんは最初のファイアーボールで避ける方向を限定させていたのですね」


 そう。猫さんは私にファイアーボールを放った時は、中心より右か左にずらしていたから、私はその逆に動かされていたのだ。


「うんにゃ。ま、そんにゃ小細工、PVPプレイヤーバーサスプレイヤーに慣れた人には通じないけどにゃ~」

「えぇ~……必殺技じゃなかったの~」

「基礎って言ったにゃ~。モンスターでも喰らうの、ザコぐらいにゃから覚えておけにゃ」

「はぁい」


 しばらく猫さんは基礎の動きに付き合ってくれたが、応用編に入ったらまた私はサンドバッグに。だって猫さん、私が誘導したい方向とはまったく違うほうに避けるんだもん。


「相手の重心、目線、爪先の向きにゃんかをよく見るといいにゃよ~?」

「なるほど……」

「目が泳ぎすぎにゃ。俯瞰(ふかん)で全体を見る感じにゃ」

「な、なるほど」


 う~ん……難しい! 気付いたら一点に集中してしまう。そりゃ視線が至る所に散るよ。それでなくとも猫さん、猫背だし……あ、いつもと姿勢が違う。わざと隙を見せてくれてるんだね。


 猫さんの姿勢に気付いた私は攻撃が当たるようになったが、しばらくしたらまた当たらなくなるので、何が違うか考えながら訓練に励むのであった。



 それから2日後、いつも通りバグエリアに入ったら、猫さんが巨大猫のドラちゃんと追いかけっこしてた……ズ、ズルイ!


「私もモフモフします!!」

「にゃんのこと??」


 珍しく猫さんに心を読まれなかった。猫さんが立ち止まるとドラちゃんは猫さんに頬ずりしてる! マジ、ズルイ!! でも、猫さん、ドラちゃんの顔ぐらいの大きさしかないのに、なんでビクともしないんだろう?


「モフモフしていいですか?」

「ダメにゃ~。今日は遠出するにゃよ~?」

「その間、モフモフしていいのですね?」

「……どっちをにゃ??」


 もちろんどっちも!!


 とか思っていたら、猫さんに放り投げられて私はドラちゃんの背中にモフッと落ちる。フガフガモフモフしていたら猫さんが飛び乗り、ドラちゃんは空を飛ぶ。


「いい加減、話を聞かないと、空から落とすにゃよ?」

「き、聞いてます!」


 これから向かう場所は、第4フィールド。一度、バグ技で不法侵入した場所だ。このまま話を聞かなかったら、境界線に突撃して私を死に戻りさせるつもりだったらしい……

 プルプル震えてドラちゃんを撫でていたら着陸。猫さんに言われた通りの体勢で境界線を無理矢理抜けたら、ドラちゃんにモフッと騎乗だ。


 目的地はここから近い場所なので、ドラちゃんは颯爽と走る。ちょっと揺れるけど、初めて猫らしいところを見た気がする。猫さんもドラちゃんも猫なのに……

 あ、中身はどっちも違うのか。なんかかわいそうだね。私はこっちがいいけど。


 そんなことを考えていたら、あっという間に目的地。ドラちゃん、速い! 猫か! 猫だった! あ、ドラゴン? 頭がこんがらがる~。


「えっと~……ピラミッドですか?」


 目の前には立派なピラミッド。高さは私が知っているタワーマンションと比べられないぐらい高くて巨大だ。正直、大きすぎて全貌がよくわかりません。遠くから見てたらわかったのに、ドラちゃんに夢中で……


「うんにゃ。ここのモンスターは人型で動きが遅いから、練習にもってこいにゃ~」

「も、もしかして……」

「にゃ? ミイラとかゾンビは嫌いにゃ??」

「やっぱり~~~!!」


 ミイラとゾンビが好きな女子、いる?


 私はこの先にいるモンスターを想像して身震いするのであった……


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