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神ゲームの最古参 ~私の師匠は猫さんです~  作者: ma-no
一章 猫に弟子入り

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017 変猫


 猫さんと話をしていると謎が増えるので、私は遠い目をしながら黙々と錬金釜で初級回復薬作り。猫さんは何も言わずにボーッと私を見ていると思ったら、肉球を前に出した。


「そろそろMPマックスになるにゃ。違う回復薬の作り方を教えるにゃ~」

「はあ……」


 どうやら私の頭の上に浮かぶMPゲージを見ていたらしい。それを先に言っておいてくれないと、見透かされていると思って気持ち悪いよ。


「ステータスを開くと錬金の項目があるにゃろ?」

「……あ、はい。初級回復薬ってあります」

「そこに数量を指定して確定を押せば、MPを消費して、錬金釜を使わずに作れるにゃ。ま、試しに1個作ってみろにゃ」

「はい」


 猫さんに言われるままにやったら、また失敗作だ。


「なんだか無駄ばかりしてる気が……」

「その作り方は錬金釜より確率が劣るんにゃ。でも経験値は一緒にゃから、時短になるにゃ~」

「これで経験値を多く取れってことですか?」

「今日のところは教えただけにゃ。MP回復したにゃら、スキルを戦闘系に変えて狩りに行くといいにゃ。んで、MPが空ににゃったら錬金の繰り返しにゃ~」

「わかりました」


 たぶんこれが効率のいいやり方なんだろう。私は猫さんを信じてバグエリアを出てモンスターを魔法で倒す。

 MPがなくなり痛い思いをしてバグエリアに戻ったら、猫さんはステータス画面を開いて何やらナイフで木を削っていた。何をしているかと聞くと、明日のお楽しみとのこと。


 とりあえず私は錬金釜を使って初級回復薬を作り、MPが回復したらモンスター狩りと繰り返していたら、夜になった。


「そろそろ夕食なんで、私は帰りますね」

「うんにゃ。お疲れ様にゃ~」

「はい。お疲れ様です」


 猫さんは木を削り終えたみたいだけどまだステータス画面を見ていたので、私は挨拶だけしてログアウトするのであった。



「なあなあ? ネコさんからあのこと聞いた?」


 ダイニングに私が入ると、お兄ちゃんがすでに座って待っていた。きっとファーストキングダムやスパルタスのことが聞きたいんだね。


「聞いたけど、頭が痛くなった」

「はい? ファーストキングダムに所属していたか聞くだけだろ??」

「それがさ~。ファーストキングダムは戦闘狂の集団で、猫さんそこで十万回もPVPをやらされてたとか言うんだよ~? 人斬り以蔵とも千回以上戦ってたの!」

「そ、それは確かに頭が痛くなるな……」


 情報量過多。触りだけでお兄ちゃんも頭が痛そうだ。ママも聞こえたのか、信じられないと言いながら席に着いた。パパは残業でいません。昨日のツケが回って来たんだな。


「人斬り以蔵とネコさんはどっちが強いんだ?」

「戦績は人斬り以蔵。正確な数は忘れたけど、五百回以上ずつどちらも勝ってて、猫さんが七敗の差が付いてるんだって」

「それ、互角と言うのでは?」

「だよね? 千回も戦って七敗なんて誤差だよね? しかも猫さん、魔法とかも使えるのに使わずにその戦績よ? 猫さんのほうが強いんじゃない??」

「うお~……そりゃゴウキさんがネコさんのほうが強いと言うワケだ~」


 夕食の話題は猫さんばっかり。この3日、猫さんのことしか喋ってないな。


「どうしてそんな人?が知られてないの??」

「ママ、私もそれが謎なの。あと、猫さんのこと人って呼んでいいのかも」

「だよね? 2人とも猫さん猫さんって言うから、人間の話をしているのかどうかわからなくなるのよね~」


 私もそう思う。会って喋っているのに、人間に思えない。猫だもん。触ったら引っ搔くし……


「スクショとかないの?」

「あ、そういえば撮ったことないね。でも、猫さん、目立つことを極端に嫌う猫だから……撮らせてくれないと思う」

「それなら情報掲示板にアップされてたぞ。情報求むって」

「「完全にUMA扱いだね……」」


 猫さんのスクショは、遠い場所から撮られた写真やおっきな猫の腹側の写真ばかりだった。だからUMA扱いされるんだよ……


「なんで木こりみたいなことをしてるの?」

「やることないから暇潰しだって」

「ゲームしたらいいじゃない?」

「それ、私も何度も聞いた。ストーリーやクエストは飽きたからって、非日常のロールプレイを楽しんでるらしいの」

「見た目もそうだけど、変わってるのね……」

「ね~? 見てて飽きない。昔の話をすると、終わりが見えないから胸焼けする」

「変人……変猫ね」


 こうして我が家では、猫さんのことを変猫と言うことが増えたのであった……


 猫さんゴメンなさい!!



 翌日……いつもの時間にバグエリアに私が入ったら、こんな声が聞こえてきた。


「ニャマ麦ニャマ米ニャマ卵~♪ 赤パジャマ青パジャマみちゃまにゃ……にゃ~! また噛んだにゃ~~~」


 私は「何事(なにごと)?」と思いながら走ったら、猫さんは木をノコギリで切りながら早口言葉を繰り返していた。


「猫さん、こんにちは。コサクはやめたんですか?」

「あ、こんにゃちは~。ほら? 昨日妹ちゃんが、コサクの歌詞を調べろとか言ったじゃにゃい? 調べようにもタイトルも歌手もわからなくてにゃ~……探してたら、昔練習した曲の動画があったから、久し振りに歌ってたんにゃけど難しくってにゃ~」

「どんな動画ですか? 見せてください」


 猫さんが見せてくれた動画は、早口言葉の歌。リズムに乗せて次々と早口言葉が変わって行くのだから、私でも絶対に噛む。二度どころか十度は噛むね。


「これは無理ですね……」

「昔はけっこういけたんだけどにゃ~……ニャマ麦ニャマ米ニャマ卵、赤パジャマあにゃパジャ……もう噛んだにゃ~」

「えっと……生麦がニャマ麦になってますけど、それはいいのですか?」

「……マジにゃ?」

「……マジです」

「こんの、猫の口が~~~!!」


 気付いてなかったんか~~~い!


 今日も私は楽しくパンゲアヒストリーオンラインを始めるのであったとさ。


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