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ファンブル特攻隊 in Fantasic Wonder World  作者: ニリとん
01 圧倒的に酷い薄暗い森の攻略
6/50

拓かれた道(多義語)~うぉふん~

うぉふ(今回の話)

うぉふ(最近新しいストライクゾーンになった種族が出てきます)

うぉふ!(グロテスクというか狂気が多いです)

うぉふ!(自分でもどうかしてるなコイツって思う)

うぉふ(でも美人さんなら良いよね)

 キングワームの聖誕ふぇすてぃぶぉうを終え、SAN値がごりっと減ったてるるを連れて森に入っていく。キングワーム達のご飯を取りに行くのだ。エルちゃんとちーちゃんが何を食べるのかは……やめておこう。口から捕食器官が出る(あんな)光景はやだぞ?


「うぇええ…もうやらぁ……」

「ほら、行った行った。何を養うにも労働が必要だぞ?」


 ちなみにだが、スタッグホーネットを孵化させて新しい仲間になったガスプ姫を面倒見る、と言っていたエルちゃんだが、ご飯が分からなくて右往左往していた。可愛い。なおガスプ姫だが、蜂の子である。突然の幼虫はやめて欲しい。


「まあどちらにしろ、肉を捕獲しなきゃ。キングワームも肉食みたいだし、蜂も肉食だからね」

「うええ……ガスプ姫……蜂の子……うげっ」

「お前何を言う、アレはアレで……良いだろ……」

「ファンブル……そんな表情するのもどうかと思うよ……」


 勿論ガスプ姫の初見時は悲鳴を上げてしまった。しかし悲しそうに項垂れるその姿にとても心が痛んで……うう……ごめんよ……。


 それまでの一連の孵化を見ていたわふは、まるで妬むように足に擦りついて、それを見たてるるがよよよ、と崩れ、それを見たちーちゃんが「ちぅ」と見下し……もう混沌としていた。ああもう。ごめんよごめんよ。


 とりあえずそういう諸々を思考放棄してしまおう、ということで。




「ああああああああ!イライラ発散キィイイイックゥウアア!」

「ヂュッ!?」


 ビッグラットに八つ当たりし、ドロップアイテムをサクサク収納していくてるる。曲がっちゃいけない感じに曲がったビッグラットの背骨。うん、待って。そこまでやれとは誰も言ってないよ?


「錬金術師ぱぁんち!」

「もうやめてあげて!ビッグラットは既にライフはゼロよ!」

「……ハッ!気付かなかった!」


 物言わぬ故ビッグラット氏に全力パンチを叩き込んだてるるはストレス発散以外何も考えていなかったようだ。やめてやれよ……おおっとぉそこにいるのは野良キングワームさん、食らえ百足ダーツを1ダースゥ!ヒャッハァ!

 針ネズミ化したキングワームさんをわふが回収し、更に奥へと進んでいく。なんだかんだで戦えてきているのは成長と言えるのだろうか。


「うぉふ」

「あらどうしたの」

「うぉっふふ」


 わふが小さく鳴く。その視線の先には……あ、ウサギさん。肉ですね。


「よーし、てるるや」

「はぁい」

「爆弾系の道具ってあったりする?」

「うん。なんか収納の中に素材さえあれば、錬金術で作れるらしいから、コツコツ作ってたよ」


 てるるに爆弾をもらう。この感触……おぉん?ぶにぶにして……アッ!さてはこれキングワ6r3k5hr!?!?


「……ぅひひ」

「てめえさぁ……なぁ……」


 爆弾の感触を確かめ、よく見てみる。見覚えがある緑、握れば滲み出るヤバい色の体液、そして目。あのさあ!なあ!

 持っていたくない。だからぁああ!お願いウサギさん許してぇ!


「てりゃぁぁあああああッ……!」


 全力でキングワーム爆弾をぶん投げる。放物線を描きつつ、ウサギさんの元に飛んでいったソレは、ウサギさんの目の前に落ち。


「「ぬぁあ!?」」


 筋肉質な()でその肉玉を掴んで口に入れ、咀嚼。口の中で爆発が起きたが、それを物ともせずにくちゃくちゃと食む。

 ゆっくりと喉へと通し、呑み込んだ後は新たな獲物を求め、咆哮。まるで自身が王者であることを誇示するかのように……。


「ぃあああぇああええぁぁあいぃええおぅあああ!!!!」


「「ウサギさん…」」

「うぉふ……」


 何だよこの森。文字通りの化け物しかいないじゃんか。素材としては最適なんだろうが。ていうかあの筋肉やばない?15等身ぐらいあったぞ?耳と尻尾以外可愛いのカケラすら見当たらないよ?


「くるるるるぁ……」

「肉食なんだなウサギさん」

「鳴き声が野太いんだねウサギさん」


 で、問題としては。


「……。ぁああぁぃえぅおぁあ!」

「「ッ!こっち来た!」」


 我々が投げた芋虫爆弾。その肉の香りが、残っていました。そしてウサギさんは可愛くお鼻をひくひくさせ、こちらを見据えて指差す。


 更にここで誤算が生じる。


「ぅおぅぃううぉぁ」

「ぅぉうおぁぃあああ?」

「ぁぁああぁ……!」


「群れだと!?」

「これは流石にボクもどうかと思うよ?」

「うぉふぅ」


 3匹のウサギさんが茂みから出てきたのだ。しかも1匹は上からズドッ!と下りてきた。あーこれだいぶゴリラか。


 最後に一番ヤバかった問題について。目があったウサギさんの情報が開示され、ウインドウが出てきた。




<きゅーてぃ☆てぃんきぃ Lv.34>


「「んっふ」」


 名前とレベルのインパクトで笑ってしまい、完全に気付かれてしまった。ごめんなさい。勝てない。


 とりあえずというかとれる行動は1つ。


「進めぇ!方向は問わん、撒くのだ!」

「承知ぃ!」

「うぉふ!」


 全速力で森を駆け抜け、ウサギ、きゅーてぃ☆てぃんきぃんっふ、やめようウサギさんで。ウサギさんを撒く。ウサギさんは血走った目で叫びながら追ってくる。怖いからやめてよ。

 途中で大木とかを障害物にしてみたが、文字通りへし折って追ってきた。ねえアレ化け物でしょ、動きとか機動が猿なんだが。



 何回か追い付かれそうになり、その度にそこら辺のワームさんやらビッグラット氏を見つけてはかち合わせて餌にした。踊り食いはちょっとアレだと思います。

 すっかり毛が真っ赤になったウサギさんが、薙ぎ倒した木を握り潰して走る。もうやらぁ……。ここどこぉ?おうちかえりゅぅ!


 疲れからか、僕は転けてしまう。てるるは苦しそうにして先を急ぐ。おい。わふが僕の前に立ちはだかり、そして唸る。ぁぁああぁわふぅうう!お前!


「「ぎゅうぅいぁ?」」

「ぃぃいい」

「ぅあああぇぇおおお!」

「「「「ああああああああ!」」」」


 ウサギさんは餌2つを見て涎を垂らす。そう、動けない僕と、庇ってくれるわふを……。


「だっ、逃げなさいわふ!」

「うぉふ!」

「くっ、お前……!」

「うぉふ」


 振り向いて小さく笑うわふ。余りに儚い覚悟を決めたわふは僕を背にして大きく吠える。


「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおふ!」











 が、何も起こらない。


「「「「……」」」」


 餌が鳴いたことに首を傾げつつ、ウサギは僕の方に、わふは気にも留めずに手を伸ばしていく。


「うぉふ!うぉふ!」


 わふがウサギの腕に噛み付くが、厚い筋肉に牙は阻まれる。わふも掴まれたが、近くの木に投げつけられ、血を吐いて気を失った。


「わ、ふ……」


 いくら復活できるとしても、わふが痛め付けられるのは心が痛む。すぐにでも復活させてあげたいのはあるが、絶妙な手加減でわふは死亡していなかった。傷を負ったままゆっくりと息を引き取る?それは……可哀想じゃないか。


「ぇえぉあぇ」


 ウサギが僕の身体を絞り始め、身体中の骨が軋みを上げる。背骨を中心にして2つに折り曲げるのか?このウサギ、外道かよ。

 楽しそうにウサギが嗤う中、僕は何かの影を見た。木の上、地面、そしてウサギの肩。銀色に光るソレは、ウサギの身体へと噛み付くと、尻から細い糸を射出する……。


 その8つの目は、柔らかく微笑んでいるかのように見えた。


 ウサギが口から泡を吹き、その巨体を地面に叩き付けると同時に身体がシェイクされ、呼吸が出来なくなる。少しずつ意識が消え、最後に見たのは糸を捏ねる彼等の姿だった。















 柔らかな香り。まるで毛布に包まれているかのような感触。あ、これ好き。おやしゅみ。


「…。ふぇ?」


 あーん?記憶が……あっ!思い出した!確か、ウサギが……。あれ、じゃあこの毛布は?いやこれ毛布じゃない。

 自分を包むソレを手で触る。あー、身体にぴちっとして作られてるのね。道理で身体が動かないのか。で、これは……糸?で作られた繭か?


「糸と言えば、……あの銀色の救世主さんか?」


 外道筋肉クソウサギをぱくりんちょして麻痺らせたあの偉大なる蜘蛛達。是非とも感謝したい。具体的に言えば腕の1つぐらいなら捧げたい。私目の腕で宜しければお納めください。

 耳を澄ませてみる。くちゃくちゃと咀嚼する音が、カサカサと蠢く音が聞こえる。あー、どうしよう。出るか?ていうか出れるか?

 精一杯動いているとカサカサという音が近付き、顔の上で止まる。あろ?


 ぺりぺり。


「あっ、出してくださるの?」


 顔の上で丸が描かれる。えっ、意思疎通できるの?マジかよ全身捧げたいわ。

 その後もゆっくりとぺりぺりされ、頭の部分が取り外された。飛び込んでくるのは勿論蜘蛛氏である。怖いのはあるが、言ってみる。


「あー、助けてくれた?」


 こくり。えっ貴方知能高いわね!流石。てるるの身体もついでに捧げたい。


「えっと、何かした方が良い?」


 こくり。


 蜘蛛さんは脚で後ろを指した。





 そこにいたのは美人さん。糸で編まれたであろう白い服を身に纏い、手でウサギの腕を掴んで噛み千切る。野性的な食事をする彼女は、糸のような白さの髪を腰らしき部位まで伸ばし、その下の()()と触れ合わせていた。

 腰、鼠径部の下。そこには彼女のもう1つの()()が存在していた。銀色の体色に柔らかな産毛。円盤のようなそこから4対の脚が伸び、前2対でウサギの身体を押さえ付けている。その後ろには肥大している腹があり、子を身籠るかのように大きくなっていた。


 彼女のような生物は聞いたことがある。


 答え合わせにウインドウが表示された。


『特殊個体との邂逅!』

<シルバータランチュラの母、アラクネ『レイス』 Lv.表示不可>


 間違いない。このヒトが。


 僕の恩人の『お義母さん』だ。




 彼女、レイスは周りに子を侍らしていた。せっせと彼女の産毛を拭いて脚を綺麗にしている彼等を見ると、何だかぞわぞわする。これがバブみか。さっきから思考がおかしい。

 彼女はふと視線をこちらに寄越し、口を開く。


「……目覚めたか。近う寄れ」


 さては属性てんこ盛りか。野性的な人外ママの女王様ってか?仕えようかしら。

 近くの蜘蛛さんが糸を出して持たせてくれる。その反対側は彼が持っている。あ、おてて繋ぐのね。可愛いなぁ……。ウサギさんショックで蜘蛛さんがメシアにしか見えない。僕はモンスターに好感度荒稼ぎされたのか。つまりふぁわわはギャルゲー?


 レイスの脚の近くに移動すると、彼女はウサギさんの肉を投げて寄越す。あら女王様、よろしいので?


「食え」

「ありがたや……。あっ、自分ファンブルと言います」


 許可が出たのでありがたく頂く。命の恩人がくれたモノは何でも嬉しいよな。はむっといくが中々に柔らかい。へぇ、生も美味しいのねウサギさん肉。


 もぐもぐにぐにぐしていると、近くの蜘蛛さんがつついてくる。何でしょう?


 指差す先には犬のサイズの繭。


「わ、わふ……?」


 蜘蛛さんは頷き、どやっとしてふんぞり返る。あー、嬉しい。ありがたやありがたや。もう信仰して良いかな?


 しばらくしてわふが繭から出てくる。ちょっと弱々しいが元気になったようだ。まさかお蜘蛛様が手当てを……?近くにいた蜘蛛様がウサギさん肉を切り取り、わふへと届ける。あああ……神……。


「して、ファンブルとやら。お主、何者か?」


 肉を食んだまま、お義母様が仰る。ああ、はしたないですよ。蜘蛛様の中にもそう考える方がいたらしく、お義母様に訴えていたが脚で蹴られていた。なんと羨ましい。


「自分はこの森の外に拠点を持つ者でして、此度はてるるという者とあちらのわふと共に森を探索していました」

「ほぉう。続けよ」

「はっ。そしてそこなウサギ、きゅーてぃ☆てぃんきぃに追われ、その後皆様に救って頂いたのです」


 お隣でえっへん!とする蜘蛛様。ああその節は感謝しかありませぬ……。


 お義母様は僕を見つめ、そして言った。


「嘘は言っておらぬよう。そこで正直なお主に頼みがある」

「はい、何なりと」





「そなたの子が欲しい」





 あれ?やっぱりギャルゲーか?


「子、とは?」


 お義母様は小さなお子様を手に載せ、語り始めた。


「そも、我々蜘蛛は、この森では披食者としての歴史が長い。その中でアラクネは進化し、子と共に在ることで捕食者としての立場を確立させた。集団で狩りをし、皆で食糧を分ける。ここで問題が生じるのだ」


 お子様に小さくした肉を分け、自分は内臓を噛みながらお義母様は続ける。もうお咎めが入ることはない。


「繁殖した時、自分達が狩り尽くしてしまったせいで餌が無いのだ」

「成る程。それで自分に託す、と?」

「うむ。それに伴い、託す者の肉を取り込み子に宿らせるのだ。だからそなたの子供、となる」

「理解致しました」


 何だ、僕の肉を捧げるだけじゃないか。寧ろ役立てるのであればその程度は幾らでも。


「どこの肉がよろしいでしょうか?」

「ふむ……そこまで聞いて怯えぬ者はこれまで見たことがない。腕を1つ。良いのであれば出来るだけ置いていって欲しい」

「では全身を」

「全身か。悪くな……全身!?」

「自分特異体質を宿しておりまして、最後に過ごした家で復活できるのです」

「成る程、承知した。では全身、頂こう」


 上手いこといった。これでお義母様に全てを捧げられる……。

 そしてお義母様が僕の腕を折る。痛いがそれだけである。というか痛みが少ない。


「痛いかと思って麻痺毒を処置した。乱暴になるが、許せ」


 よぉし、ぼく、ままのこどもになる。こんなに優しいママがいるか?優しいママは腕なんか食べない?お前はキングワームの餌だ、喜べ。


 そしてお義母様が腕を1本、2本、足を1本、2本と少しずつ平らげていく。幸せです。ありがたや…ありがたや…。


「では、胴を」


 どうぞ召し上がれ。














「復活ゥ!」

「お帰りー。初めて死んだけど慣れそうにないや」

「おう。慣れたら多分人間として危険だぞ、踏み留まってろ」


 死に戻ったらてるるがいた。やっぱ死んでたか。聞けば逃げた先に百足がおり、ビームされてこんがり逝ったとの話。置いていくから……。


「で、ファンブルの死因は?」

「え?ああそうそう、実はあの後……」


 そこから経緯を全部伝えた。しかしなーんか忘れている気が……。

 てるるはドン引きして話を聞いていた。


「流石に嬉々として身体を食われるなんて、どうかしてると」

「今思い出すと感謝のあまり深夜テンションになってたな。お義母様って何を考えていたんじゃろうか……」

「しかしわふちゃんがねぇ」

「そうそう、わふが助けてくれたんだよ」

「へーえ。で、何処に?」


「アッ!」



 うーわ、やった。わふは今もアラクネハウスだ!お迎えに行かないと!どうかしてたわホント!


 その後てるるを連れてまた森に入った。場所も覚えてないし、どうしようかと進んでいたところ、銀色の救世主がまたも救ってくれた。

 迷っている僕等を、アラクネハウスまで案内してくれた彼。感謝を言おうとしたらわふがぷんすかして体当たりしてきた。ごめんて。許して。何でもするから。

 わふを甘やかしていると、お義母様が呆れた様子で此方を見てきた。


「お主は……。ああ、そうだな。旨かった。もう少ししたら卵を預ける」


 また卵が増えることになった。さあ忙しくなるぞぉ!白目を剥いて棒立ちになったてるるを他所に、わふに押し倒された僕は救世主達の嬉しそうな躍りを見てそう思った。ああもう誰かヘルパーして……。

あっひゃあああくもさんしゅてきぃぃいいい!

ちなみにウサギさんは2匹ママが、残りは子供達が美味しく頂きました。

おいちいおいちい(血だらけで肉を貪るママ)


昨日ウリムシをプレスしてありさんに捧げた。美味しいかー?(狂気)

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