クソッタレ雑魚 Ⅲ
[これでよし、と]
[とりあえずではあるがサルベージは出来たな]
[サルベージ完了ではないよナ]
[じゃあまあ仕事準備しよっか]
[とすると?]
[例のアレよなぁあ!?!?(^^)]
アオハルの上から雑魚を見やる。ふむ、組織が飛び散っている……つまり雑魚を雑魚足らしめる細胞の如き結合が砕かれた。成る程ね、文字通りに少しずつ削っていくのね。
と、ここでわんわんが飛び付いてきた。当然のように水中で駆けるわんわんをがしりっとキャッチ。
「うぉふ!」
「このわんわんめ、働き者じゃないか。よによにわんわん」
「うぉっふ!」
「んーもふもふ」
わふと戯れていると雑魚の破片がこっちにも流れてきた。……ってこれ雑魚の破片よりかは雑魚そのものやんけ、雑魚1匹分の身体になりおった。
あらわんわん鼻の上にお魚が乗ったぞ。
「うぉーっ……うぉっふ!」
「あらまあお上手ですこと!」
わんわんが雑魚をぱっくんちょ。もっきゅもっきゅするわんわんはとても可愛い。
「えるっえるー」
エルちゃんがそれを見て雑魚を回収し始めた。どうしたんですか貴女。エルちゃんは回収した雑魚を連れてこっちに来る。
目の前で停止したエルちゃんは1匹の雑魚を、
「むご!?」
「えるー!」
口に入れてきおった。そしてエルちゃんもぱっくんちょ。こういうことはスパゲッティでやらんか?生魚はどうなんですか?
ご満悦エルちゃんはそのまま雑魚をムッシャァ。頭からバリバリしている。押し込まれた雑魚を口から出して手に取ると、エルちゃんがぷらーん。
「え"り"ゅ"ー」
「鳴き声が汚いぞエルちゃん」
「え"る"る"る"っ」
そういえばこの子、ノンプレイヤーの虫だったね。余りにもプレイヤー染みた振る舞いするからふと忘れる。ちなみにちーちゃんは頭おかしいレベルの肉体を誇るのでそんなことはないし姫もポンコツだからそんなことはない。エルちゃんが一番擬態が上手いって感じ。なお瞬間的な変態風速はマッハ52193以上。ギャップがね……(戦慄)
さて雑魚だが。
「■■■■■■■■■■!」
……さて雑魚だが。
「■■■■■■■■■ッ!」
気になって仕方ねぇ!てるるが錬金術で水を熱線に変えて照射しているその相手、雑魚に目を向けよう。いや無理だな何あの魔法少女錬金術強すぎない?
さて、雑魚。何と僕の特攻(あるいは狂次元サッカー)により第2形態に移行したらしい。蝦蛄から身体が平たく変化してふわっと浮かんでいき、最終的に団扇海老になった。そして何やら力を溜めているようである。
まあでもこれはね。
「ボーナスタァァァアイッ!行け3姉妹!」
「えるるるるる!」
「ちうー!」
「ぷぃーっ!」
「わんわんもゴォオオオオオオウッ!」
「うぉふ!」
全員で雑魚のリソースを削りに向かう。今なら全身が隙なので削りまくりましょう。
と、てるるが……まて。何を生やした?触手みたいなのを脇腹から生やすんじゃねぇよ、いやお前足を錬金術するんじゃねぇ!ブースターじゃんかよ!遂に反作用じゃなくて本格的なジェットエンジン使い始めやがった!腕が真生多脚蜘蛛だから気持ち悪いわ!……いや、もしかするとそういう需要も満たしに……?
更に右手に柄を……何する気だ?
「τλλ崩壊、feat.Fed-crossed」
やめろ、確かにそれっぽく見えるけどやめろ!落ち着け、それは、その粒子は……まずい……!
「正光剣ァァァアアアアァ!」
「不明なユニットを使うなボケがァァ!」
超加速しながら雑魚に追突するてるる。その手(束ねられた蜘蛛脚とも言える)には見るからに緑色の綺麗な粒子で造られた光る剣が……水中とかいう拡散し易い領域でその粒子はやめろって!マリンスノーってそうじゃないから!
聴覚に多大なエラーを生じているてるるはその勢いを殺すことなく雑魚に接近。むしろ脚のダブルジェットエンジンをフル稼働して加速、最終的に雑魚にめり込んだ。ぞぶっ、と団扇海老の身体に突っ込んだてるるは足の方向を調整するとスクリューし出す、お前発想猟奇的過ぎません?
あ。今なら纏めて殺れる?
「総員停止、回避!」
「「「にゃー!」」」
「うぉふ!」
虚角深淵対消滅線を纏めてー、太くしてー、それでー。それでー。……あらまあ発送が乏しいわね。仕方ないこのまま行くぞ!
「太くしただけの奴!」
太いだけの虚角深淵対消滅線。しかしそれは避けにくいということでもある。
結果的に、それが雑魚を呑み込んだ。範囲攻撃マジで強い。
「ドゥルォォオオオオオオオオおい底辺貴様許さんぞァ!」
「気付かれた、出力アップしよ」
「光学迷彩」
ゴマみたいな感じの大きさだったてるるがしゅっと消える。んー、どこ行ったんやろ?まあいっかおまけの方を消し飛ばそう。あれ雑魚の方がメインターゲットだっけ?
「殻騒」
「どぅっ」
突然背後を取られて心臓をぶち抜かれる。何だかよく分からんがカァオ!とかいう高音を響かせて誰かが発砲してきたらしい。てか胸から銃口見えてるんだが。撃ったんならそれで良いだろ何故に捩じ込むんだボケが。
リスポーン!
遊んでいるうちに雑魚が第3形態に移行した。ダメージ与えられてた?大丈夫?削りきれてなくて無理ゲーならんか?
と、どんな形になるんでしょうか。
「おろ?」
「カァオ!カァオ!カァオ!カァオ!カァオ!カァオ!」
「おい底辺リンクスあれを見ろよ」
「そのためのフルボトルです」
「逆流するんじゃあない。貴様には水底が似合いだ」
背中から銃口を突き刺しに来るてるるちゃんを触手で軽く拘束する。ほーらうすいうすーい。
「すまん許せごめんなさい謝るから全国放送でこういうのされると明日から登校できなくなる」
「アッハイ」
素に戻ったてるるを下ろす。
「で、どうしたのよさ」
「ほーれみろあんな頑丈な海老さんがハブられたから睨んどるぞ」
「ボクあの海老さん知ってる、伊勢海老って言うんだよ」
「高そう」
「あの殻すごい硬そうだね」
「壊れるまで殴れば壊れるよ(笑顔)」
「そっかぁ……(狂気)」
そうとキマればやることは1つよね。あ、ちーちゃんおいで。パパとメリーゴーランドしようね。
ちうっとお手々を繋いだちーちゃんには申し訳ないが触手で腕をぐるりと握らせてもらう。ちーちゃんそんな顔しない。じゃあぐるぐるするよー。
「娘をジャイアントスイングしようとしてる……」
「あれ?お嬢ちゃん行かないの?」
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
「腐らされてるのはお前定期」
「死ね」
「目は死んでるよね」
「クソ食らえ覚えていやがれよ」
てるるのこころをぽかぽか(核燃料)させるのはやっぱり僕が適任なんだなって。
謎の光を撒き散らしつつ雑魚へとドヒャアしていったてるる。お見送りの後はちーちゃんの射出である。
「行くよちーちゃん」
「ちぅー」
はーっ、ぐるぐるぐるぐるーっのパッ!
ちぅぅぅううううううァアアアアアアアア!と戦意を高揚させるちーちゃん怖い。エルちゃんが怖い怖いと抱き着いてきた。離れて。
エルちゃんに関しては何も言わなくてもえるっとてちてち雑魚に歩いてった。いや歩くな。走って。問題は姫である。まいっか放置しとこ。
「ぷぃぃぃぃいいいいいい!」
ほれあのポンコツ雑魚目掛けて飛んでったぞ。多分戦ってる後ろからお助けー!しようとか思ってるんだろうな。後ろにいるけど。……ついてくか。
そうだ。パックを広げて……上に飛び上がれば……おーやっぱり滑空できた。これ楽しいな。ちょっとずつ照射するからどぱんどぱん煩いけど。
「遅ぇ!」
「君が速すぎるんだよなぁ……で、割れそう?」
「ボクを誰だと思ってるんかな、こちとら天下の錬金術師ぞ?」
「RG指定版魔法少女てるる」
「第1話『ファンブル敗北、陥落』」
「そこに駆けつけてお前も陥落だよね」
「穴という穴に熱々の金属ぶちこんでやりてぇ」
「鬼畜にも程があるぞ」
空から降ってきたフリフリキューティー魔法少女てるるちゃんが錬金術とスナハマネキの土魔法で左手をパイルバンカーにして親指を下に向ける。情報量が多すぎるわ。
笑顔が喧嘩漫画でよく見るそれに似てるなぁ、と思っていると背中に何かを錬金術し始めた。
「ちょっくら撃ち込んでくるから舞ってて」
「舞うの?」
「舞え」
もはやロボアニメのそれのように炎を吹かして出撃していくてるる。何なの君。一瞬で高性能な錬金術するのやめよ?
言われたままにとりあえず舞っておくか。ソーラン節ぐらいしか踊れないが大丈夫なんか?
「ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃちゃちゃちゃちゃんちゃん」
てるる(機械化)が小蝿のようにちょこまか動きながら殻へと迫っていく。
「ハァーッソイヤッソイヤッソイヤッ」
脳天に仁王立ちすると全力で振りかぶりつつ肘にブースターを錬金。何でもありかよ。そして加速した一撃をどかん。
「ハイッハイッハイッハイッ」
「パパ何してるの?」
「踊ってる」
「エルちゃんもやるー」
ドゴッと鈍く、錬金術で密度を弄ったらしい比較的大質量が激突……するが割れたような様子は見えない。罅は入ってるかもね。
「「そいやっそいやっ」」
「ハァーッドッコイショォォオオオ」
「?????????」
一仕事終えたてるるが最期の1発を食らわせに動く。いや何だアイツマジで。もうソロ討伐で良いんじゃないかな。
錬金術を行使したのかてるるがぬぶりと雑魚の体内へと入っていく。柔らかくしたんやろなぁ。で、何をするんですか?
ぼぅん!
「やると思いましたよ」
「こう?」
「そう」
「そいや!」
てるるが帰還。
「うわ何その儀式」
「舞えってお前が」
「雑魚目掛けてソーラン節ってものすごい煽りだよね」
「ハァーッドッコイショォォオオオ!」
「キレッキレやんね」
小学校の運動会で叩き込まれたんだけどまだ覚えてら。
まあそれは置いておこう。問題は想定の範囲外の突破をされた雑魚がいよいよ最終形態に入ろうとしていることだ。憎しみの籠った視線で紅く発光する眼球を……おん?何に再構成されてるんだ?
「てるの字」
「何だいな」
「なーにあれ?」
「分からん、甲殻類っぽい」
その身体は勿論ゲーム上の存在。
しかし。
『ほぉ、やりおる(・ω・ )』
ふとした気紛れから、ソレは。
『じゃあ、これはどうカナ?』
限定的に上方修正が加わった。
「?」
「?」
当然理解する者は彼女に限られた。
「ッ、あれは……クソ、どっかで見た!何処だ、どのエリアだ?」
『なっちん大丈夫?』
『えっなにあれは』
「大丈夫じゃないよ?寸前まで、喉元まで来てるのに」
それを指摘するのは、興味本位で見に来た友人であった。
『なっちんさんや、ちょっと電話していい?酔いが覚めた』
「あーーークソ、何だ、何のサイト!?思い出せ、思い出せ、」
『なっちん二日酔い来とるぞ』
『二日酔いがコールしたいらしいぞ』
『なっちん見て!コメント見て!』
『焦ると周りが見えなくなるのはよくあるやーつ。なっちんまないた』
「は?」
『うわバレた』
なっちんが第6感でコメントを見抜く……見貫く。それに伴いコメントが目に入った。
「コールして!」
「呼ばれて飛び出てゲロまみれ、二日酔いのおじさんだよー」
「脳までアルコール臭いから要件早く言え」
「だいぶ君暴言吐くようになったな?」
2人の自立型鉄砲玉も呼ぼうとして……気付いた。
「「習うより慣れなんだよなぁ!」」
「……」
「先に伝えとくからさ、後で言えばいいでしょ?リスポーンした時とかにさ」
「そっすね……」
一息吐いて、コメントと一緒に目の前の小山を見る。中年の男性の声が開いたウインドウから響いてきた……。
やっほほぉーうよくわがんねぇけど取り敢えず死ねぇ!カブトビームセイヤァァァァアアアアアアアアア!
「ドタマぶち抜けば基本的に死ぬやろァ!」
「例の黒光りする虫って実は頭取れても生きていけるの知ってるかなぁ!おつむよわよわふぁんぶりゅぅ!?」
「じゃあテメェが手本見せろやゴラァア!」
まああれだよね。突撃すれば良いよね。テンション上げ上げ(狂気とも言う)で冷静に攻撃していこう!
てるるちゃんが立体的な軌道を描いて飛びかかるが謎の攻撃によりべちょりと地面へと叩き潰された。やーいやーい。
「重力が……増ぇたょ……」
「重力が増える訳ねぇだろボケ!」
ブゥゥウウン(謎の攻撃)
「増ぇたね……」
「ょね……」
何これ滅茶苦茶身体重いんだけど。
本気を出してきた雑魚さん。何、この状態で戦えと?無理では?てるるん、これどうするよ。
「あ、でもこれ無理矢理行けそう」
「は?」
破壊的なまでに重力で押さえ付けられている我々だが、てるるは魔法少女形態のままジェット噴射を繰り返す。ドヒャドヒャしつつ少しずつ浮上し、最終的に縦横無尽に動き回れるようになった。なお身体はぐったりしてる。動けるじゃなくて動かされるなんだね?
つまりは蚊蜻蛉であり。
「ぁーこっちきた」
「ばぃばぃ」
「っぎのボクはもぅ少しっょっょになることでしょぅ」
雑魚くんが歩み寄る。あんよをシャコシャコしてダンゴムシスタイル。海底を這うその姿はまるで山。山が動くわけねぇよなぁ?本当は大体動いてはいるけど年単位だからね。
んで、当然の如く。てるるに引かれてそちらに歩い
「えっ待ってお前」
「食べ易い方行くよねそりゃ」
何故こっちに来る。動いてないからか。だからか。クソわよ!活きがいい方がお気に召すのではなくて!?
「ちょっ」
「ウスバカゲロウか何か?」
近付くと砂ごと吸い込んできおった。捕食方法が鯨のそれ。エラとかあるんか?
そしてやけに小さな口腔に吸い……おい無理矢理吸い込む気かよ!ミカンの缶詰をストローで吸い込むときとか圧縮されるけどそれを人体でやるのは規制がかかいだいいだいいだいぁあああああああああああ!
リスポーン!
全身を無理矢理10cmの穴に押し込むのは意識を無くした状態でやれと言いたいファンブルです。ちびる。そしてリフレッシュ(死亡とも言える)をしたにも関わらず、デバフ感が拭えないのはそういう仕様ですか?
と、暴力装置なっちんがちょいちょいと招きにゃんこ。何だね?
「アレのモデルが分かった。アレはテイオウグソクムシ……でかい深海ワラジムシ。だけどね、情報はすごく少ない。攻略班でも2回だけ出くわしたぐらいだから」
「ほぉん。その数少ない情報は?」
「認識外から失礼するよー、こちらなっちんのお友達こと二日酔いのおじさん。僕らがエンカウントした時の情報だけ伝えとくよ」
「あー、よく吐いてるおっさんか」
「言い方よ」
と、そのテイオウグソクムシを模した雑魚の周りが盛り上がった。どうやらスナハマネキの魔法で閉じ込めるらしい……が。
ドッ!
内側から圧力をかけられ、半分できかけの砂のドームが弾け飛ぶ。その衝撃……いや圧縮された力かな?その威力は凄まじく、アオハルにまで砂が飛んできた。
勿論光景は共有されているので、中年っぽい声が反応する。
「どうやら深海生物らしく圧力を扱う。それも1回リスポーンしても戻らない厄介なデバフ付きだ」
「流石に仕様なんね」
「もう一度リフレッシュすれば回復するよ」
「自殺を勧めないで」
「それ以外回復方法無さそうだったからね。何にせよデータが少ない、僕らにも協力出来る範囲でやらせてもらいたい」
ふむ、どうやら真面目に情報が少ないらしい。とすると貢献するべきかな?……いや、別に倒してしまっても構わんよね?




