93/134
柏田 美津の興味
「ところでパパママとグランマは?こっちに来たついでに一応顔見せておこうと思って寄ったんだけど」
「私たちも今来たの。ご飯行ってくるって書き置きあったよ」
「そう。また明日寄ってみるかな。明日あっちに帰るから昼くらいに来るよ。グランマに伝えておいてね。……この調子だとウチの馬鹿息子も来てないね」
人気のない家の中を見つめながら美津さんが言った。
「みっちゃん、実は私たちタイムワープしてきたの」
急にサクラのカミングアウト。驚いて固まる僕に気付いて「みっちゃんは大丈夫です」と小声で言った。突拍子もない話のはずなのに美津さんは真面目な顔で向き合った。
「ほぉ。詳しく聞こうか。何食べたい?若者たち。私は肉が食いたい」
焼肉屋に連絡したが帰省組で満席らしい。純喫茶のはずなのに注文すれば何でも出てくるシトラスへ。厚切り牛タンにレモンをしこたまかけて片手にはジンジャーエールを握りながら美津さんが話の続きを急かした。(アルコールを出さないという点だけでシトラスの純喫茶としての矜持は守られている。客がいれば深夜2時ラストオーダー。)




