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塞の神


確かに、鼎造なら何か知っているはずだ。



もう18時近いが、まだ明るい。好奇心を抑えられず、すぐにでも向かおうとしたが「熊が出る」とバァちゃんに止められた。サクラはそれでも1人で向かおうとしたので、不思議と僕は冷静になった。



「明日にしよう。麻倉さん家に連絡した?送ってく」


「あ、いえ。確認もしないで出てきてしまったので泊めてくれるか分かりません」



まだ出会って間もないが、こういう子だ。とりあえず麻倉さん家に向かおうと車に乗った。



サクラが乗ってこない。



「……サクラ?カブト虫でもいた?」車から降り、話しかけた。サクラは家の裏山をジッと目を凝らして見ている。西日が眩しい。



「木の…鳥居でしょうか。頂上付近の左側のところ」



家の裏山では春には山菜、秋にはキノコが採れる。途中まで粗いアスファルトで舗装された坂道があり、そこから山道に入れる。山道から少し外れたところに大きな木の鳥居。その場所を、僕は知っていた。



「あぁ、あれウチの神様。塞の神、だったかな?受験の時とかお参り行った……って、ちょっ?!」



サクラがダッシュで坂道を登り始めた。




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