46/134
記名
鶏出汁の温かい台湾粥を食べると、次第に落ち着いてきた。
頭の中も、少し整理がついてきた。
まずはバァちゃんに話を聞こう。その前に、サクラに今までのことを話した。自分でも現実味のない話だし、わからない部分も多い。両親については、話せなかった。小籠包を食べながら聞いていたサクラが真面目な顔で話し出した。
「不思議な話で、わくわくしま……あ。ごめんなさい。不謹慎でした。昨日おじゃました時に、あの場所にあった忠魂碑、覚えていますか?少し調べてみたんです。」
忠魂碑は日露戦争以降、明治40年頃から普及したものらしい。それ以前の記述は見つからなかったが、慰霊碑とは違い、国や天皇に忠義を尽くした魂を祀り上げるためのものだそうだ。
「地元にも2カ所あるんですが…裏側の記名、見ました?中央に曼荼羅のような模様があって、そこを囲むように名前が彫ってあったんです。まるで連判状みたいに」




