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BOY MEETS GENTLEMAN
「……え?ここ?」
病院近くの巨大な平屋。以前から芸能人の別荘だという噂があった。
「あ、はい!おばあちゃん家です」
上手く説明出来ないが、ボルゾイとサモエドは確実にいた。
とりあえず連絡先を交換して帰宅。バァちゃんのバイクがない。「畑に行きます」の書き置き。
畑の上のあの場所と、歌を歌っていた人物について暗くなる前に確かめておきたかった。真夏の16時半。まだ明るい。夏場は野菜も大量に採れるのでバァちゃんの手伝いも兼ねて、山へ向かった。
バイクはあるが畑にバァちゃんの姿が見えない。畑の上の方から話し声がする。
声のする方に登って行くと、バァちゃんと男の人の声。なんだ、他に誰かいたんだ。サクラが見たのはこの人だったんだろう。前に僕が聞いた歌声もこの人だったのかもしれない。
それにしても珍しいな。誰だろう。
挨拶をしに、近付く。バァちゃんの怒声が聞こえた。いつもと違う、低くて唸るような声。非常事態だ。
「蒼汰に近付かないでくれ。何度も言っただろう!」
男が、こちらに気付く。
「マツ、そんなに怒るな。久しぶりだな。蒼汰。大きくなったな」
身なりのいい初老の男性。僕が写真で知っている顔ではなかったが、知っていた。
「阿部鼎造……さん?」




