なまはげ。
「グヘヘッ、貴方ここがボク達の新居だよ。」
「えっ、オレたちの?」
「ユウナ、気持ち悪いわよ。ヨダレ、拭きなさい。」
「グフッ、ここが貴方との愛の巣よ。」
「姉ちゃん…。」
「ユウナ、慎吾のお嫁さんになりたいのか?」
「んと、んとね….てへっ!」
「今は、ムリだぞ。」
「なしてさ、パパに二人を引き裂く権利は無いんだから!」
「ユウナ、オレはまだ結婚出来ないんだ。」
「えっ、やっぱり由香お姉ちゃんがまだ好きなの?」
「そうじゃない、オレはユウナ一筋だ。法律でな、オレが18才になるまで待って欲しいんだ。」
「うわ~ん、ママ。」
「ユウナ、わがまま言わないの?少しくらい、待ってあげなさい。」
「グフッ、そうだね。浮気したら、しばくよ。わかった、お兄ちゃん!」
「ユウナ、あんたもよ!うちの弟に恥かかしたら、どうなるかわかってるわよね!」
「へっ、大丈夫だよ。お兄ちゃん、ボクを離さないでね。」
「おぅ、待ってろ!」
わかっているのかしら、ユウナ。
陽介には、どう説明するんだか。
でも、この形じゃあ陽介も手の出しようがないか。
それにしても、我が娘がロリショタだったとは。
「ねえ、パパ。ボクのスイートルームはどこ?」
「んっ、この角部屋だよ。ほら、二人共入ってごらん。」
「わぁ、広いなぁ。ユウナ、出窓もあるぜ。」
「ホントだ、この扉は。あっ、玩具置き場だ。」
「違うわよ、洋服をしまう所よ。」
「ママ達のお部屋は、向こう?」
「リビングの、向こうね。」
「狭くない、二人共大きいのに。」
「これから、工事して二部屋を繋げるそうだ。それから、ここがハクとユキの部屋な。玄関横だから、便利だろ。」
「ミューちゃんは、お姉ちゃんの部屋で一緒しましょうね。」
「お姉ちゃんって、ユウナか?」
「なによう、ミューちゃんはボクの妹なんだから。」
「じゃあ、水族館行きましょ。」
「やったぁ、ペンギンさんいるかなぁ?」
途中、道の駅でババヘラアイスを購入する。
「ユウナ、こんな寒いのに良くアイスクリームなんか食べれるわね。慎吾も、ガタガタ震えながら食べないで!」
夫とカップコーヒーを買いに行ったら、向こうでユウナの泣き声がする。
「悪い子は、いねがぁ?悪い子は、どこさいる!」
「いね、悪い子はいねでばぁ!アッチさ、イゲ!ワーン、ウワ~ン、お兄ちゃん助けて!」
「こっちさ、来るな!」
夫と二人で笑いながら、寄って行く。
「お疲れさまです、子供たちに願かけありがとうございます。これ、どうぞ。」
買ったばかりのコーヒーをなまはげさん達に、差し出す。
「なんもなんも、元気で可愛らしい子供さんだ。無事に、大きくなってければ。んだば、まんずな。」
「あっち、行け!わ~ん、ウッウ。ママ~!」
「よかったな、お前たち。なまはげさんに会えるなんて、すごいぞ。」
「良く無いよ、怖かったよ~!お兄ちゃん、ありがとう。」
「よしよし、ユウナ泣くな。」
あざといわ~、うちの娘。
しっかり、アイス握っているもんね。
チョロいわね、弟。
水族館、到着。
強風で、ユウナが転がっていく。
旦那が、掴まえてた。
ユウナ、やっぱり飛べるんだ。
風にのって、戻って来たよね。
「フゥ、世間の風当たりは強いね。」
何のこっちゃ?
「ほらユウナ、エイガいっぱいだぞ。あれ、カスベって言うんだろ。煮付けにすると、旨いんだよな。」
「ボク、苦手。毒有りそうで、食べたくない。」
「ユウナは、食べず嫌いだからな。ほら、ネコ鮫だって。面白い顔、してるな。」
「ホントだ、学兄ちゃんみたい。」
「楽しそうで、良かったな。麻里も、楽しめよ。」
「うん、楽しいわ。貴方、慎吾の事いいの?」
「まぁ、先はどうなるかわからんが慎吾の気持ちは本物だ。ユウナは照れているんだろうが、慎吾に惚れているんだろう。あの子も、普通の恋愛してもいいんじゃないか。」
あっ、そうか。
あの子が女の子として、初めての恋愛なのよね。
私だって、幸せな恋を見つけたんだから。
弟のこれからに、期待するしかないか。
ユウナは、これ以上成長しないしなぁ。
「ママ~、セイウチさんだって。大っきい、全然動かないよ。」
「ホントね、ユウナみたいね。」
「何でよ、ボクすばしっこいんだから。」
「そうね、ほら抱っこしてあげる。」
「慎吾も、ほら!」
「ワァー!」
弟も、夫に肩車されていた。
将来の、家族団欒だね。




