鬼ババァ!
「お出かけですよ、ミューちゃん。」
「ユウナ、あのめんこい衣装もう着ないのか?」
「何で、お兄ちゃんがいるの?ヒマなの、友達いないの?」
「何だよ、照れるなよ。本当は、嬉しいんだろ?」
「ママ、きみまち坂通る時川に捨てていい?」
「二人共、ほんと仲良しね。慎吾も、良く早起き出来たわね。」
「ねぇ、ボクの話聞いてる?進藤家の人って、日本語通じないの?」
「姉ちゃん、そろそろ腹減ったな。」
「おぅ、慎吾。もう少し、我慢しな。能代過ぎた所に、朝からやってる旨いラーメン屋があるから。」
「やったぁ、兄さん最高!」
「ミューちゃん、ボクって空気なの?誰も、相手してくれない。」
「何、言ってんだ。ユウナは、昨日も今日も明日も可愛いよ。」
「お兄ちゃん、それ由香お姉ちゃんにも言ったでしょ?昨日、電話で自慢してたよ。」
「うげっ、ウソはついてないぞ。」
「はぁ、白馬の王子様に会いたい。」
「ユウナ、来年から中学生なのか?」
「うん、まだ未定だけど。秋大の附属中学校に、入学するつもり。」
「妹が先に中学生なんて、兄ちゃんは寂しいよ。」
「頭の出来が、違いますから。でも、お兄ちゃんも相当勉強出来るじゃん。頑張れば、飛び級出来るんじゃない?」
「飛び級って、何だ?」
「んとね、本当は1年生なのに上の学年に行けるって事。」
「オレは、いいよ。クラスの仲間と、離れたくないから。」
「特に、女の子とはでしょ。」
「やっぱり、モテるのか慎吾は?」
「いやー、それほどは。」
「あんた、いつもバレンタインでめっちゃくちゃチョコもらってるでしょ。」
「姉ちゃん、あれは義理チョコだよ。」
「小学生が、手作りの義理チョコ渡す?」
「お兄ちゃん、イケメンだからモテモテだよね。」
「オレの本命は、全然振り向いてくれないけどな。」
「えっ!」
「ようし、ラーメン屋着いたぞ!」
「トラックばっかり、きちゃないお店だね。」
「こういう店が、うまいんだぞ。」
旦那と慎吾は、チャーシュー麺。
私とユウナは、二人で一つのネギラーメンだ。
「美味しそう、六角家に似てるわね。」
「たぶん、同じ系統のラーメンだ。」
「うーん、うまい!ご飯、欲しくなる。」
「お兄ちゃん、ご飯頼んで。ボクに、ちょっとちょうだい。」
「ユウナ、ラーメンももうちょっと食べる?」
「ううん、スープもうちょっとちょうだい。」
「ほら、ご飯な。チャーシューも一枚やるよ。」
「ありがとう、お兄ちゃん。ダイチュキ!」
「フォン!」
「慎吾、鼻から麺出てるわよ。」
「ごちちょうちゃまでした!ママ、ネムネム。」
「早起きしたもんね、あなた先に車行ってるわね。」
「ああ、慎吾足りるか?ゆっくり、食べなよ。」
「兄さん、姉ちゃんとケンカしたりしないの?」
「うーん、しないな。麻里は、しっかりしてるから文句も無いしな。どちらかと言えば、俺が怒られてばかりだな。どうした、心配か?」
「いや、どうしたらそんなに仲の良い夫婦になれるのかなぁって?」
「別に、なろうと思ってなるもんじゃない。自然が、一番だよ。後、絶対妥協するな。自分がこの人だと思った人と、添い遂げるんだ。」
「うん、わかった。ありがとう、兄さん。ごちそうさま!」
やっぱり慎吾は、ユウナの事諦めてないんだろうな。
お似合いだとは思うが、年齢差がなぁ。
きっと、ユウナが悲しむ事になる。
誰でも彼でも、同じ様なもんだが。
「ユウナは、お寝んねか。じゃあ、オレが前に乗るよ。」
「貴方、まっすぐマンションに行くの?」
「先に、議員会館寄るよ。鍵、預かっているらしいから。」
「マンション見終わったら、男鹿の水族館に行かない?」
「オレも、行きたい!」
「そうだな、用事も無いし。」
「姉ちゃん、ナイス!」
議員会館で鍵を受け取り、マンションにやって来た。
「ユウナ、起きなさい。」
「ムゥ、ボクこのセーラー服にする。」
「何、寝惚けてんの!マンションに、着いたわよ。」
「兄さん、デカいな。」
「住むのは、二階だぞ。」
「えっ、ボク最上階がいい!」
「あんたが走り回ってうるさいから、二階にしたんでしょ。」
「ムゥ、ママ達だって夜中煩いやん。」
「どう言う事、姉ちゃん?」
「何でも、ないのよ。ユウナ、後で覚えておきなさいよ!」
「知らないったら、知らない。」
「グヌヌっ、このエロ娘が!」
「姉ちゃん、角生えてるぞ。やっぱり、夫婦だなぁ。」
「ヤーイ、鬼ババァ!」
「ユウナ、ダメだよ。そんな、汚い事言っちゃ。ユウナは、可愛くてお姫様なんだから。なっ!」
「へっ、お兄ちゃん…。うん、わかりました。ママ、ゴメンね。」
「えらいぞ、ユウナ。」
「お兄ちゃん、結婚して!」
「あぁ、大人になったらな。」
すごい、いつの間にか弟は大人になっていた。




