モスバーガー。
田舎町には似つかわしくない、オシャレな外観。
マックより、落ち着いた雰囲気だ。
私とユウナは、大学の近くにある店舗に二回程行った事がある。
最寄り駅と違う駅にあるため、滅多に行かないけど。
カウンターで、それぞれ注文する事にした。
「今日は、けっこう混んでるなぁ。」
「あっ、土濃塚先輩こんちわっす!」
「おぉ、戸沢か?久しぶりだな、お前の連れか?」
「土濃塚君、こっちに残ったんだ?えっと、市役所の職員さんなの。すごいわね。」
「おぉ、進藤さんか?べっぴんさんに、なって。」
「義隆、進藤さんじゃなくて如月さんよ。もう結婚しているんだから、粉かけちゃダメよ。」
「奈美も、いたのか?お前、戸沢の彼女だっけ?」
「そうよ、あんたも早く彼女の一人や二人見つけなさいよ。」
「土濃塚先輩、こっちは俺のダチッス。タダと、サルッス。土濃塚先輩は、鷹巣高校の主将だった人だ。俺の憧れの、人なんだ。」
【こんにちは、よろしくお願いします。】
「んとね、ボクテリヤキバーガーとオニオンフライとコーヒーシェイク!」
「タマ~、又小っこくなったな。」
「うわっ、義隆。何で、ここにおるん?」
「仕事が一段落したから、昼飯にな。」
「じゃあ、一緒に食べよう。後、奢って!」
「何で、そうなる。お前は、新手のカツアゲか?俺に逆らえる奴なんか、この辺におらんぞ。」
「社会人なんだから、いいじゃん。みんな、学生だよ。」
「奈美は、違うだろうが。しょうがねえな、俺が出すよ。」
【あざーっす!】
注文を済ませて、それぞれ席に着く。
「義隆、麻里ちゃん今は如月さんよ。タマちゃんの、お母さんなんだから。」
「へぇ、マドンナが人妻かよ。しかも、一児の母親って!」
「へへぇ、すごいでしよ。ボクのママ、きれいでしょ。」
「ユウナ、やめなさい!土濃塚君、剣道も強かったけど頭もいいのね。」
「いえいえ、コネですよ。それに、俺は、タマに一度も勝てなかった。」
「先輩、タマ以外に負けた事無いじゃないですか?タマは女子なんだから、男子最強ですよ。」
「なんか、嬉しくねえな。タマ、彼氏はいないのか?俺が、なってやろうか?」
「ボクにも、選ぶ権利はある!」
「ゴメンね、土濃塚君。この子、外見は二の次なのよ。」
「はぁ、ムリゲーなのはわかってたけど。」
「タマちゃん、モテるよね。」
「こいつがか、うちの学校じゃそんなでも無かったよ。なぁ、タダ。」
「そうよ、ガサツだし。女の子って言うより、きかん坊って感じだったもの。」
「他校の生徒は、勉強もトップ。部活は、スター選手。そして愛くるしい容姿で、すごい人気だったのよ。」
【これが?】
「みんな、酷いよ!可憐な少女を傷つけて!」
「ユウナ、調子に乗ると後でお仕置きよ。」
「わぁ、ごめんなさいお母さん。」
「じゃあ、俺仕事戻るわ。麻里さん、タマをよろしくな。」
【ごちそう様でした!】
「土濃塚君、いい人ね。」
「あの名門の鷹高の、主将だからな。」
「義隆って、手のつけられない暴れん坊だったのよ。」
「それは、わかる。試合中に負けた同級生を思いっきり、竹刀でど突いてたから。」
「あぁ、そんな事あったわね。うちと校風が、真逆だったわね。」
「当時の事実上の顧問は、タマでしたから。」
「この子じゃ、ムリか。」
「何、何の話?タダ、そのポテトちょうだい。」
「あんた、まだ食べるの。どんだけ~!」
しばらく雑談に花を咲かせた後、帰りの汽車の時間になったので駅へ向かう。
健君は、このまま奈美ちゃんの所に泊まるらしい。
あらら…。
「又ね、麻里ちゃん又遊ぼうね。タマちゃん、お母さんを困らしちゃダメよ。」
「二人共、仲良くね。ゴメンね、ユウナ寝ちゃって。」
そして、前田に着いた。
「又、ユウナと遊んであげてね。」
「はい、麻里先輩も是非!」
「タマの事、よろしくお願いね。麻里先輩。」
ギルドまでユウナをおんぶして帰ると、旦那が車の整備をしていた。
「ただいま、あなた。」
「お帰り、楽しかったかい?」
「うん、久しぶりに高校時代に戻ったみたいだったわ。」
「どれ、ユウナを貸してごらん。しかし、この子と麻里が同級生だなんてな。」
「本人達が、一番違和感感じているわ。」
「帰りましょ、わが家へ。ミューちゃん、連れてくるわね。」




