米高の魔女。
今日は、みんなとお出かけ。
ギルドで待ってると、時間より少し早く皆がやってきた。
奈美ちゃん以外は、高校の一学年下の後輩。
ちなみに、奈美ちゃんは隣の合高で平川ちゃんの同級生だった。
今は、健の彼女でラブラブらしい。
健について来た二人は、幼なじみの若林忠幸と佐藤直彦。
ボクらの間では、タダとサルって呼んでいる。
タダは、ファッションに煩くてちょっと言葉遣いもオネェな感じ。
どんだけ~が、口癖だ。
サルは、色々物知りで良くボクに説教をする。
見た目はバカボンパパだが、オカン体質である。
小さい頃、ボクは健の後ろをついて皆に遊んでもらってた。
基本、いい事も悪い事もこの後輩に教えてもらった。
三人には、ボクはかわいい弟だったみたいだ。
ずっと甘やかしてくれて、今でもそうだ。
「タマ、待ったか?麻里先輩、お久しぶりです。」
「うん、すごく待った。」
「ユウナ、健君達時間通りに来たでしょう。」
「麻里先輩、本当にタマのお母さんになったんですね。良かったな、タマ。」
「うらやましいわ、あたしもキレイなお母さん欲しいわ。」
「タダ、相変わらずキモいね。」
「こいつのは、ビジネスオネェだから。女子と、絡みやすくする為だからな。ちゃんと麻里先輩の言うこと、聞いてるか?」
「いい子に、してるよ。サルは、何の学校に行くの?」
「アニメーターの、養成学校だ。そのうち、俺の作品が世界を席巻するぜ。」
「皆、ユウナと仲良くしてくれてありがとうね。今日は、よろしくね。」
「んじゃ、駅行こうぜ。」
「奈美ちゃんは?」
「家からだから、上杉で乗って来るよ。」
「そっか、合川の人だもんね。」
「そんなに遠くないけどな、車なら20分かからないよ。タマ、この自販機覚えてるか?」
「あっ、サルに奢ってもらって初めて飲んだビールだ。」
「あの時、好きな女が出来たってお前らと夜通しこの階段で語り合っただろう。」
「青春だわ、淡いひと夏の経験よ。」
「タダが言うと、汚れる。」
「タマ、非道い!」
「さっ、汽車来たぞ。」
五人は、空いている車両の一番前に座った。
「ユウナ、みんな変わった子達ね。でも、ユウナが可愛がられているのはわかるわ。あなた、誰からも可愛がられるのね。」
「そんな事も、無いよ。小学校でいじめられてた時、仲良くしてくれた恩人だもの。」
「みんなに、感謝だね。ユウナも、忘れちゃダメよ。」
「うん、ママ!」
「ほんとに、お母さんなんだ。タマ、高校の時からずっと一緒だもんな。あの頃から、お母さんになるの決まってたのか?」
「ううん、最初はお姉ちゃんで上京してからお母さんになってくれたの。まっ、パパが頑張ったんだけど。」
「あんたの親父さん、厳ついからね。麻里先輩、大変なんじゃない?」
「大丈夫よ、とってもかわいいのよ。」
「うわっ、麻里先輩やっぱり魔女って噂本当だったんだ。」
「何よ、その噂?」
「あっ、奈美だ。こっち、こっち!」
「タマちゃん、相変わらずめんこいな。えっと、麻里ちゃん?すごく、大人っぽくなってない。やっぱり、米高のマドンナは違うわ。」
「マドンナとか魔女とか、何の話?奈美ちゃんも、久しぶりね。平川ちゃんと、連絡取ってる?」
「えぇ、努と上手くいってるみたい。麻里ちゃんに、感謝してたわ。タマちゃん、抱っこしていい?」
「ママ~?」
「あっ、麻里ちゃんってタマちゃんのお母さんなのか?」
「ユウナ、奈美お姉ちゃんに挨拶しなさい。」
「こんにちは、抱っこして!」
「ハァン、麻里ちゃんうらやましい!ねぇ、なんでも買ってあげるから家の子にならない?」
「なんでも?」
「ユウナ!」
「もう、冗談よ。ゴメンね、麻里ちゃん。」
「奈美、少し本気だったろう。危うく、俺はタマの父親になる所だったぞ。」
「ありえないよ、健がパパとか。」
「タマ、お前に常識を教えたのは俺だぞ。忘れてもらっちゃ、困るな。」
「ぐぬぬ!」
「あっ、飛行機!」
窓に顔を向けて、座席にひざ立ちしていたユウナが声を上げた。
「珍しいな、偶にしか飛ばないのに。」
そんなこんなで、終点鷹の巣に着いた。
駅を降りて、商店街のアーケードに入る。
「どこ、行く?」
「モスは後にして、お昼食べようよ。奈美お姉ちゃん、いい所知ってる?」
「じゃあ、オリビアって言う喫茶店は?すごく、美味しいのよ。たまに、ジャスコの同僚と行くのよ。」
「はぁ…。」
「どうしたの、タマ?」
「あそこね、ボクの親戚。行くと無料にしてくれるから、気遣うんだ。」
「あら、そうなの?それはそれで魅力的だけど、じゃあモスにそのまま行こうか?」
「バーガー以外も、けっこう美味しいのよ。」
「うん、行こう!」




