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黒霧島。

 翌朝、じいじの車で大館に買い物に行く。


 ママが、何か拗ねている。


 パパ、しっかりしてね。


 そろそろママにも子離れして、パパと仲良くしてもらわないと。


 昨日みたいに、みんなの前でおっぱい宛がわれても。


 うれしいけど、ボクだって大人の女なのだ。


 だから、お兄ちゃん抱っこしないで。


 大きくなってきたから、重いでしょ。


 これが、お兄ちゃんへのクリスマスプレゼント。


 今日は、お兄ちゃんとイチャイチャする。


 本当に、愛をあげるとは思わなかった。


 いらん、フラグを立ててしまった。


 おばばには、クリスマスケーキとケンタッキーを買ってくる様に言われた。


 大館に行く理由、ケンタッキーは秋田市内か大館にしか無いから。


 家でも七面鳥をつぶすらしいけど、子供にはちょっと…。


 長とおばばにも、今日宅急便が届くはずだ。


 長には、モーニングのタキシード。


 おばばには、イブニングドレス。


 デザインは、ボクがした。


 由美お姉ちゃんに頼んで、妖弧族の人達に作ってもらった。


 そして学兄ちゃんと由美お姉ちゃんには、ギルドのそばの土地を100坪あげた。


 元々、母様が住んでいた所が今は更地になっている。


 学兄ちゃんも由美お姉ちゃんも、ギルドに近いと便利だと思う。


 上物は、自分たちで何とかしてほしい。


 オリビアの二人には、希望通りボクのイメージビデオを何本も渡した。


 三浦のおばちゃんに言って、送ってもらった。


 三浦のおばあちゃんには、長と狩った月の輪熊の敷物。


 社長さんの一家には、これも狩ったテンで作った防寒用のマフラーを送った。


 ハクとユキには、産まれてくる赤ちゃんのベビー用品。


 ミューちゃんには、少し広めのゲージとキャリーバッグ。



 ミミには、少し苦労した。


 この季節には中々いない、野ネズミの生き餌をたくさん集めて祠に持って行った。


 正直、いちばん大変だった。


 でも、ミミが嬉しそうに食べるのを見てたらちょっと気持ち悪かった。


 生き餌は、残酷だよね。


 ずっとお兄ちゃんに抱っこされて、大館に到着。


 先ずは、ジャスコに行く。


 パパとママ、何が欲しいんだろう?


 聞いたけど、ボクが欲しいってはぐらかされた。


 二人共お金持ちなので、大体持っている。


 ママが免許を取ったら、ボクのミニクーパーに乗る事になっているし。


 「麻里の小さい頃、思い出すねぇ。」


 ボクは、ママと雰囲気が似ている。


 「ねぇ、ママって何が欲しいのかなぁ?」


 「どうだろうね、麻里はユウナがそばにいたら何もいらないんじゃない。」


 「それ、本人に言われた。パパも、同じ事言ってた。困っちゃうよ。」


 「文太君はともかく、麻里は昔から手がかからない子供だったからな。あれが欲しいとか、言った事無いからなぁ。」


 「だよね、ママってケチではないけど質素だよね。昔からなんだね。パパは、お酒にしようかなって思うの。」


 「あっ、それだ!麻里も、お酒がいいんじゃないか?あの子、かなりの呑兵衛だぞ。」


 「へっ、ママってお酒好きなの?」


 「あぁ、たまに文太君が愚痴ってたからな。」


 「じゃあ、じいじ良さげなお酒選んでくんない?」


 「おう、任せろ!」


 「あんたが飲むんじゃないよ、麻里達の分だからね。」


 「麻里は、南方の血をひいているからな。泡盛とか、焼酎がいいんじゃないかなぁ。」


 「じいじ、あれ。お一人様、二本までだって。珍しいお酒なの?」


 「おぉう、これは薩摩霧島じゃないか。これは、黒だから希少だなぁ。こっちで売ってるなんて。」


 「お姉さん、これ一人づつ買っちゃダメ?他にも、いっぱい買うんだけど。お願いします!」


 何やら、ユウナがカウンターのおばちゃんに媚びを売っている。


 ああいう所は、幼児なのか年齢通りなのか。


 結局、黒霧島は8本買えた。


 我が家にも二本、長の家にも二本お裾分けらしい。


 そして、赤霧島もたくさん。


 さらに、沖縄産の泡盛も数種類購入した。


 「ユウナ、その黒いカードはどのくらい買えるんだ。」


 「んとね、三浦のおばちゃんが都内の一等地に大きなお屋敷が新築で買えるって言ってた。」


 いわゆる、青天井。


 限度額無しの、セレブ御用達のカード。


 しかも、ごく限られた者しか持てない奴だろう。


 家の孫娘は、とんでもないセレブみたいだ。


 何やら、会計中に支店長とか言う人が慌てて出てきてた。


 おかげで、車まで買った物を運んでもらえて助かった。


 わしに名刺を渡されても、こっちはしがない学校の教頭だ。


 腑に落ちない顔をされても。


 その後、ユウナに内緒で洋品店にやってきた。


 ここは、わしの教え子のお店だ。


 教え子は、流行りつつあるコスプレと言う物に熱心でなかなか世間でも注目されている。


 「ここ、どこ?」


 「いいから、入ってみようか。」


 「いらっしゃいませ、あっ先生。この子が、言ってた。めちゃくちゃ、かわいいじゃないですか。えっと、ユウナちゃんだっけ。奥に、行こうか。」


 捲し立てられるままに、連れて行かれた。


 数十分後。


 「悪い子は、いねだが!」


 「ユウナ、違うでしょう。」


 「あっ、木星に代わってお仕置きよ。美少女戦士セーラーマーズ!」


 【おおぅ、似合う。すごく、かわいい!】


 何故か、ボクはセーラーマーズに変身していた。


 その後も、魔法少女やwinkみたいなヒラヒラの衣裳に。


 これがじいじとばあばへの、ボクからのクリスマスプレゼント。


 服は用意してもらったが、HP削られているのはボクだ。


 近くでお兄ちゃんが、一生懸命ビデオカメラを回している。


 「ちょっと大きめに作ってもらって、よかったわ。これが、私達からのプレゼントよ。写真は、後で引き伸ばしてみんなに配りましょうね。」


 うー、恥ずかしい。


 お人形さんで遊ぶのは楽しいけど、いざ自分がするとなると。


 さぶいぼが、半端ない。


 「ユウナ、惚れ直した。やぁ、本当にめんこいな!」


 お兄ちゃん、由香お姉ちゃんにチクるで!


 さすがに男の子だったから、こんなの着た事無い。


 鏡に写る自分は、別人の様だった。


 「ありがとう、おじいちゃん、おばあちゃん。」


 さぁ、ケンタッキーとモンブランに寄って帰ろう。


 


 


 


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