仮免許練習中。
しばらく走ると、右手に大きな湖が見えて来た。
サロマ湖、汽水湖で日本で三番目に大きい湖だ。
ずっと、同じ風景が続く。
右手が湖、その他は雪原。
「そろそろ、替わろうか。」
二時間、経ったみたい。
コンビニで温かい肉まんと、コーヒーを買って来た。
もちろん、お花摘みも。
「はい、貴方。」
「おぅ、ありがとう。緊張して、疲れただろう。」
「うん、でもほとんど対向車も来なかったから良かったわ。」
「ホフッ、熱!この肉まん、火傷しそうだ。麻里、気をつけろよ。」
「北海道だから、熱々なのかなぁ?」
そして、一路稚内を目指す。
さすがに、速い。
やっぱり、旦那の助手席はいい。
まぁ、でも後4回。
少しづつ、頑張ろう。
ユウナは、よく免許取れたなぁ。
あっ、あの子は国家権力を利用したのか。
それでも、運転は上手だった。
自転車もスキーも、乗れないクセに。
あっという間に、もうすぐ稚内だ。
旦那が、お土産屋さんみたいな所に車を停めた。
ここは、猿払村と言って帆立が有名なんだって。
「麻里、ここで夕飯にしようか。後、帆立はもう送ったからいいかい?」
「ううん、長の所にも送るわ。今、ユウナはそっちにいるんでしょ?」
「そうか、じゃあ頼むよ。」
そして、併設されたレストランに入る。
私たちは、カニホタテ飯と帆立ラーメンを二人で一つ注文した。
「うーん、美味。カニとホタテなんて贅沢だわ。ラーメンも、あっさりしてて美味しい。」
「だな、ユウナが好きなのもわかるよ。やっぱり、ユウナを連れて来たかったな。」
「しょうがないわよ、甘やかしてばかりじゃあの子の為にならないもの。」
「そうだな、ユウナの事で里の連中に色々言われているしな。」
「えっ、何て?」
「わし等が甘やかしてばかりだと、あの子が大人になったら苦労するぞって。親なら、しっかりしろとさ。」
「ムリね、出来ない相談だわ。」
「開き直ったな、麻里。」
「んふふ、私は全力であの子を甘やかすわ。貴方もでしよ。」
「確かに、そうだな。」
「ダメな、親ね。」
「いいさ、ダメで。」
一日ゆっくりしたら、身体の調子も少し良くなった。
ミミとミューちゃんが、回復魔法をかけてくれたおかげだ。
何気に、ミューちゃんがけっこう魔法を使えるのには驚いた。
都会で一人留守番している間に、いっぱい練習したんだって。
わからない事は、長に伝えてミミにFAXをもらっていたらしい。
すごい、お姉ちゃんも頑張るね。
ハクも、こっちで牙狼族の訓練に混じって鍛錬していた。
ユキは、ミミから直接魔術の指導を受けていた。
みんな、それぞれ成長している。
何で?
ボクの事が、心配なんだって。
布団がビショビショになるまで、泣き濡れた。
「ユウナ、又あんた!」
「おばば、ボクおねしょしてないよ。ほら、オムツ濡れてないもん。それ、ボクが泣いてたからだよ。」
「あれま、本当だね。ママがいないから、又おねしょしたかと思ったよ。」
「ねぇ、みんなは?」
「ミミ様は、祠に帰ったよ。ミューは、じじいと雪下キャベツ採りに行ったよ。ユキは、今柳山さんが診察に来ているよ。」
「何か、あったのユキ?」
「いや、偶々九尾弧の神事で社にいたからついでさ。」
「おじちゃんって、獣医さんだったの?」
「違うよ、治療魔術師だよ。九尾だから、相当の腕だね。」
「へぇ、妖弧族って聖魔術が得意なんだ。」
「聖魔術かどうかはわからないけど、元々神官が多いからね。」
「あんたのママとは、ちょっと違うね。たぶん、聖魔術では無いね。」
「後で、おじちゃんにやり方教えてもらおう。」
「ママに、教わりな。」
「ボク、聖魔術使えないもん。闇魔術が、一番得意なんだ。」
「へっ、闇魔術!何で、そんな物使えるんだい!あんた、フェンリルだろ?」
「何でって、使えるんだからいいじゃん。」
「お前の母は、闇魔術使えなかったんだよ。それで、人族に危害を加えれなかった。それでも、膨大な法力で抗ったけどね。」
「んー、わからないけどボクなりに頑張るよ。」
「そうかい、ママが帰ったら聖魔術教えてもらいなさい。女王様は、すごい聖魔術の使い手だったから。」
「うん、わかった。」
しかし、何でミミ様は何も言わないのだ。
ユウナは、本当にフェンリルなのかい?
まっ、あの顔立ちは間違いなく女王様の娘だろうが。
「おばば、お腹空いた!」
「はいはい、ドラえもんカレーでいいかい?」
「やった~!」




