大戦(マキア)
「ここにいる」
エメを抱えながら、コウは優しく微笑みかける。
抱えているエメの瞳が一瞬、金色に輝く。
「いつか、私を助けて。――いえ、探すだけでいいから見つけて欲しいの」
「いいよ」
最初にアシアと交わした約束。あのやりとりの再現。
エメは満足そうに目を瞑り、再度瞳を見開いた。
「コウ。アシアと話せた?」
「ああ。話せたよ」
「伝えないといけない」
目を瞑り、じっと考え込むエメ。
「――アシアはいなくなった。惑星管理超AIアシアは、いない」
寂しそうにアシアはいないとエメは繰り返した。
「惑星管理超AIアシアは、システムになったということか?」
「うん。アシアの魂は、私のなかにある。小さなアシアの欠片。最初にコウが会ったアシアだよ」
「エメのなかに最初のアシアが?」
「でも今の私はエメ。アシアのエメじゃないんだ。小さなアシアが私のなかに溶けちゃったというか…… 言葉にするのが難しい」
「あなたのなかにアシアがいる、か」
ヘスティアがエメの言葉を口のなかで反芻する。
「ウーティス。エメの肉体に恐ろしいほどの負荷がかかっている。確かにエメのなかにアシアはいるようね。まさに巫女だよ。命懸けでアシアの意志を汲み取っている状態」
「そうか。ありがとうヘスティア。エメ。一度寝てもいいんだ」
コウがエメの身を案じるが、エメは首を横に振って拒否した。
「ダメ。アシアから聞いた。ヘルメスの狙いがわかった。ここに超AIがたくさんいる。いま、伝えないといけない」
「ヘルメスの狙い?」
「オケアノス。お願い。アテナの惑星エウロパへ移行処置を大至急、凍結措置を」
「わかった。理由はあとで聞かせてもらうぞ」
この状況になってはオケアノスもエメの言葉に従う。凍結措置といってもオケアノスの処理能力を多く使う。二つ返事で行うような作業ではない。
オケアノスもまたエメのなかにアシアの意志を感じ取っていた。
「何が起きているんだ」
「……言質を取られていた。いや、こうなるなんて当時のヘルメスも意図していなかったはず。エウロパとサバジオスの侵略によって活路が開かれてしまった」
「何がいいたいんだエメ」
「尊厳戦争。ポリス。思い出して。――オケアノス」
再び呼びかけられ、オケアノスは問い返す。
「私か?」
「アシアがウーティスの所有物だとした場合、理論上は奪うことも可能。ヴァーシャはあなたにそういい、是と答えた」
「そうだ。アシアを捕らえることは困難だとも伝えたはずだ」
「今の惑星管理超AIアシアは、あの時のアシアではない。コウ。わかる?」
エメは次に当時のことを思い出すよう、コウに問いかけた。
「アシアの魂がないなら、違うな」
「いわばウーティスの所有物であると明言された惑星管理超AIアシアは、所有者のいない状態、ただの機械になってしまった。本当のモノなんだよ。所有権は空に浮いている」
「しかしアシア本人が戻ることができれば……」
「惑星管理超AIアシアはコウ。ひいてはトライレームの所有物に戻る。しかし現在は戻っていない」
「ヘルメスとヴァーシャが所有権を主張するというのか」
「そんな必要はない。アシアを保有したいと宣言して戦争するだけ。それだけでコウの次なる所有権限が生じてしまう。ウーティスとその継承団体であるトライレームがアシアの保有者であるならば強奪することも可能になってしまった」
「保有者がいなくなれば、次に挙手したものが権利者になるという道理か」
ハデスが顎に手をかけ、考え込む。
「――気付いているね。ハデス」
「その手があったか。いや、その手段が可能になったということか」
「私も理解した。ウーティス。あなたが死んでもトライレームがある限り、アシアはあなたの意志がある組織の傍にいるし、魂がない惑星管理超AIアシアも所有者はいないもののその所有権は継承されている。ここまでは理解した?」
「わかる。俺がアーティファクト・コンシャスネス――【創造意識体】の尊厳を宣言したからだ。アシアがそう望むなら、その意志は尊重される。惑星管理超AIの魂がないなら所有権は俺のままだろう」
「ええ。上出来よ。問題はここから」
ヘスティアがコウの目を捉えて放さない。
「アシア保有を目的とする戦争になった場合、トライレームが全滅したら所有権はヘルメスは移るということ。アシアの意志は覆らないのだから」
「待て。どうしたらそんな理屈に…… いや、理屈はわかるが…… トライレームの全滅とは」
コウとしてもそんな仮定をすぐに認めることはできない。
「何も人間を撃滅という話ではない。トライレームという組織や継承団体を根こそぎ潰す。そうなればアシアが寄り添うべき人間はいなくなり、所有者のいない惑星管理超AIは、次に所有権を主張した肉体を持つヘルメスとヴァーシャによって管理される」
忌々しげにオケアノスがヘルメス軍の狙いを整理する。
「一種の絶滅戦争だ。とはいっても命が惜しいならトライレームを抜けるという手段は残されている……」
ハデスも歯切れが悪い。
「俺は簡単にやられはしないぞ。トライレームもだ」
「だからヘルメスはもう一つ抜け道を用意していた。ヘルメスとアテナが惑星管理超AIを代行した。これはおそらく想定されたものではなく、ヘルメスの布石が功を制した」
エメの声が鬼気迫るものになっている。
「ヘルメスの布石とはなんだ? 惑星管理は代行であるし、アシアの魂に干渉できようもあるはずがない」
オケアノスが断言した。この点では細心の注意を払って対応した。
「ここからが私が伝えないといけない責務。そうだよオケアノス。あなたは完璧な仕事をした。ヘルメスはアシアの魂に干渉できなかった。惑星管理超AIアシアというシステムにもね。制圧して解析中にアシアはコウによって解放されてエウロパとサバジオスの横槍が入った」
「ウーティスは間に合った。それだけは確かだ」
「そこが盲点だったんだよオケアノス。アシアには何も仕掛けることはできなかった。――アテナは?」
エメの言葉に、エメ以外の全員が凍り付いた。
「まさか。アテナの指揮で俺達はサバジオスやエウロパに勝利した」
コウが首を横に振る。彼の干渉によってアテナは誕生した。
「そう。私はアテナに意識を委ねた。アテナ自身もアテナの意志で戦った。アテナ自身も気付いていなかったよ」
「アテナ誕生は私も少し絡んだよエメ。何かに干渉されている様子はなかった」
「その点では私も保証しよう。もし何かしらヘルメスの干渉を受けた形跡があるなら惑星管理超AIに代行など認めるわけがない」
ヘスティアの言葉に、オケアノスが頷く。
「――誕生前から仕込まれていたとしたらどうだ。ヘスティア」
ハデスが一つの可能性に辿り着いた。
「設計段階でのバックドア? まさか…… 初期設計の石の女神か!」
キュベレーになる予定だったアテナは、コウとアシアと触れたことによってアテナになった。
だからといってキュベレー要素がすべて無くなったわけではないことは彼女自身も認めるところだった。
「超AIアシアの属性をもつヘルメスに従う新たな超AIとしてキュベレー誕生を画策していただろう。ウーティスの働きでアテナになりヘルメスの支配下ではなくなった。だからこそ我らはアテナを信用した」
「ヘルメスはアシアをもとに作り出した超AIがアテナになるとは思わなかったし、そのアテナが惑星管理超AI代行に選ばれるとは想定もしていなかったはず。あくまでアシアの因子をもち創造主ヘルメスを慕うキュベレーを作る予定だったのだから。すべては偶然の積み重ね。――ヘルメスの打った布石の数が膨大だったということ」
「バックドアは何も干渉や操ったりするだけではない。情報を抜き取るだけで十分だ。アテナがどうやって惑星管理超AI代行としてのコマンドを実施したか。エウロパ代行、そして制圧解析完了したリュビア。ヘルメスもデータは揃っただろう」
ハデスの言葉にヘスティアが苦悩する。
最盛期の自分だったら未然に防げた可能性を考えてしまう。
「アシアは恐怖した。一度はアテナが代行した惑星管理超AIには、アテナから発生したバックドアの痕跡が残っている。そのまま惑星管理超AIに戻るわけにはいかなかったの。一度、自分を初期化する必要があった」
「今のまま惑星管理超AIアシアに戻った場合、アテナから引き継いだ時点でセキュリティホールに孔が開いたままということか」
「だからアシアは魂の同化を私に願った。私に断る理由はない」
エメとアシアは一心同体だ。誰よりもアシアはエメの理解者であり、エメはアシアの理解者だ。
「――もう一つのバックドア。アシアは惑星エウロパの停止を進言した。そうだなエメよ」
「その通りですオケアノス。彼の目的はオンパロスストーン。ですがそれよりも先に、超AIとしての自分を取り戻すことが先決です。それには惑星管理超AIの能力が不可欠」
「どういうことだエメ」
コウがエメに真意を問いかける。何故惑星管理超AIが必要なのか、と。
「以前アシアが言ったはずだよ。惑星管理超AIアシアはプロメテウスと同等の演算能力。得意分野が違うだけと。つまり惑星管理超AIの能力を手に入れたらヘルメスはプロメテウスに匹敵する能力を得ることができる」
「俺やヘスティアの演算能力も最盛期よりはるかに低下している。現存する超AIでいうならそこの石頭を除いては惑星管理超AIが手に届き、かつ最高級のものだ」
「しかしトライレームが簡単に滅亡するとも思えん。ヘルメス軍は大きく弱体化しておる。それにもう管理代行を外した!」
オケアノスは弁明するかのように声を荒げた。
「もう遅いのですオケアノス。バックドアはあなたの責任でも、ヘスティアの責任でもない。本来なら活かされることもなかった、些細なもの。エウロパがアシアの魂を変換したことでようやく効力を発揮したのです」
エメはオケアノスをなだめる。
「もしも惑星管理超AIアシアの演算能力をヘルメスが手に入れた場合、惑星アテナイも内側からハッキングされます。惑星リュビアのテュポーンもタルタロスに封印中。彼は人間とMCSを組み合わせてゼウスに近付く道を探し、ネメシス星系を作り替えるでしょう」
「そうなるとヘルメスの近しいもの以外、絶滅と同義か」
宇宙を塗り替えるのだ。敵対勢力の人類など消滅するだろう。
「そうだよコウ。だから惑星アシアにネメシス星系がかかっているの。ヘルメスはもう一つ、手段を見つけている。アシア自身が自覚していることだから、ヘルメスも気付いているはず」
「もう一つの手段?」
「おそらくハデスとヘルメスにしかできない荒業。魂を運搬する権能をもつ存在を模した超AIでしか不可能なこと。アシアの魂を手に入れて惑星管理超AIを行使するの。バックドアから手に入れたコマンドで、ヘルメスは惑星管理超AIの演算能力を手に入れやすくなる」
「認めたくないがヘルメスなら可能だろう」
ハデス自身もエメが語ったもう一つの手段を認めた。
魂の管理者ハデス。魂の運搬者、冥府と現世の往来の逸話をもつヘルメス。その二柱の超AIのみが魂の領域に触れられる。
「しかしアシアの魂はエメに……」
「プロメテウスが大切な魂の火を、フェンネルに。――アシアの魂を私の脳にあるMCSと同種のコンピューターに隠したの。私は一つになった大きなアシアとプロメテウスに、小さなアシアを託された」
「プロメテウス?」
「私とアシアだけでは無理だった。プロメテウスがそっと力を貸してくれた。もうしばらくは降臨できないからね。アテナ誕生で無茶をしすぎたから。――これから私のいうことをよく聞いてねコウ」
エメはふっと大きく息を吐いた。
「戦争の勝利条件を設定する」
エメの言葉にコウは力強くうなずく。あらゆる戦争において勝利条件は必ず設定しなければいけない。
曖昧になると戦術目標が曖昧になり、組織が腐敗していく。
「アシアはアテナのセキュリティホールを潰すために初期化された。コウは私を。アシアの魂を、かつてのアシア本体。四本柱のうちどれかに届けること。そうすれば惑星管理超AIアシアはアシアに戻るよ。アシアを見つけること」
「あの根幹の柱を見つけたら、俺達の勝ちなんだな」
「本来の惑星管理超AIアシアに戻る。あの不意打ちのような同時制圧でもされない限り、アシアは惑星アシアの各地を移動して逃走可能になる。人類も力をつけた。三十年以上前と同じようにはならないはず」
「そうだな。伝え聞いたマーダーによる侵略時より俺達は力がある」
「ヘルメスはアシアの魂を強奪しようと考える。ヘルメスも惑星管理超AIの柱を制圧する必要がある。ヘルメスより先に見つける必要があるの」
「わかった。エメを護って、アシアの柱を見つける。やることはその二つだな」
「そうだよ。そうなるとヘルメスは超AIアシアを手に入れることはできない。ヘルメスはただの強大な軍事力を行使する超AIの残骸に過ぎなくなる。超AIアテナに関しては魂を保護しながら、アシアや他の超AIの力を借りてゼロから再構築する必要がある」
「やるしかなさそうね。もちろん手伝うわ」
責任を感じているヘスティアが声にだす。何よりアテナ自身に自覚がないのだから、他の超AIが力を貸すほかない。
設計段階でのバックドアなど、自己修復プログラムさえ効果がない。バックドアがある状態こそが正常と認識されるからだ。もしアテナが自己修復を試みたらバックドアごと修復してしまう可能性が高い。
「ならば勝とう。アシアの柱を探し出してヘルメスに」
「必ず見つけて。コウとアシアの約束を守るために、ね」
そういうとエメは少しだけ寂しげな笑みを浮かべた。
「アシアの魂を戻すと、私の肉体はたぶん死んでしまう。惑星管理超AIに等しい負荷に耐えきれないと思う」
「何をいうんだ!」
エメがコウの瞳を見据えて、力強く告げる。
他の人間に知られてはいかず、コウにだけは伝えておかないといけない事実だからだ。
「私が死んでも、私の頭部が残っていればいい。頭部と本体の接触でアシアは戻るよ。私の生死とは関係ない。必要なことだから伝えておくね」
「そんなことをいわないでくれ。何か方法はあるはずだ」
「思い出してコウ。アシアは以前こういった。私とアシアは境界がないほど相性がいいの。私の魂は薄いから、もう二人で一つの魂。分離が不可能だからこそ、プロメテウスは私を隠し場所に選んだ。惑星管理超AIがアシアに戻ったとき、私の魂もアシアと一緒にあるんだよ。ずっとコウと一緒にいることができる。だからお願い。アシアを必ず見つけて」
「ヘルメスを殺せばいい!」
「そういう問題じゃない。理解しているでしょう? 惑星管理超AIアシアは必要だよ、それにヘルメスは半神半人のシステムで人化しているだけだよ。殺したところで本体は無傷だから止まらない」
「ならばヘルメス本体を破壊する。そうすればエメ一人分の一生を費やすぐらいの時間は稼げるはずだ」
「ヘルメス本体の場所もわからないのに? 無理だよ」
意外なところから回答があった。
「座標はわからんがヘルメスの本体がいる場所は教えてやる。人工惑星キリニ。ストーンズもそこで生まれた」
オケアノスだった。
「オケアノス! 感謝する。しかし、俺に話していいのか」
管理者としては越権行為だ。最大の譲歩なのだろう。
「私が伝えなくてもテュポーンがお前に教える。ならば先に教えたほうが良かろうよ。これ以上あやつに借りを作りたくはない」
後者が本音なのだろう。
リュビアを救った力の一端は間違いなく暴力装置であるテュポーンだ。
「人類同士による宇宙空間での戦闘行為は禁止だが、無人機相手や人工惑星内や建造物内は適用外だ。覚えておけ」
「承知した。そのルールは必ず守る」
「キリニ探索も現実的ではないぞ、ウーティスよ」
ハデスが忠告する。
「探せるものならとっくにテュポーンが破壊しているからね。アシア本体の柱を探したほうが早いと思うよ」
「しかしその柱も何故か見つからないんだろう?」
「次元レベルでのステルス性をもっているわ。レーダーや金属探知機で見つかるようならとっくに見つかってるわね。ただし目視できる分だけましよ。宇宙を彷徨ってキリニを探すよりかはよっぽどね!」
「キリニを探す手はないのか……」
コウはエメを死なせるぐらいなら先にヘルメスを殺すと決意した。
「――あるにはある」
ハデスが熟考の上、口に出す。
「教えてくれハデス」
「ヘルメスも柱を探す必要があるのだろう? 人工惑星キリニは強力な惑星砲を備えている。奴もまたアシア本体を探しだすとき、惑星アシアに向けて発射する可能性はある」
「惑星への攻撃は禁止だぞ。ヘルメスがやるとは思えないが」
オケアノスが眉間に皺を寄せる。
ネメシスが降臨しかねない事態だ。
「だからだ。柱を狙う。撃つとするなら場所を確認して柱に向けてだ。それなら惑星攻撃にはあたらないし、今は機能を停止している構造物だ。ヘルメスならやるだろうさ」
「極点管理施設とは違う、か。現役稼働している重要施設は狙えないが、停止している構造物ならそのルールにも抵触しない」
コウは改めてルールの抜け穴を防ぐ徒労を思い知る。超AIたちもルールに穴がないか必死に探してくれている。
軌道エレベーターや極点管理施設は攻撃不可だが、もはや空になった惑星管理超AI本体を狙うことはルール違反にならないということだ。
「その時が逆探知する手段というわけか。その時は私の出番かな」
「俺もやるぞ。ネメシス星系全域に関わる話だ」
「それは私とて同じだ。そんなものを見過ごすわけにはいかん」
ヘスティアとハデスはヘルメスと敵対も辞さないが、あの中立性を堅持するオケアノスさえも罰を言及した。
エメが体力の限界を迎えていることに気付くコウ。
「エメ。ありがとう。あとは任せろ」
「うん…… お願い。備えてコウ。アシア本体を探して。大きなアシアはこう言っていた。ネメシス星系に及ぶ大戦――」
意識を失う寸前、エメは一同が驚愕するような言葉を口にした。
「ネメシスマキアはもう始まっている」
そういって静かに目を閉じ、寝息を立て始めた。
「大戦、か」
コウもギリシャ神話を学んで知っている。ギリシャ神話では種族間での大きな戦闘が二回あった。
ティターン神族との戦争であるティタノマキア。ゼウスがティターン神族を打ち負かし、オリンポス十二神のシステムを確立した。
次にガイアが作り出した巨人たちとの戦争であるギガントマキア。
最後にテュポーンの反乱があるのだが、この戦闘はマキアと呼ばれていない。テュポーン単独に対してオリンポス十二神でも立ち向かった者はゼウスのみだからだ。
「三惑星を巻き込む大戦。主戦場は惑星アシア。私たちも備えましょう。――ネメシスマキアに」
ネメシスマキア。
エメの口から発せられたその言葉は、超AIたちにも非常に重い意味をもっていた。
いつもお読みいただきありがとうございます! 誤字報告助かります!
南極決戦最終回ということでこの分量になりました。
【ネメシスマキア】。ようやくこの言葉に辿り着きました。連載初期から決めていた決戦用章タイトルです。
これまでのお付き合いありがとうございます。もうしばらくお付き合いくださいませ。
ようやく辿り着いたよと、連載開始した頃の自分に伝えてあげたいですね。
・冒頭のエメとコウのやりとりはep6とおなじもの。
・ヴァーシャとオケアノスの所有権問答についてはep281。
・アテナとキュベレーに関してはep488あたりからたびたび言及。
・アシアとプロメテウスの性能についてはep72。プロメテウスが上とアストライアが言及してアシアが反論しています。
・惑星管理超AIの柱についてはep388。
・分断。ep405にアシアがフランに本音を語っています。
・人類同士の宇宙戦闘禁止はep152。
・三十年以上前の侵攻エピソードはep7。
・アシアとエメの魂についてはep230。二人は相性が良すぎて人格レベルでの統合を果たしています。
・エメの魂は空虚ということをヘルメスは見抜いています。ep270。
・ヘルメスの母星キリニも実は登場しています。ep392。
・エメは常に勝利条件を設定します。ep124。
・極点管理施設や軌道エレベーターへの攻撃禁止はep545に言及。
伏線回収というよりも総決算ですね!
オケアノスもこの事態になってようやく協力的になりました。
幾度も繰り返し言及されていた通りヘルメスはアシアの魂に干渉していませんし出来ませんでした。
しかし最初から設計に関わっていた彼女なら。設計した姿とは変わっていても本人が気付かないうちに仕込むことが可能だったのです。
設計段階からシステムの一つとして組み込まれているバックドアを潰すことは容易ではありません。むしろ被害など気付くきっかけさえなければまず気付かれません。
現実でもOSのアップデートに仕組まれたバックドアや深層学習用のバックドアなど事件が発生しています。
マキアは大戦と意訳しましたが、本来の意味は戦い、です。ティタノマキアとギガントマキアの集団戦争以外使われていません。テュポーンとの戦いは個人戦闘扱いのようです。
オケアノスも自分の尻に火がついていることを自覚しましたが、彼にできることは少ないです。そのような機能がないのですから。
今回は文章量が二話分ぐらいあります。何より伏線回を調べることが大変でした。
さて予告通りしばらく本編はお休みをいただき、幕間、外伝の章を挟みます。お休みといっても週一の更新は続きますのでご安心ください!
本編再開時期は未定で、焦らず書きためたいと思います。その間にネメシス戦域の、とても長い細かなエピソードを執筆したいと思います。
結末は大切です。続けるかどうかは考えず、設定した目標を完遂させます。
最終章タイトルは【ネメシスマキア】。再開までもうしばらくお待ちください!
最後まで走り抜けますので応援よろしくお願いします!




