第陸拾漆話 170万年前の地球の様子を教えて
## 一言でいうと
> **約170万年前=「ホモ・エレクトスがアフリカを出てユーラシアへ広がり、石器も“ただ割った石”から、意図的に形を整えた道具へ進化し始めた世界」**です。
### 気候
170万年前は**更新世前期**。氷期と間氷期が繰り返される中で、長期的には寒冷化が進んでいました。
アフリカでは森林と草原が入り混じる一方、ユーラシアにも草原や疎林が広がり、人類が新しい環境へ進出できる舞台が整っていました。
### 人類
主役は**ホモ・エレクトス**です。
約190万年前にはすでにアフリカからユーラシアへ進出していたと考えられ、170万年前にはその分布域がさらに広がっていました。
彼らは従来の初期人類より、
* 長い脚
* 現代人に近い身体比率
* 長距離歩行に適した体
* より大きな脳
を備えていました。
「アフリカを出られる身体」が、実際に広大な世界を歩き始めた時代です。
### 石器革命
この時代の大きな出来事が**アシュール石器文化**です。
約176万年前ごろから東アフリカで登場したとされる、左右対称に加工された**握斧**などが代表です。





単に石を割って鋭い破片を得るだけではなく、
> **「最終的にどういう形にしたいか」を念頭に置いて石を加工する**
という性質が強くなります。
これは道具そのものだけでなく、**計画性を伴う行動**の発達を示す重要な変化です。
### 動物たち
アフリカやユーラシアでは、
* ゾウ類
* ウマ類
* ウシ類
* サイ類
* シカ類
などの大型草食動物が繁栄。
それを狙う大型ネコ科やハイエナ類なども生息していました。
人類はまだ生態系を支配する存在ではありません。大型肉食動物と競合しながら、死肉を利用したり狩猟したりして生きていました。
### 海
そして、まだ**メガロドンの時代**です。
暖かい海には大型クジラが泳ぎ、その上位に巨大なメガロドンがいました。
ただし、170万年前ともなると、地球全体の寒冷化はかなり進んでいます。今後、海洋生態系も大きく変わっていくことになります。
### 地球の大きな流れ
170万年前の世界を眺めると、
**寒冷化する地球
↓
変動する環境
↓
広い範囲を移動できるホモ・エレクトス
↓
計画性を増す道具**
という流れが見えてきます。
## 一言でまとめると
> **約170万年前=「地球が寒冷化する一方、人類は歩ける身体と計画的な石器を手に入れ、アフリカの外へ本格的に世界を広げ始めた時代」**です。
この時代は、**「人類が世界へ出た」だけでなく「道具を設計する人類になった」**という二本立てで描くと、前の章との差が出ます。




