第伍拾弐話 993万年前の地球の様子を教えて
> **993万年前=「中新世が終わりへ向かう中、現代の生態系の輪郭がはっきりと見え始めた世界」**です。
約1120万年前から127万年後、地球は**中新世後期**にあたります。世界は長期的な寒冷化の流れをたどり、森林中心だった地球は、草原と森林が共存する現代に近い景観へと姿を変えつつありました。
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## 気候
地球は依然として現在より温暖ですが、その差は以前ほど大きくありません。
* 南極氷床は安定して存在
* 乾燥地域が拡大
* 季節性が強まる
* 海面はやや低い
こうした変化は、動植物の分布を少しずつ変えていきました。
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## 草原の成熟
この頃になると、イネ科植物を主体とする草原は世界各地で定着し始めています。
森林は湿潤な地域を中心に残りますが、
* 草原
* 疎林
* 森林
という現代にも見られるような景観が広く形成されていました。
草原は、もはや一時的な環境ではなく、生態系の主要な舞台となっています。
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## 草食動物
草原の拡大に合わせて、草食動物もさらに洗練されていきます。
### ウマ
ウマ類は長距離を走る体へ近づき、
* 長い脚
* 発達した中央の指
* 草をすり減らしながら食べられる歯
を備えた種が増えていきました。
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### 反芻動物
シカ類やウシ類、キリン類につながる系統も繁栄しています。
草を効率よく利用できる反芻という仕組みは、草原時代の大きな武器となりました。
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## 肉食動物
草食動物の増加は、捕食者の進化も促します。
ネコ科・イヌ科の祖先は、
* 待ち伏せ
* 持久走
* 集団行動
など、それぞれ異なる戦略を発達させ、生態系の上位捕食者としての地位を固めつつありました。
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## 類人猿
類人猿は依然としてアフリカやユーラシアの森林で暮らしています。
しかし、気候変動により森林は分断され、地域ごとに異なる進化が進み始めました。
この頃に繁栄した**ドリオピテクス**などの類人猿は、人類そのものではありませんが、後の類人猿の進化を考えるうえで重要な存在です。
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## 海の世界
海ではクジラやイルカが多様化を続けています。
ヒゲクジラは大型化を進め、ハクジラでは反響定位を駆使する種が繁栄しました。
また、この頃には**メガロドン**が海の頂点捕食者として世界中の海を泳いでいました。
体長15メートルを超えたと推定されるこの巨大ザメは、大型の海洋哺乳類さえ獲物にしていたと考えられています。
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## 大陸
大陸配置は現在とほぼ同じです。
ヒマラヤ山脈はなお隆起を続け、その影響でアジアのモンスーンや乾燥地帯の形成も進行していました。
地球規模の気候システムは、ますます現代に近づいていきます。
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## この時代ならではの出来事
約1000万年前は、
> **「森林の世界から草原の世界への移行が、ほぼ完了しつつあった時代」**
といえます。
恐竜絶滅後に始まった哺乳類の繁栄は、この頃には「現代型の生態系」という一つの完成形へ近づいていました。
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## 植物
植物相は現代とかなり似ています。
* イネ科植物が草原を支配
* 湿潤地域では広葉樹林
* 寒冷地では針葉樹林
という構成が広く見られ、生態系の土台を支えていました。
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## 一言でいうと
> **993万年前=「草原が地球の主要な舞台となり、現代につながる動植物たちがそれぞれの居場所を確立し始めた世界」**です。
ここまで来ると、「気候の変化」そのものよりも、「その気候の中で生物たちがどのように現在の姿へ近づいていったか」が章ごとの見どころになってきます。次の年代では、その流れの中で現れる新しい動物や地球規模の出来事が、また一つ時代の個性を作ってくれるでしょう。




