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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

畜生の断末魔~ゲームの世界に転生をした村人は原作を知らない~

作者:梓川澪
最新エピソード掲載日:2026/06/21
世の中に腐るほどある異世界系のファンタジーゲーム。
痛烈な批評を浴びて、時間を持て余した廃人達の掃き溜めと化していた、珍妙な界隈では名作と称されるゲーム『畜生の断末魔』があった。
設定は使い古された、ありきたりな世界観。
女神のなんか凄い力で異世界に召喚された〈勇者〉とやらが、聖女や魔術師などの仲間達と一緒に冒険に繰り出し、女神に押し付けられた〈魔王〉を倒し世界を救う、といった身勝手極まりない都合に馬鹿正直に従い、最後は世界の敵を封印して笑顔でハッピーエンド……。
作品を動かしたプレイヤー諸君は、主人公達の輝かしい冒険譚に拍手を送り、涙を流すかもしれない。
世界を救った英雄たる〈勇者〉様も、女神から貰い受けただけの能力を、さも自分の力だと思い込んでいる勘違いを胸に、大衆から万雷の拍手と称賛を向けられ、後世に栄光と平穏を残すことだろう。
その後、〈勇者〉は召喚を行った王国の姫、仲間でもあった聖女と婚姻を結び、子宝にも恵まれ、婚姻の裏に聖女の陰湿な思惑があったことなど露ほども知らず、次代の王に祭り上げられ、仮初めの地位を手にする。
――というのが、本編のクリア後にエンドロールで断片的に流れる映像だ。
馬鹿で無知な〈勇者〉様は誠実に鈍感が合わさった、素晴らしい愚者なので、他人の悪意というものに気が付かない。
しかし、物語を俯瞰的にプレイしている者達は、登場人物がどういった思惑を持っているのか明白である。
〈勇者〉と結婚をした聖女も、まさか本当に〈勇者〉の魅力に落ちて惚れてしまった、わけもなかった。
最初から目的は、〈勇者〉の子種だ。
そこにも様々な気色の悪い陰謀が巡っているのだが――。
問題なのは、そこではない。
長いエンドロールの、制作陣のありがたい御言葉が終わり流れた、一分ほどの映像だ。
制作側が何をどう狂ったのか知らないが、〈勇者〉と聖女の間に生まれた赤子は、実は聖女の不貞により授かった子で、その相手は聖女を育てた教育係の男だったと判明。
その後、なんやかんやあって空の裏側から異星人が襲来し、王国は滅ぼされ、子供は人質に。
聖女は異星人に犯され奴隷に堕ち、〈勇者〉は飼い殺されるといった、前振りもない世界観が混在している怒涛の展開が、短い映像として垂れ流される。
そんな設定や展開が終わっているゲーム世界に――
原作を何も知らない男が村人として転生をしたのだった。
第一章:断罪の運命にある唐紅の令嬢
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