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『水辺での密談?』

 今日合流した護衛2人と子供を含む5人の乗客と距離をとっていたオフェーリアは、これまで共に旅してきた冒険者たちの誰かといつも一緒にいるようにして、今もジニーと一緒に河原にいた。


「飲み水の話、ワランに聞いた」


「そう、なら水筒を出して。

 あちらの連中が来ないうちに水を入れるわ」


 ジニーが預かってきた水筒6個と自分のものを渡すと、オフェーリアは川で水を汲むように見せかけて【ウォーター】で水を作り、満たしていく。


「おおっ!」


 ジニーとて冒険者稼業は長いのだ。

 それなりに“魔法使い”を自称する者たちと会ったことも、一緒に依頼をこなしたこともある。

 だが総じてその連中は雑用と言えることに魔法を使うことはない。

 それはジニーの想像だが恐らく魔力量の問題だと思っている。

 だが、今目の前で水を作り続けているフェリアに魔力量を気にする様子はない。


「はい、終わったわ。

 水筒、皆に返しておいてね。

 それとワランにも言っていたのだけど、私は今のところ新規の7人と関わるつもりはないの。

 だからこれもお弁当も内緒ね?」


「ああ、それと馬の水なんだが今日の分は樽の水でいけるそうだ。

 明日の分は宿の井戸で入れるそうなので野営の時は頼むって言ってた」


 御者からの伝言を受けて、オフェーリアは頷いた。



 オフェーリアの長閑な旅は終わりを告げた。

 昼休憩のあと起き出した女の子がオフェーリアの平穏を奪い去ったのだ。

 午前中は眠っていたのでよかったのだが、昼食も食べずに寝ていた少女は馬車が動き始めてすぐに目を覚ました。


「ママ〜 お腹すいた〜」


 見た目より幼いのか、それとも愚かなのか、少女は大きな声で母親に食べ物をねだる。

 母親はそれに応じて荷物から包みを取り出し、娘に渡した。


「また干し肉を挟んだパン?

 もう嫌だよ〜」


 少女がぐずっているのを聞かされるのは、気分が悪いという言葉で言い表せるものではない。


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