『スクランブルエッグ』
結論から言うと、唐揚げとパスタスープは大好評だった。
そして揚げものとパスタの入ったスープという腹持ちの良いメニューは大正解だった。
「このから揚げっていうのは美味いな。
こんな料理食ったことないぜ」
モロ肉食獣の蜥蜴人ワランが殊の外気に入ったから揚げをどんどんと口に入れていく。
オフェーリアはもう一皿異空間収納から取り出して追加しておいた。
「このスープも初めて食ったが美味い。
パスタって言うのか?
このもちもちした食感がいいな」
ジニーはパスタスープがお気に入りのようだ。
スープに黒パンを浸して舌鼓を打っていた。
そのさまにオフェーリアは小さく溜息をついた。
何と言っても冒険者5人のために作った量が半端ではなく、胸焼けしていたのだ。
「今日はもう休みますね」
女性の特権で今夜は馬車の中で寝ることを認められ、オフェーリアはそそくさと乗り込んだ。
そして一応防犯のために結界石で囲んで明日の朝食の下ごしらえをしておく。
「と、言ってもスクランブルエッグなんてすぐできるんだけどね。
でも量がね」
異空間収納には大量の鶏卵がストックしてある。
それをボウルに割り入れていき、適量の牛乳と塩胡椒をしてかき混ぜる。
先ほど一度収納した魔導コンロを出し、フライパンにバターを溶かす。
焦げないように温めて卵液を投入するとあとはかき混ぜるだけだ。
スクランブルエッグはすぐ出来上がり、それを何度も繰り返して大量に調理した。
あとは明朝食べる前にパンに挟めばいい。
「マヨネーズとケチャップを用意して……
そうだ!自分で挟みながら食べてもらおう!」
この思いつきは大好評で、この後朝食は半セルフとなった。




