『昼食時』
銅貨50枚、本来なら昼食としてはぼったくりだ。
だがあの食欲である。
「と、いうことでよろしいですね?」
昼食を前にした獣たちは、一切の文句もなくそれを受け入れ、それぞれが銅貨50枚を差し出した。
「ではどうぞ」
最初はひとり分づつ分けて出そうかと思ったのだが面倒なのでやめた。
これくらいは個々の責任でやって欲しい。
「美味い!!
これは一体何が挟んであるのだ?!」
ポテサラサンドを一口で口に入れたのは狼人のパンナだ。
彼はマヨネーズと言う未知の味に反応した。
「これは芋?芋なのか?
しかしこの味付けははじめての味だ」
このあたりではジャガイモは普通、肉料理などの付けあわせとして用いられることが多い。
それは潰したマッシュポテトが主で、なのでポテトサラダを見てジャガイモだと見抜いたのだが、その調味料の正体は未知のものだった。
「それは私の生まれ故郷の調味料なの。
ちょっとクセになる味でしょう?」
「おお!この肉の方も美味いぞ!!」
ジニーが肉炒めサンド食べて歓喜の声を上げた。
そして次々と口にしているとそこに蜥蜴人のワランが合流した。
「なるほど……これは美味い」
辛子バターが効いた肉炒めサンドは肉食獣人にウケるかと思いきや、獣人に肉食、草食は関係ないようだ。
あと、それほど量を用意していなかったが玉子サンドも地味に人気だ。
ちなみに今日の玉子サンドは茹で玉子をスライスして並べたものだ。
こちらは辛子マヨネーズがたっぷりと使われていた。
「気に入ってもらえてよかったわ」
「フェリアちゃん、いい嫁さんになるよ」
露骨に顔には出なかったが、今までに2回ポシャったと、思わず叫びたくなったオフェーリアだった。




