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『さまざまな獣人たち』

 グレーがかったベージュのゴツゴツした肌。

 大きな耳。

 そしてなによりもインパクトの大きい、長い鼻。


「ほへ〜」


 目の前の獣人から目が離せないオフェーリアは馬車の揺れに対応することができなくてたたらを踏んだ。


「おっと、お嬢さん大丈夫かい?」


 小柄なオフェーリアを事も無げに抱きとめた象獣人は平静を装いながらもそのよい香りにクラクラする。


「はい……あの、ごめんなさい」


「本来の姿に近い獣人は初めてかい?

 ああ……蜥蜴がいたか」


 それでも、蜥蜴と象ではインパクトが違う。

 いきなり象の鼻が持ち上がり、オフェーリアの頭を撫でてきて、またびっくりした。


「とりあえず座った方がよさそうだよ。

 俺はちょっと出てくるね」


 荷物を置いた象人が動いている馬車から飛び降りていった。

 そのことは彼が馬以上の速度で走れるということを表している。

 オフェーリアは、獣人という存在は魔法が使えなくてもその優れた身体能力で補填しているのだと強く感じた。



「ねぇ、大丈夫ー?」


 突然窓の外に猫耳の男の逆さまになった頭が現れた。


「ひゃあ!」


 ブランデルグが上から覗き込んでいるだけなのだが、またまた心臓に悪い。


「はじめましてー

 俺の名はブランデルグ、ブランって呼んでくれたらいいよ」


「あの……こんにちは、ブラン。

 私はフェリア、これからよろしく」


「うん、じゃあまた後でね」


 現れたときと同じように、突然その姿(頭)が消え、馬車が動き出してから怒涛の如く続いた出来事が終わりを告げた。

 オフェーリアは座席で脱力している。


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