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『重ねた年月は……』

「気になることはいくつかある……

 まずは今どこに泊まっているか、じゃ」


「城下町の宿屋、では納得してもらえないかしら?」


 鑑定士の爺が目尻を下げて声を出さずに笑う。


「お嬢さん、今のこの状況でどうやってここまできたんだい?

 乗り合い馬車は運休しておる。

 と、いうことは【飛行】もしくは【転移】魔法を使用することができるんじゃろうな」


「まあ、そうね」


 オフェーリアとしても断固として隠し通すつもりはない。

 なので口調は軽い。


「お嬢さん、あんたどこで冬籠りしてるんじゃ?」


「うふふ、内緒よ?今、森にいるの」


「どこの森、とは聞かずにおくわ」


「私、家を持ち歩くことができるの。

 なので森の中の積雪が少なそうなところを探して、ポンと出して結界で囲むとあら不思議!

 とっても居心地の良いお家の出来上がりです!!」


「【結界】魔法も使うのか……」


「そりゃあ、まあ、魔法族ですから」


「古の魔法の乙女か。実在したんじゃな」


「そりゃあ、私たちがいなかったらこの大陸に魔法使いは生まれなかったと思うわよ?

 お爺さんもそうでしょう?」


 そう、鑑定士は低レベルだが【鑑定】魔法が使える。

 この能力と長年の経験で鑑定士を名乗っていられるのだ。


「……気づいていたのか」


「私には魔力が見えるからね、まあ、それだけではないけど」


 おそらく、ずいぶん前に混血したのだろう。

 鑑定士の爺はかなりの確率で先祖返りで魔法族の血がほんの少し甦ったのだろう。


「この大陸にお爺さんのような人はたくさんいるのかしら?」


「いいや、元々少なかった混血の魔法使いは代を重ねるごとに減っていって、魔法使いと名乗れるようなものは極々少数じゃろうて」


 特に獣人との混血は、根付きにくいようだ。


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