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『冬籠りの地』

 ハズレの町がある辺境では例年になく大量の雪が降り続いている。

 明かりとりの窓からその様子を見ていたオフェーリアはこの半月ほどのことを思い出していた。



 この町に着いた初日の夜を宿屋で過ごし、翌日向かった城下町はさすが辺境第一の町であってその規模の大きさは目を瞠るものがあり、冬篭り前の最後の市が立っていることもありかなりの賑わいだった。

 門前町のギルドで紹介された宿屋でようやく3泊ほど部屋を押さえることができたが、冬籠りの間の予約は中々難しそうだ。


 オフェーリアはこの時から精力的に動き始めた。

 まずは宿が見つからない時のため、代替案を探る。

 まず、どこかの空き地などを借りてウッドハウスを持ってくることを考えたがこれはかなり難しいだろう。

 それでもオフェーリアは一応商業ギルドに行って賃貸物件(土地を含む)を探してみたが、ようは時期が遅すぎたようだ。

 なので壁外の、例の極彩色の森で冬を越すことにした。


 都に転移しウッドハウスを回収する。

 それからかなりの量の食料品や雑貨を買い込み森に向かった。


「まだ葉は落ちてないけど……

 魔獣の気配がしないわ」


 念のため【探査】してみたが獣系の魔獣が数頭いるだけで爬虫類系は1匹もいない。

 オフェーリアはウッドハウスを設置する場所を探して森を歩き回った。


「まあ、どうせ結界で囲むからどんなところでも問題ないけど、多少は積雪が少なそうなところがいいわよね」


 そうしてオフェーリアは極彩色の森の奥深く、巨大な木々の根元のわずかな空間を、小ぶりな木を切り払うことで広げてやっとウッドハウスを出すことができた。

 周りに二重に結界を張るとようやく落ち着くことができる。

 ちなみにここには門を使わず転移してきたので、書類上ではオフェーリアは今もハズレの町に居ることになっている。


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