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『獣人たちの大陸』

「そもそも太古の昔には、この陽西大陸には獣人しかいなかったという話だ。

 それが、ヒト族が入植してきて混血が進み、今に至る。

 だからこの国には俺みたいなヒトに近い獣人が溢れているわけだ」


 オフェーリアにそう説明してくれる彼は牛の獣人のようだ。

 特徴的な耳や角、尻尾のほかに顔の輪郭が牛そっくりなのである。


「もちろん今はヒト族もいるが……混血が多いな。

 それに純血の獣人だっている」


 どうやらこの大陸は、自分たちの知る国々とは根本的に文化が異なる可能性がある。

 オフェーリアはこの時点で人々の中に埋没して生活することを諦めた。


「そうなんですか……

 では私も変に隠さない方が良いですね。

 とりあえず、あなたには」


 オフェーリアは金色の髪を掻き上げて隠していた耳を晒した。


「転移陣を使ってきたことから想像はつくと思うけど、私は【エルフ】の一族です。

 名称は【エンシェント・エルフ】

 魔法族と言われる種族ですね」


「エルフ……

 本物は初めてみた」


 兵士の目は先の尖った耳に釘づけだ。


「本物?偽物がいるの?」


「偽物というわけじゃないが、エルフの血を引くという自称エルフとの混血の子孫と言う連中がいる」


「ここの人たちは魔法が使えるの?」


「使えるやつもいる。

 そんな連中は本物のエルフとの混血なんだろうな。

 ……俺は使えんぞ」


 それでも彼は体内に魔力を持っている。

 微量ながら簡単な【ファイアー】や【ウォーター】などの魔法の発動は可能だろう。



「さて、話を戻してあんたのこれからだが……

 まずはギルドで登録して、身分証がわりのギルドカードを作ってくれ。

 今持っているカードを提示すれば簡単にできるはずだ。

 それからそれを持ってもう一度ここに来てくれ。

 本来なら自国民かギルドカードを持たないものからは入国税として銀貨20枚をもらうことになっている。

 あんた、いやフェリア、この大陸の共通貨幣を持ってないんだろう?」


「ええ、ギルドで何か売るつもりだったわ」


「そうだな、そうしてくれ。

 入国税は貸しにしとくから絶対にギルドカードを見せにきてくれよな」


 彼はかなりのお人好しのようだ。


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