『【毒】の木』
「うっわ、本には載っていたけど実際に見ると目が痛くなるほどの極彩色だわ」
オフェーリアは目の前に広がる森に釘付けだ。
そして【鑑定】してみると、この無駄に目立つ森がお宝の山だということが判明したのだ。
「きゃー!
なんて素敵な森なの!!」
狂喜乱舞したオフェーリアは早速突撃する。
彼女の前には【毒】【毒】【毒】のオンパレード。
早速採取用の防毒装備に身を包み、自身に【防御】の魔法をかけて、さあ突入だ。
「ううう〜、あまりに素敵すぎて興奮する〜」
【飛行】を使って飛び上がり、まずは最上部の若い葉を採る。
取り出したのは特注の透明の袋で、それにはあらかじめ方位や上下などが書き込まれていて、オフェーリアはその通りのところから採取した葉を収めていく。
「今日はこの木だけにしましょうか。
これは少し腰を据えて行う必要があるわね」
数十枚のサンプルを採取したオフェーリアは、神殿跡?の前にゲルを取り出した。そしていつものように結界石を配置し、結界を張るとゲル経由で都のウッドハウスに戻っていったのだ。
「まさかその日に戻ってくるなんてね」
採取用の袋の大量発注のためにやってきたオフェーリアを見て、ダイアナが呆れている。
「だって本当に宝の山なんですもの。
今日はたった一本の木からしか採取できなかったのだけど、凄いの!
だって見たことのない【毒】なの!!」
テンション上がりまくりのオフェーリアの【毒】に対する執念とも言えるものに、感心するやら呆れるやらで付き合うのだった。




